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サラリーマンのケンカは「両成敗」

2013年09月06日 | 気になるネタ

ドラマ「半沢直樹」(TBS系日曜夜9時)の勢いが止まらない。リアルに描かれた銀行組織を舞台に「やられたらやり返す。倍返しだ!」と理不尽な上司を懲らしめる半沢に留飲を下げているビジネスパーソンの視聴者が多い。

 ただし、銀行内の描写はリアルだが、上司に直接逆らう半沢のような人物は、銀行にはまずいない。「人事が全て」の銀行員人生にあって、上司と直接対立するのはリスクが大き過ぎるからだ。

 また、サラリーマンのケンカは「両成敗」が組織の大原則だ。上司と対立して不正を暴いた場合、上司が飛ばされるのは当然として、対立した部下も「大っぴらにケンカしたこと」自体が処分の対象となって部下にも不本意な異動が待っているのが普通だ。半沢のように花形部署に栄転することはまずない。

 筆者は20代前半に、上司のごまかしを社内で暴いたことがある。この時の上司は関連会社に異動になったが、筆者も大いに気に入っていた仕事から外された。その後の転職人生の端緒となった。

 サラリーマンが不正と戦う場合のケンカの心得を3つ伝授しよう。

 心得その1「駆け込み先を複数持て」。

仮に、あなたが上司の不正の証拠を押さえたとしよう。それを持って上司と直接対決したら、どうなるか。上司は問題を握り潰すための画策をする公算が大きい。

 また、告発窓口のような会社の仕組みを全面的に信用してはいけない。外資系の有名IT企業での話だが、他部署の部長からのセクハラ被害を訴えた女性が、逆に解雇に追い込まれた例を知っている。直接駆け込む窓口の反応が思わしくない場合のために、必ず別ルートの情報提供相手を算段しておこう。別の部門の役員であるケースもあるだろうし、マスコミの場合もあるだろう。

 心得その2「記録を取れ」。

告発すべき不正として、証拠・証人を確保するのは基本であるとして、告発の前後を含めて、誰にいつ何を言ったか、上司はその後にどう振る舞ったかなどをしっかりと記録しておこう。

 対立がこじれた場合に、「言った・言わない」でもめることがあるし、自分の告発の正当性や、相手の反応の不当さを証明しなければならない場合が生じる可能性もある。専用のノートに日誌のようなメモを取るなど、記録が重要だ。

 心得その3「退路を確保しておけ」。

端的にいって、転職のめどを立てつつ戦うことが大切だ。

 日本の会社には、正しい告発であっても告発者を厚遇する考え方はない。正義の実現と、自分の職業人生とを別々に両方考えることが必要だ。

 筆者は30代前半に会社の不正に関する情報を外部に流したことがあるが、この時は同時に転職先を探した。自分のキャリアを守るためだった。(経済評論家・山崎元)



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