上信越 2011(1)
洛北隠れ里
8/22日7:40 出発、晴。
近くのスタンドで給油後、有馬温泉に出て県道k51を生瀬に下る。k33に乗り西谷に入る、
k324で猪名川に抜ける予定が工事で通行止め、農道を走り再びk33に戻りk68に乗り換え、
道の駅「いながわ」からk12に乗り猪名川町に到る、大きく迂回させられた、引き換えし
k325で南から迂回した方がよほど短かった。k68でニュータウンを抜け、トヨタ自販の
手前から地道に入りk604の坂の途中に出て、そのまま一庫ダムを渡る。k604を走り
府道f106からR477に合流、R372と合流するとすぐにf73に乗り高速の手前でf452に
乗るつもりが、工事区間にぶつかり入口を見失いそのままR9に向かう。線路横の地道を
走り八木の手前からR9に乗り八木駅に到る。八木駅はトイレが閉鎖され旅人の拠り所と
しての機能は全く無い。R477に乗るが久しぶりに走るコースで、杉林の中を抜けて行く
一車線の国道でこんな難コースだったかと思う。周山から大布施に到り、ここからは
未知のコース、ゆっくりと狭い花脊村の道を登りオルゴールを流す京バスとすれ違い、
急な登りで杉林の薄暗い花脊峠を越える。少し前に驟雨が襲ったのか路面は濡れている。
スリップに注意し慎重に登ると、峠からは杉林の中の狭く急な下り、小さなカーブを
繰り返し下ると突然左折の案内、慎重に下っていたから気付いたが普通なら見過ごして
いる。左手後方に下る細道がR477、直進する広い道は鞍馬に抜けるf38、どちらが
幹線かは明白、ここは百井口。杉林の細道を少し下り壜の底のような地形の川端に出ると、
対岸に壁のように急な細い坂道が。ローギャーで慎重に登るが、路面状態が悪く緊張する、
アクセルを吹かせ過ぎてバランスを崩すと、ガードレールも無い右手の崖に落ちそう。
でもアクセルを開かないと登ってくれない急坂、鞍馬に迂回しようかとも思う。百井峠の
前後は同じ方向に向かう野外活動中の小学生団体が連なり、これまた気を使う。緩い
下りを走っていると突然集落が現れた、百井である。隠れ里とはこのような集落を指すの
だろう、山の中の小さな平地に佇む典型的な山里。今は大きな野外活動施設があり、
先ほどの団体もここを利用しているのだろう。百井の集落で百井川を渡り少し上って
前ヶ畑峠を越えると杉林の中を急カーブと急坂で下る、こちらの道は少し広いが緊張を
強いられるのは同じ、すごい下り道だ。一気に下ると急カーブは無くなるが傾斜はまだ
きつい、傾斜が緩くなり川沿いを走り農地が現れたらR367と合流。R367はさすがに
交通量が多い、緩い登りで途中越を過ぎ途中トンネルを抜けると、R477は右折して
琵琶湖に下る、大半の車がこちらに向かう。途中でk311が分岐してほとんどの車は
K311に左折して行く、R161へのショートカットなのだ。畑地を走りR161のバイパスを
潜り抜けると真野の市街に入る、大昔よく泳ぎに来た所。橋の手前の道の駅「びわ湖大橋」
で休憩、ほぼ予定通り走っている、しかし暑い。
湖東を走る
再出発し、緩いアーチの琵琶湖大橋を渡り対岸の料金所で20円払い、さざなみ街道と
名付けられた湖岸のk559を走る。R8のバイパスになっていて地元の車以外に大型
トラックも頻繁に走る、湖岸には林が連なり景観はいま一つのコース。近江八幡から
k25とルート№が変わる、内陸の水郷コースを走る。西瓜や野菜畑の中を走り、彦根市に
入ると子供の頃に泳いだ柳川水泳場を掠めて走る、対岸の比良山系がきれいに見えるが
雲が湧き上がり出している、にわか雨の恐れがある。彦根市街は湖岸沿いで抜け、k234で
米原駅の北に出る。そのまま直進して跨線橋を渡ればスムーズにR21に乗れたが、k234に
