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長期金利の長期低水準見通しで・・・

2013年04月24日 | 気になるネタ

デフレ経済とともに長期金利の低水準が続いてきた。金融緩和を強力に推し進める黒田日銀になって、国債などの買い取りが一段と進み、長期金利の目安となる10年物新発国債の利回りが低水準に張り付くため市場は今後も長期金利の低下傾向は続くとみている。低水準の長期金利は経済にどんなメリット、デメリットを与えるのか。

 まず長期金利は、一般的には銀行の貸し出し金利に響く。優良企業の場合、期間1年以上の融資をする際に最低限度となる長期プライムレート(最優遇金利)が設定されているが、設備投資資金など長期の融資で企業がさらに借りやすくなる。企業は短期でもほぼゼロ金利で資金を借りやすいうえ、長期でも超低金利の恩恵を受ける環境にある。

 長期金利は住宅ローン金利にも関係する。住宅ローンは、貸借契約が10~30年超となるため長期金利が適用される。それがいま、極めて低い水準にあり、借り手が増えている。住宅ローンには固定金利型や変動金利型などがあり、それぞれ利点を検討しつつ貸借契約を結ぶわけだが、ベースとなる契約金利は年率1%台とかつてないほど低い。

 長期金利の低下を受けて、住宅金融支援機構は、長期固定住宅ローン「フラット35」の金利を引き下げた。利用者が多い返済期間21年以上35年以下のものを年1・80~2・75%、20年以下は1・49~2・44%といずれも過去最低を更新した。

 長期金利が下がったことで、値上がりしたものもある。生命保険の保険料だ。生命保険の契約者にあらかじめ約束する運用利回り(予定利率)の基準となる標準利率が引き下げられたからだ。標準利率は、新発10年物国債の利回りを元に算出するもので、長期金利の低下基調を受けて従来の1・5%から1・0%に下がった。

 これは計算式があるにはあるが、標準利率は金融庁が決める。それは、生保会社が契約者を無理に集めようとして運用環境とかけ離れた高い利回りを約束し、保険金の支払いに支障が出るような事態を防ぐことに狙いがある。

 生保会社は標準利率に従い、将来の保険金の支払いに備えて準備金を積み立てなければならない。標準利率を下げると、将来の運用益に頼れない分、足下で積み立てるべき準備金の必要額が増えるという仕組みだ。

 標準利率はこの4月から引き下げられたので、生保各社は4月から販売する保険商品の保険料を原則引き上げた。しかし、生保会社の販売環境は厳しく、そこで個別には戦略商品では逆に値下げ、あるいは保険料据え置きといった独自の戦略も打ち出している。

 長期金利の長期低水準見通しは、運用環境の厳しさを強いる業界もあるということだ。 (産経新聞編集委員・小林隆太郎)



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