恐れていたことが現実となった。日本野球機構(NPB)の調査委員会による野球賭博問題の調査で、巨人が5日に告発した福田聡志投手(32)に続き、笠原将生(24)、松本竜也(22)両投手の関与が21日、発覚した。だが疑惑が晴れないG戦士は他にもいる。
同日の東京・大手町の読売新聞本社。巨人・久保社長は16日前と同じ会見場で再び頭を下げた。
「野球史を汚すような選手を出し、お詫びしたい。この問題を初めて公表してからわずか半月あまりの間に、このような記者会見を2度も行わざるを得ないこと。また24日からの日本シリーズ、22日の新人選択会議の直前にこのような発表をしなくてはならないことは球団として痛恨の極み」
問題発覚後に球団は全選手、首脳陣、職員を対象にヒアリングを行ったが、性善説に基づき自白を促す調査の実効性は疑問視されていた。案の定、“余罪”は球団からではなく、調査委によって明るみに出た。
福田を胴元に紹介しただけで、自分はプロ野球の賭博はしていないという笠原の主張は嘘だった。福田より早い昨年4月から10月まで約20-30試合に賭けていた。松本竜も笠原の仲介で、昨年6月頃から10月頃までプロ野球の十数試合に賭けていた。両者とも永久失格処分となる八百長行為は確認されなかったが、調査委からこの日午前に報告を受けた球団側が、本人らに改めて事実確認した結果、野球協約違反と判断して追加告発に至った。
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野球賭博が球界全体に広がることが懸念される中、警視庁が事実関係を確認する方針であることが21日、分かった。巨人・久保球団社長は「警察には相談している」と話しており、暴力団関係者の関与の有無にもメスが入りそうだ。
野球やサッカーなどスポーツを対象にした賭け事は、競馬や競輪などの公営ギャンブルを除き、刑法の禁じる「賭博」と見なされる可能性があるからだ。
法律専門家によると、賭博は「結果が確実に予想できない偶然の事情に関して財物を賭け、勝敗を争うこと」とされる。単に賭博をした場合の法定刑は50万円以下の罰金または科料、常習賭博は3年以下の懲役。賭博場を開くなどして利益を図った場合は3月以上5年以下の懲役が科せられる。
プロ野球や高校野球を対象にした賭博では、賭博開帳図利などの疑いで暴力団組員が逮捕されるケースが多い。