従い左折した為田圃の中を迷走、k247、k246と走り回り北陸道の先でようやくR21に
乗る。R21は幹線道、大型トラック等交通量は多く、古い国道のため道幅は狭い。関ヶ原
市街を抜け一ツ軒信号から線路の北川のバイパスに乗り、すぐにk53に乗り換える。
美濃路
垂井の北郊でk53は左折し山手を走る、しかし気付かず直進しk216を走る。赤阪付近で
間違いに気付いたが引き返すには走り過ぎた、地図でコースの修正、遠回りになるが
R417を北上するのが分かりやすい。R417は国道とは思えない細い道、しかし大垣から
揖斐方面へ赤坂宿などを抜けて行く幹線道、地元の車がたくさん走っていて走り辛い。
池田町に入ってk53に出会い、k53に乗り東進し本巣市で給油後さらに東に走るが、
島大橋を長良川と間違い手前で左折する。k173から地道を迷走し、岐阜市の折立で位置
確認ができる。k78から岐阜環状線k77を走る、遠回りになるが確実を喫してk77で
長良川を渡り、金華山の東側を巻いてR156に乗り関を目指す。この国道も高山・郡上
方面への幹線、通行量は多いし工事区間も多く走り辛い、道路左手は旧美濃町線の
廃線跡が未整備で放置されていて、余計に走りにくい。R248(バイパス)に乗り丘陵地を
東に走り、関市の南でk17に乗り換え北上、関の西郊でR248(旧道)に乗り東進して
k281で市街地に入る、街はシャッター通りで人気は無く活気も感じられない。関駅近くの
タクシー会社で停車中の運転手に宿泊施設を尋ねる。近くにルートインがあるとのこと。
教わったとおり善光寺のトンネルを抜けるとルートインがあった。この辺りは郊外になり
田畑も広がる、しかし近くにサークルkもあり便利、市役所も近所のようだ。
中仙道
23日 7:40出発、曇り。
昨日の逆コースで関を出てR248を走る、ラッシュ時のため車が多く進めない、仕方なく
停車中の車をすり抜けて進む。美濃加茂市に入る頃にはラッシュも緩和され走り易くなる、
美濃太田の手前からR248を離れ地道を直進し、高山線の跨線橋を渡り太田市街に入る。
大田駅の近くからR21に乗り新太田橋を渡り、すぐ地道に左折し再びR21に乗る。御嵩を
過ぎた辺りから通行量は減り、道路状況も周囲の景観も田舎道になる。昨日は何度も
コースを間違ったから、今日は慎重に走りk65に無事に乗る。津橋川に沿ってゆっくりと
山手に進む、日吉ハイランドの案内がやたらと目に付く、津橋を過ぎると急な坂と
カーブで高原状の高台に登る、田畑の中を進み丘陵地を走ると旧細久手宿に出る。この道
は旧中仙道、道の両側は宿場町の面影が色濃く残っているが観光化はされていない、
主要な交通路から取り残され忘れられたような集落。さらに並走する旧中仙道への案内
板が点在する丘陵の林を進み、少し下ると旧大湫宿に出る。大湫宿は出合の上手に
広がっているようだ、観光客らしき人や車が上ってくる。しかし寄らずに坂道を降り、
最後は急なカーブと坂で一気に下るといきなり国道に飛び出す。釜戸からはR19を走るが
さすがに大型トラックが多い、しかも雨が降ったのか路面が濡れている、スリップに
注意して慎重に走り恵那に到る。恵那からは並走する県道をなるべく走るつもりだったが、
R19は恵那手前から郊外をバイパスして走り易くなりそのまま走る。中津川手前から
R257に乗り市街に向かう、R257から離れ市街地に入った辺りで雨がパラツキ出し近くの
会社の軒先で雨宿り、すぐに土砂降りになる。雨上がり後、中津川駅前を掠めk6に乗り
木曾川を渡り、k6で木曽川右岸を走る。コースはすぐに川から離れ山沿いのアップ
ダウンの厳しい道になる、幅も立派な二車線かと思うと集落の細道、細い林道になりと
