21日放送の「ミヤネ屋」(日本テレビ系)で建築家の伊東豊雄氏が、安藤忠雄氏に対して批判的な見解を示す一幕があった。
番組では、政府がデザインをゼロベースへと戻した新国立競技場の騒動について特集し、建築家の伊東氏と中継を結んだ。
スタジオでは、司会の宮根誠司氏が、伊東氏はプライベートでも安藤氏と親しいことを語った。しかし、予算の増減などの問題について議論が進むと、伊東氏は「今回、私にとって不可解のなのは」と、ザハ案採択についての疑問を語り始めた。
伊東氏は、今回のザハ案では、見積もりを出したザハ・ハディッド氏が、最後まで設計に携わらないことに疑問を呈し「今回は、それを日本の設計事務所が基本設計・実施設計は請け負うと」「そこでの責任の分担ですね。そこが非常に不明解になってる」と、今回の問題を引き起こした原因を指摘した。
また、伊東氏は、安藤忠雄氏の「デザインの選定まで。デザインを選んだ責任はあるが、私は総理大臣じゃない」という会見での発言について「デザインという言葉が、軽く受け止められている気がするんですけど」と、今回のコンペティションの選考に携わった安藤氏を強く批判した。
さらに伊東氏は「デザインの後ろにどういう環境に対する配慮、コンパクトなオリンピックにへの配慮というような、思想を審査するべきだったと思うんですね。そのことを安藤さんが全く語られないで『コストがこんなに上がってるのが分からへんと』言ってるのは、残念な気がしますね」と厳しく批判した。
2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場の建設計画をめぐり、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)がデザインを手がけた建築家ザハ・ハディド氏の事務所や設計業者などと総額60億円近い契約を結んでいたことが21日、分かった。大半は支払い済みで、計画撤回によって無駄な支出となる見通しだ。
同日の民主党会合でJSCが配布した資料に記載されたが、詳しい説明はなかった。担当者は「終わっていない業務分は払わないで済むように交渉したい」と記者団に語った。
2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の建設計画見直しについて、東京都の舛添要一知事(66)は21日の定例会見で、新たな整備計画を議論する政府組織に都職員を送り込む考えを示した。
前日、自身のブログで過去の経緯を「大失策」と切り捨てて「文部科学省は無能力・無責任で、失敗の最大の原因」と批判した上、政府主導の新組織を再構築していくことを提言していた舛添氏。一夜明けて、菅義偉官房長官が関係閣僚らによる政府組織を立ち上げることを明言したことを受け、舛添氏は「ある意味で私の提言を聞いて下さったということ」と述べた。既に政府からは連絡が入り、遠藤利明五輪相を座長に、菅官房長官と下村文科相が副座長とする組織になることを伝えられたという。
今後の整備計画を中枢を担う新組織への関わりについて「東京都のど真ん中で東京都の土地が使われる。都にも巨大プロジェクトを手掛けたり、アイデアのある技術者もいるし、はるかにこちらの方が能力がある。だからエース級を2人ぐらい出そうと。そして技術、お金の問題を議論していく」と述べ、都職員を派遣する希望を持っていることを明かした。
22日には遠藤五輪相と会談し、今後について議論する席を持つ。
なんとか良い方向に向って欲しいですね