スイス在住の資産家夫婦、霜見(しもみ)誠さん(51)と、妻の美重さん(48)とみられる遺体が見つかった事件。死体遺棄容疑で捕まった主犯格の会社役員、渡辺剛容疑者(43)は、たまたま居合わせたすし店で霜見さんと知り合ったという。また、埼玉県久喜市の遺体発見現場の売買に関わった不動産会社が本紙に奇妙な顛末を明かした。
霜見さんの仕事仲間の証言によると、渡辺容疑者とは昨春、立ち寄ったすし店で出会った。「偶然隣に座り、お互い車が好きという共通点があって盛り上がった」といい、一緒にゴルフに行くこともあったという。
渡辺容疑者は東京都中央区で水産加工会社を経営し、海外にも進出。「オマーンで鯨肉などの海産物を仕入れて国内で販売する事業を行っていた」(関係者)
ただ、経営上のトラブルを抱えていたようで、「海外出張から業務命令を無視して帰国した従業員を解雇し、その従業員から不当解雇と訴えられたりしていた。そのせいで『労使問題でもめた会社』という評判が流れていた」(同)。
警視庁幹部は「渡辺容疑者は車の免許を持っていない」と話しており、霜見さんに近づくために車好きを装った可能性があるとみている。
一方、遺体発見現場となった更地を渡辺容疑者の知人に仲介販売した不動産会社の男性が本紙の取材に応じた。
「最初に問い合わせがあったのは昨年9月末で、10月末にその知人が直接来店した」。使用目的を「畑をやる」「車をいじる場所がほしい」と説明し、その場で契約。翌11月に現金百数十万円で売買が成立した。
知人は「妻に内緒でびっくりさせたいから権利書を預かってほしい」と話し、「2週間程度たって権利書を取りにきた」(不動産会社の男性)。
その日の午後に妙なことが起きる。「近隣住民から『更地を鉄杭で囲んで掘り起こし始めた。何をしているのか』というクレームの電話がウチにかかってきた」(同)
現場には複数の男が出入りして作業を行っており、近所の住民から苦情を受けた後、「菓子折りを持って住民に挨拶に回ったようだ」(同)。
「知人は『(昨年の)12月の頭には埋め戻す』と言っていた。で、12月15日になって、いきなり警察から連絡があった。5~6人の名前を挙げて『知らないか』と尋ねてきて、その中に『渡辺』という名前もあった」(同)という。
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