変化が激しい。結構苦労して走り中央線と並走するとすぐに坂下の集落、間違ってR256を
すこし走った所で道路標識を見て気付き引き返し再びk6を走る。木曽川沿いに走り田立の
集落に到る、ここも旧中仙道が通っていたようで案内標識が目立つ。田立を過ぎて急な
下りで中央線の線路を潜りR19に乗る。濁流の木曽川沿いを南木曽、十二兼、野尻と北上、
山には雲が架かり路面は濡れている、雨雲を追っているように走り、道の駅「大桑」で
休憩。再スタート後、道路が空いているので倉本からも対岸の地道を走らずR19を北上、
上松は山際のバイパスをトンネルで通過し、福島も山裾をバイパスで通過、薮原から鳥居
トンネルで木曽谷と別れ奈良井宿に到る。ここからR19はゆっくりと深志平に下る、本山
宿で給油後k304に乗るこの道も旧中仙道の一部、洗馬駅の近くからk293に乗り換える。
安曇野
この辺りも街道筋のような町並みが続く、鉄道開通前の洗馬の中心だったのだろう。
k292と交差してk292に乗り換える、細い道で町並みを抜けると高原野菜の畑が広がる。
朝日村から山形村に入りk291に乗る。山裾の台地上を走る、周囲はりんご畑で景色の良い
コース。しかし今日の深志平は雲が広がり美ヶ原は雲の中、西側の山も裾まで雲が降りて
いる、向かうべき前方には黒雲が立ち込めている。この辺りも先程まで雨が降って
いたのか路面が濡れている。k25と合流してk25に乗り換え波田に到り、松電とR158を
越え更に北上、豊科西方で雨が降り出す、道端の納屋に避難して雨具着用。雨の中を更に
北上、このコースはR147のバイパス的役割があり地元の車だけでなく観光バスも走って
いる、上高地や穂高温泉郷、大町温泉郷等を繋ぐコース。k25は安曇追分西方でk306と
なり北上、南大町西方から地道になりk325に出会う。k325に乗り信濃木崎からR148に出て
木崎湖から木崎湖西岸地道を走り、再びR148を走る。簗場からは山際の新道が整備
されトンネル等で佐野坂峠に到る、峠で雨が上がり、神城を経て飯森駅手前の踏切から
飯森集落に入り昔馴染の民宿に寄る。民宿でしばらく話した後外に出ると再び雨。慌てて
身繕いをしたのでコンテナー上のネットを掛け忘れたのに気が付かず出発、飯森から
塩の道を走り白馬に出るが宿泊施設が見つからず、R148を大町に向かう。神城駅を過ぎた
処でスキーバスのターミナルに素泊まりの案内、聞いてみると宿泊可、宿泊。バイクを
建物の中に入れることが出来るし、ステーキハウスで夕食も摂れる。荷物を降ろす時に
ネットの掛け忘れに気づき愕然となる、グローブを入れた袋の紐がコンテナーの蓋に
挟まり落ちなかったのとマットも残ったのが幸い。しかし心が暗くなる、明日ホーム
センターでネットを購入しないと不便だ。とにかく濡れた物を部屋に広げ明日に備え、
夕食に出かける。
小川村
24日 7:40出発、曇り。
朝食は抜き。出発準備をしていると、ネットがバイクの荷台に架かっているのを発見、
結局無くしたのは給油ポンプのみ、軽い心で出発できる。近くに子供の頃読んだ戦記に
よく登場した零戦撃墜王の出身地がある、墓参りをしてから北を目指す。今にも降り
出しそうな空と立ち込める霧の中を出発、神城からR148を少し走り田圃の地道を走り
堀の内からk33に乗る。k33はオリンピック時に部分的に改良され走り易い、峠の喫茶
店はそのままだが峠はトンネルで越えるようになった。k31に合流して道の駅「美麻」に
寄るが誰もいない、向かいの農協に人が来たので撃墜王の情報を聞くが知らないようで
小川村で聞けとのこと。雲は高くなり霧は晴れてきたk31を東進、小川村に入り道端の
農地に居た年配の男性に尋ねる、説明しにくいから詳しい場所は高府のスタンドで聞く
