パリ同時テロを受け、世界の主要市場で最初にスタートした週明け16日午前の東京株式市場は、地政学リスクを意識して幅広い銘柄が売られた。外国為替市場ではユーロが急落、安全な資産とされる円が買われた。
日経平均株価は午前9時現在、前週末終値比332円95銭安の1万9263円96銭と大幅続落。前週末の米市場でダウ工業株30種平均が急落したことも嫌気された。
為替は1ドル=122円台前半、1ユーロ=130円台後半とそれぞれ円高基調で推移したことも、株売りの材料となった。
円高を受けて自動車など主力の輸出関連銘柄が軟調となった。テロの連想で航空や観光関連株にも売り圧力が強まる一方、防衛や警備関連銘柄が物色対象となった。
2001年9月の米中枢同時テロでは、12日の日経平均が682円安となり、1万円の大台を割り込んだ。為替も急速な円高が進んだが、それぞれ約1カ月程度でテロ前の水準を回復した。
ただ、中国の景気失速が世界経済の重しとなるなかで、新たなテロが警戒され、投資家がさらにリスク回避姿勢を一段と強めれば、相場の低迷が長期化する懸念もある。
一方で、朝方の国内総生産(GDP)速報値発表を受けて、「政策期待が高まることで、下支えされる」(市場筋)との声もあった。
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