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肥満と痛風に悩まされながらも新鮮な食ネタを捜し求めて・・・

増税を凍結する-という仰天シナリオ

2015年09月19日 | 気になるネタ

消費税再増税時の負担軽減策として、財務省がまとめたマイナンバー制度を利用した「還付制度」の導入が困難な情勢になってきた。自民、公明両党から批判が噴出しているうえ、産経新聞社・FNN(フジニュースネットワーク)の世論調査でも、72・5%が「反対」と答えたのだ。日常の買い物が煩雑になり、消費押し上げ効果を期待しにくく、端末設置にも膨大なコストがかかる。「白紙撤回」のシナリオが現実味を帯びてきた。

 「こだわるつもりは全くない」「アイデアとして提案したのであって、問題があるなら(与党で)考えればいい」

 麻生太郎財務相は15日午前の閣議後の記者会見で、還付制度の財務省案について、こう語った。

 自民党の野田毅税調会長は「振り出しに戻って議論をまとめるのは難しい」として、還付制度の撤回には応じない姿勢をみせているが、公明党などの抵抗は強く、同日の与党税制協議会での合意は極めて困難な情勢だ。

 「日本型軽減税率制度」という財務省案は、消費者が買い物時に税率10%分を支払い、後から「酒類以外の飲食料品」の購入額に応じて、増税した2%分(上限・年4000円軸に検討)を税務署が払い戻すもの。2017年4月の再増税に伴う負担軽減策として与党に提案されたが、すぐ批判が噴出した。

 まず、店舗側は制度導入までに、番号カードを読み取る端末を用意するが、これが負担になる。

 経済ジャーナリストの荻原博子氏は「これでは“マイナンバー不況”が起きてしまいますよ。零細商店などにとって、端末設置は大変な負担です。企業の収益が悪くなれば給料も上がらず、経済は負のスパイラルに陥ります」と憤慨する。

財務省は、端末の無料配布や補助を検討するというが、決定ではない。

 消費者にとっても、いったんは10%分を支払わなければならないため、「おトク感」が乏しい。荻原氏が続ける。

 「現在の8%への増税の際も、消費者の財布のヒモは相当締まった。財務省案では『増税の痛みが和らいだ』と実感しにくく、消費は今以上に冷え込むでしょう」

 さらに、番号カードには、納税や年金情報などにつながるマイナンバーに加え、氏名や住所、生年月日も記載されているため、「個人情報の固まりを、日常的に紛失の危険にさらし続けるのはいかがなものか」(荻原氏)との批判は強い。

 なぜ、財務省はこうした案を出してきたのか。

 経済アナリストの森永卓郎氏は「小売店への端末設置などの準備が間に合わないのは明らかだ」と指摘し、推測する。

 「実現不可能と思える案を出してきたのは、(増税先送りを模索する官邸と呼吸を合わせて)『17年4月までに環境を整えることができない』との理由で増税を凍結する-という仰天シナリオがあるからではないか。財務省は再増税は撤回したくないが、この理由なら大義名分になる」

 安倍晋三首相が早期の判断を迫られる場面が出てきそうだ。



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