ようにとのこと。高府の市街地に入り昔のままのシェルスタンドに寄る。年配の親父が
懇切丁寧に説明して、生家の地図や現当主の名前まで書いてくれる。指示に従い少し先の
旅館「清城館」手前の細道を入る、すぐに分岐があり走り易い方を選択、郵便局の裏を
廻り駐在所の横から元のk31に出る。再挑戦、今度は車が通れるのかと思うほど木の枝が
張り出した細道を直進する、すぐに急坂となり急カーブの連続で高度を上げる、ギャーは
ローしか使えない、バランスを失えば谷底に落ちそうな四輪ではギリギリの地道。尾根に
出て分岐に出会う一方は下っている、教わったとおり左の尾根を少し登ると頂点に4軒の
民家が寄り添っている、ここは間違いなく外石と確信。少し先に下った民家の前に駐車、
尾根に引き返すと道端の民家の庭で中年の男性が洗濯物を干していた。墓地の位置を
尋ねると後方の細い山に入る道を示し、丁寧に教えてくれる。そしてそこが生家ですと
前の農家を指し示す。自衛隊のパイロットがしばしば墓参に訪ねてくるとも教えてくれた、
我々が今在るのは戦死した諸先輩のお陰だと言って。教わったとおり細道を登ると墓地は
すぐに分った、十基余りの墓石の小さな墓地だが、西澤飛曹長の墓石はなかなか見つから
ない、下段に並ぶ三基の墓石に目をやるとスタンドで聞いた当主の建立と彫られた墓石が
目に付いた。前に回ると探している墓石に間違いなく、海軍航空中尉西澤廣義と掘られて
いた。お参りを済ませバイクに戻り道のまま前進、山の中腹を走るコースでアップ
ダウンも無く明松寺に出る。ここからは道幅も広くなり見晴らしが良く、左手眼下に
広がる谷間には民家が点在し、その先の低い尾根の向こうには後立山連峰が見え、美しい
景観が広がる。緩い登りを走りk36に出る、成就である。緩い尾根筋のK36を走ると
アルプス展望広場、後ろ立山連峰には雲が架かり鮮明な姿は見えない、パスし高山寺の
三重塔を横目に眺め日本記を過ぎ鬼無里に向かう。
戸隠
鬼無里への下りは何か荒れた印象のコース、路面も荒れているし路肩の草木も手入が
為されていない、あまり利用されていないようだ。急カーブの繰り返しで下り日影の
集落を抜け鬼無里に到る、昔のままの山里の佇まい。鬼無里神社の横からk36を戸隠に
向かう、細い昔ながらの道を走り、急坂で中田の集落に入り傾斜に張り付く集落を抜け、
更に急坂を登り大望峠に到る。峠付近は改良工事が施され、旧道は展望台になっている、
今日の天気では景観に期待できないからパス。峠からは昔と変わらないままのコースを
走り宝光社に到る。ここから中社までは急坂、ローギャーでしか進めない、喘ぎながら
蕎麦屋や土産屋の並ぶコースを中社に到りここからは下り。k36もここからは広くなり主要
観光道路、スキー場・植物園・牧場と高原リゾートを走り抜け、信濃町に入ると緩い
下りで低潅木の中を走り畑地に下る、左手に真っ白い花を付けた蕎麦畑が広がる、その
先には広い裾野の優雅な黒姫山が座っている。
黒姫山k36より
思わず停車、畑の土手に登り撮影、通り掛かったワンボックスの家族も停車して見惚れて
いる。柏原の市街を走り抜け野尻湖畔に出てk360に乗る、k360は野尻湖周遊コースの
一部を為していて湖畔の林を走る地道からk96に続く。k96との出合の場所で林が切れ、
農耕地が広がる湖畔に出る、湖の彼方に妙高の勇姿が聳える。
野尻湖と妙高k96より
湖畔沿いをしばらく走った後、小さなカーブの続く坂道を登り湖から離れると、k504に
乗り換え更に急坂を登ると右手にゴルフ場とゴンドラの支柱が山の上まで並ぶスキー場の
高原が広がる。ここから更に万坂峠に向かい、峠を越えると斑尾高原に到着、峠を越えた
