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糖尿病性神経障害

2014年12月10日 | 気になるネタ

糖尿病の合併症のひとつである神経障害では、高血糖状態が半年程度続くだけでも、ピリピリやチクチクなど、特徴的な症状が現れやすいことを前回紹介した。ただし、糖尿病の全てに、初期段階での神経障害が生じるわけではない。神経の異常に気づかずに放置してしまうと、自律神経障害など、さまざまな症状が現れるようになるからご用心。

 【神経障害は主に3つ】

 神経は、手足のみならず全身に張り巡らされている。高血糖の状態が続くと、神経のさやがむくんで異常が現れるが、それは1カ所だけでなく、身体の至るところに出るようになるという。

 日本赤十字社医療センター創傷ケアセンター長を兼務する糖尿病内分泌科の日吉徹部長が説明する。

 「手足などの末端の神経の症状が出やすいのですが、当院の患者さんのアンケートでは、『手足がジンジンしてしびれる』と感じたのは全体の31%でした。しかし、自覚症状のない人の体内でも、神経障害は進んでいます。手足の感覚に関わるだけでなく、自律神経や顔面神経、聴覚神経など、全身の神経に関わるのです」

 日吉部長によれば、糖尿病性神経障害には、別表のように大きく分けて3つあるそうだ。表の中の自律神経は、臓器を動かす、あるいは発汗するなど、無意識の状態で身体をコントロールする神経。それも、高血糖の状態が続くと、知らぬ間にダメージを受ける。

 【モノが二重に見える】

 「糖尿病による自律神経障害も、人によって症状はさまざまです。立ちくらみや、暑いのに汗をかかない発汗異常、尿意を感じにくくなるなど、自律神経に関わる部分に症状が現れます。神経に関わるいずれの症状も、別の病気が疑われることもありますが、高血糖でも起こりやすいのです」(日吉部長)

 多発性神経障害は、手足の末端の神経から身体の中心部へと広がっていく。自律神経障害も全身に関わる。そして、単一性神経障害は、顔面麻痺や眼球が動かなくなるなど、神経の一部に強い症状が現れるのが特徴。 「動眼筋(どうがんきん)まひ」は、片方の黒目を動かすことができなくなる。両目で横を見ようとしても、片方の目が動かないので焦点が合わず、「モノが二重に見える」といった自覚症状が現れるという。眼科を受診して、初めて糖尿病性神経障害になっていることに気づく人もいるそうだ。

 「糖尿病性神経障害は、ある日突然、自覚症状として現れます。単一性神経障害の顔面神経まひでは、顔の片方だけ神経がマヒし、コップの水も飲めなくなってしまいます。根本的な解決策は、血糖値のコントロールにありますが、神経障害の症状がなぜ出てしまったのか、理由を知らない人は多い。高血糖の体内では、すでに神経に異常が起こり始めていることを知っていただきたいと思います」と日吉部長は話す。 (安達純子)

 ■糖尿病性神経障害の分類と主な症状
 ・多発性神経障害…両手足のしびれ感、チクチクとする痛み、感覚が鈍くなるなど
 ・自律神経障害…立ちくらみ、発汗異常、便通異常、勃起障害など
 ・単一性神経障害…顔面神経まひ、片方の目が動かなくなる動眼神経まひなど



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