辺りから霧が立ち込め眺望は利かない。斑尾高原はリゾートとスポーツ合宿地、それらの
施設が建ち並ぶ中を抜け、k97に乗り換え斑尾高原から下りに入る。急な下りと小さな
カーブの連続で一気に下る、傾斜が緩くなり高原地帯をしばらく走り再び急な下りの後、
飯山西郊の台地に出る。台地上のよく整備された地道を走る、市街地をバイパスする
新しい道路らしい、右手に飯山市街を見下ろしながら快走。R292と出会い乗り換え東進、
短いトンネルを抜け飯山線を渡るとR117に出会う。
千曲川に沿って
R117に乗るとすぐにk95に乗り換え戸狩に向かう、戸狩駅前でk408に乗り換え千曲川
右岸を北上、上境で道なりに走りR117に出てしまう。R117は千曲川左岸の段丘上を走り
見晴らしは良い、集中豪雨の影響で河川敷の草は薙ぎ倒され流れは濁流となっている、
少し走るとスタンドがあったので給油。このコースも並走する県道が在ればなるべく
走るつもりだったが、国道は整備され広く交通量も少なく走り易い、見晴らしも良い快適
コースなのでこのまま走る。左右から山が迫り渓谷を走るような様相になり、トンネルを
いくつか抜けると道の駅「さかえ」で休憩。時分時のため混み合っている、すぐに立ち
去るつもりだったが立ち食い蕎麦を美味そうに食べている人を見て山菜蕎麦を注文、
美味しかったし安かった。天気も良いし時間も余裕が有るのでここから秋山郷に向かう、
道の駅を出るとすぐに県境を越えk238へと右折、k238で小さな集落を幾つか過ぎ最後の
集落からk577に乗り換える。k577は急傾斜を登りその後林道のような細道をうねうねと
走る、いつの間にか県道から本物の林道となり現在地が把握できないまま前進。きつい
傾斜が何度も現れローギャーでしか走れない壮絶な山道、更に手探りのように進み深い
山の中で分岐に出会う、左の下りは前倉右の登りは屋敷と手作りの案内が立っている。
左に下るとすぐに斜面に張り付くような小集落に出て、その中を抜けて急な坂を下ると
R405に飛び出した、先ほどの集落が前倉だったのだ。R405も壮絶な国道、アップ
ダウンが厳しく登りはローギャーしか進まず、対向交差も困難でカーブも多いのにガード
レールも無い、かなり緊張を強いられるコース。川沿いの小集落や温泉を繋ぐ毎に、山を
大きく高巻させられ閉口して、秋山郷の最奥切明に到達。壜の底に料金の高そうな
温泉宿が三軒ほど立っているような何も無い処、この先は林道で志賀高原に抜けられるが、
それは別の機会に。
R405を引き返すがやはり緊張する、他府県ナンバーの対向車が結構やって来て速度も
出せない。途中温泉宿「のよさの里」による、山中の小さな広場に立つ農家風の一軒宿、
なかなか風情が有り安ければ宿泊したいと料金を訊くと、三人からで一人9,800円から、
一人の場合は追加料金込みで12,000円からとのこと、上のキャンプ場の料金は一人
2,000円だそうな。慎重に走りR117に戻り、千曲川右岸の段丘上を走る、左右は稲田が
広がる、この辺りは魚沼産コシヒカリ産地の一角。十日町の西郊でバイク屋を見つける、
オイル交換の時期なので交換する。ここの中年の親父も若い職人も好人物、親切で丁寧な
仕事をしてくれた。先日の豪雨で店の周囲も水に浸かり大変だった、店裏の線路を指差し
これも運休している、この先で鉄橋が落ちているとのこと。どこのバイク屋にも親切に
してもらっていると話すと、バイク屋は皆自分もバイクが好きで走るのが好きだからと、
明解な回答。十日町でビジネスに泊ると話すと、駅そばの安い旅館と飲み屋を紹介して
くれた。件の旅館を訪ねると今日は満員で問い合わせが多く皆断っているとのこと。
今日の十日町は祭の前夜らしい。国道沿いのビジネスHに聞くと宿泊可とのこと。荷物を
下ろし、途中で見つけておいた近所のAコープに食料の買出し。
越後路
25日 7:45出発、晴。
十日町は祭だ、朝からホテルの横に幟が立った。出発準備をしていると、レストランの
オバサンが色々話しかけてくる、私のようなツーリングに興味があるようだ、スーパー
カブのこともよく知っていた。ホテル横のk74を東進しk461に乗るつもりで出発したが、
一方通行で左折できず直進して神社にぶつかり、横の細道を走り再びk74に出た、
k461を探して稲田を東進するが見つからず、地図で確認すると少し山に入るとk559から
R252に抜けられる、k559を探して東進するがこれも見つからない、反対方向の標識は
有ったから見落としたらしい。更に東進して六日町に出るかと進むが、対向車は来ないし
追い越すのは土木工事関係の車輌ばかり、傾斜はきつくなり路面は豪雨の影響かかなり
荒れてまるでダート、横を流れる川も荒れて河岸が削られている。赤倉付近で前進を断念、
十日町に引き返す、途中k559の入口を見つけたが全面通行止めのガードが施されていた。
ショートカットのつもりで十日町郊外の小集落を抜けると、そこでk461に出会う、ここから先が
一方通行になっている。k461で農地に点在する農村を走り抜け北上、峠の集落で
通行止め、通学路のためこの時間は通行できない由。農道を走り飯山線の踏切を越え
R117に出る、一キロほどでR252に乗り換え小出に向かう。コシヒカリの稲田を走り三坂
峠をトンネルで抜け魚沼市に入る、この国道も通行車輌が少なく、峠も低く走り易い。
いつの間にか小出に近付きR17に乗り換え、魚野川を渡ると小出の市街地に入る。
只見線の手前で左折し線路と併走して再びR252に乗る、R252は旧街道筋のような
町並みを縫って走る、地元の車しか走らない快走路。右手を只見線と破間川が併走し、
カーブもアップダウンも感じない走り易いコース、新緑や紅葉の頃は美しいコースと
思われる。道の駅「いりひろせ」で休憩、朝早く施設は開いていない、すぐに出発し
入広瀬の集落を抜け大白川に到ると、通行止めとなっている、挙句に迂回路は無しと
無情の表示、途方に暮れる。だから地元の車しか走っていなかったのだ、入口に案内が
有ったはずだが見落としている。地図を出し善後策を検討、会津方面を断念するか大迂回
するか、会津に行かねば今回のツーリングの意味が無い、日光は帰路に設定している、
新潟に迂回することにする。
入広瀬に戻り上条からR290に乗る、往路ここから栃尾に行けるのかと何気なく見ていた
国道。緩い登りで石峠に到りトンネルを抜け、栃尾に向かってゆっくりと下り、栃尾
郊外の道の駅「とちお」で休憩。再びR290を北上、通行車輌もほとんど無い山沿いの
丘陵地を走る、集落も無いコース。このままではガスが心配になる、人面峠という低い
峠を越え田園地帯に入ると、進路は左右に分岐、右手前方にかなりの規模の集落が見える、
右手に賭ける。集落に入ると国道は村中の細道となる、スタンドなど在りそうも無いと
思いながら進むと、桑切に小さなスタンドが在り給油。給油後すぐにR289と出会い合流、
R289の左右には郊外型の商店が並びスタンドもセルフが二店もある。すぐにR290は
右折してR289と別れ山の方向に向かう、相変わらず通行車輌の少ない国道だが整備状況
は良好、アップダウンも少なく道幅も十分で走り易い。途中の公園に電車が保存されて
いる、冬鳥越でスキー場やゴルフ場・ハーブ園などリゾート施設がある、その一角に旧蒲
原鉄道の車輌を持って来たようだ、停車して撮影。緩い傾斜を下り田園地帯に出ると、
コースは村松市街に向かう、R290は村松市街地の中心を通り抜ける、商店街を走るが
ほとんどシャッター通。村松を出て稲田の中を走っていると南の空が真っ黒で、雨雲が
追いかけてくる、磐越西線を跨ぎ直角に曲り東進、前方に連なる山も雨雲に包まれている。
後ろの黒雲はいよいよ近付き雷鳴も聞こえる、雨がパラつき出したので道端の資材倉庫に
バイクごと飛び込む。避難直後に雨は本格的に降り出し、すぐにシャワーのような雨に
なる、横の国道はすぐにプールのようになり走る車はモーターボートのように水を掻き
分けている。時分時なので昼食を摂り雨宿り、ジーゼルエンジン音がするので外を見ると
木立の先に列車が停車している、地図で確認すると馬下駅らしい。一時間半雨宿りするが
止む気配は無い、前進を諦め確実に宿泊できる都市部を目指すことにする。雨は小康状態
だが間歇的に豪雨が来る、R290を引き返し磐越西線の手前でk436に乗り五泉に向かう。
五泉駅でタクシー運転手に宿泊施設を聞きビジネスに向かうが無人、受付の案内に従い
電話するが通じない、諦めて駅前の旅館に尋ねるが老婦人が出て来て断られる。別の
旅館を紹介してくれたが分からなかった、新津に向かうことにする。小雨の中k7で五泉の
市街地を抜けるが、この町もほとんどシャッター通。郊外に出て田園地帯を磐越西線と
併走、すぐに新津市街に到るがここもシャッター通、駅でタクシー運転手に宿泊施設を
聞きくとすぐそばのビジネスを紹介してくれる、宿泊ok。荷物を下ろし食料調達に
商店街に出るが、見渡す限りスーパーはおろかコンビにも無い、駅の売店でビールを
入手するかと駅に戻るとマクドに併設のコンビニがあり目的を果たす。ビジネスに戻り
女将に何時から新津はこんなに寂れたのか尋ねる、合理化の後で特急が停車しなくなって
から、最初はブルートレインが通過するようになり今は全ての特急も通過する。今では
新潟のベットタウンになってしまった。昔は石油で栄えたが今は全く駄目、芸者の
格付けも長岡についで二番目だったが面影も無いとのこと。日本の地方都市はどこも
同じと、見てきた幾つかの町を列挙する。
会津へ
26日 9:25出発、曇り。
今にも降り出しそうな空の下、k7で昨日のコースを五泉に戻る、五泉から先も同じ
コースでは面白みが無い、市街の中心からk41に乗り田園地帯を走り、安田橋で
阿賀野川を渡り磐越道を潜り安田でR49に乗る、進行方向の山には雲が架かり雨も降って
いるようだ。安田はICが在るため付近の道路は改良整備されている、k41を直進すれば
R290となり新発田から村上に北上する。右折してR49を走ると再び磐越道を潜り阿賀野
川右岸沿いを走る、馬下橋から高架で頭上を渡りR290が合流してくる、本来なら
ここから合流する予定の場所。雨がパラつき出したので道の駅「阿賀の里」で雨宿り、
阿賀野川下りの下船場に土産物屋を併設した施設、観光バスが次々やって来る。一時間強
雨宿りをしたが小康状態になっても止む気配は無い、雨具を着用して出発。五キロ程
進むと道の駅「みかわ」が在り、寄ってみたがトイレと食堂しかない、すぐに立ち去る。
ここまで来ると雨は上がり前方の空は明るい、雨は山の入口だけだったのだ、もっと早く
出発すべきだったと悔やまれる。阿賀野川右岸の断崖沿いを磐越西線と一緒に走る、通行
量は程ほどだが工事区間が多く走り辛く、周囲の景色を眺める余裕が無い。津川駅前から
阿賀野川を渡り津川市街に入る、中心でR49と分れ左折、R459に乗り換える、駅前から
川沿いにk174を直進すればよかったのだが、チェックを怠っていた。市街を走り抜け
鹿瀬大橋で再び阿賀野川渡り鹿瀬に入る、鹿瀬の市街を「つ」の字を描いて廻る、川の
湾曲に従い発展した宿場町のようだ、道沿いに残る町並みが美しい、当然道幅は狭い。
会津を目指す車輌はR49に向かい、R459は地元の車しか走っていない。鹿瀬を抜けると
角神野外スポーツ施設があり、トイレや駐車場が完備している、ここで雨具を脱ぐ。
身軽になり再び阿賀野川右岸断崖を走る、角神を出ると阿賀野川が断崖に挟まれ急流と
なっている、道は狭く豪雨のせいで崩れている箇所も多く慎重に走行する。短い
トンネルが幾つも続き、その中の三つは素掘りで一車線のトンネル、他のトンネルも狭く
暗いしカーブしていたりで対向車が来ればどうするのかと思う。日出谷の集落の手前は
豪雨による傷跡がすごい、左手から流れ込む沢は鉄砲水の痕が歴然、広い沢は両岸が
抉られ河原には流木が折り重なっている、狭い沢は土砂や岩が流れ出し田んぼを埋め
尽くしている、稲が青々して育っている田と土砂に覆われた田が隣り合っている。親水
公園も水害被害で岸辺を抉られ、受け立ち入り禁止のロープが張られていた。日出谷を
過ぎるとR459は断崖沿いを走り、何度も阿賀野川を渡る、途中の豊実ダムは流木に埋まれ
濁流を放出していた。県境を越え奥川橋を渡ると阿賀野川と別れ、山中に向かいすぐに
杉木峠を登る。その先は高原状の農耕地で、その中に点在する集落を繋いで国道は走る。
農道のように稲田の中を抜け、林道のような細道で集落間を走り、村中の細道で人気の
無い集落の軒を掠め、国道とは思えないコースを進む。アップダウンもカーブも少なく、
狭いから集落内でのスピードに注意さえすれば良い、懐かしさを覚える快適コース。高原
から更に山間に向かう、今度の登りはかなり厳しく急カーブで急傾斜を登る、道端に点在
する宮古蕎麦街道の幟を眺めて宮古に寄るかどうか迷いつつ進む。峠に到り宮古まで
17キロの案内を見て遠いなと思いながら峠を下る、コース両側には宮古の蕎麦屋の看板が
並びだす。緩いカーブを下ると突然のように農村が現れる、数軒が蕎麦の看板を出して
いる、人気は無く数台の乗用車が停車している静かな集落。宮古への入口に到着したかと
停車、往復30kをどうするか地図で確認、ここで気付くこの場所が宮古なのだ、地図上の
説明の位置を宮古と思い込んだミス。時刻は13時すぎ、当然蕎麦を食べることにして、
傍の「権三郎」と看板の出ている駐車場に移る、予約不要と看板に出ている何軒かの一つ。
入口が国道に面してなく開店しているのかも不明、入口を探していると葦簾で囲まれた
農家の中から声が聞こえる、ぐるりとの軒下を半周すると南側に玄関、普通の農家の
玄関で何の飾りも無い。奥で物音がするので声を掛けると中年の女性が出て来る、蕎麦を
食べさせてもらえるかと尋ねる、可。座敷に上がると三人連れの家族が一組、先ほどの
声の主らしい。最も単純な蕎麦と注文、出てきたのは小さな器の盛蕎麦とサービスの
刺身蒟蒻。器を見て、これは高い量が少なすぎると思う、しかし蕎麦は底深くまで
詰まっていて普通のザルに盛ったよりも多い。蕎麦は短く腰が強い、香りが良くそのまま
食べても美味しい。刺身蒟蒻はトコロテンのように柔らかく透明で、口に含むと崩れる
ような食感、甘い蜜でもかけると夏の冷たいスィーツになる。蕎麦湯も美味しく
700円では安いと思う。宮古を出て川沿いにゆっくり下り、小さいがきつい登りの峠を
越えると高原状の台地が広がる、そこをゆったり下ると農地が広がり山都の郊外に到る、
国道はここから広く整備され北上。畑地の緩い傾斜をしばらく登ると牧場が現れ高原状に
なる、狭い道を急カーブと急坂で進むと、磐梯山系裾野の台地に出て前方には磐梯山
裾野の広がりが見える、喜多方西郊の農耕地帯に到達したようだ。磐梯山は中腹以上を
雲に隠されているが、景観は素晴らしい。R459で喜多方市街に入り地道を直進して、
喜多方北郊をすり抜けR121に乗り南下、すぐに再びR459に乗り東進。
磐梯高原
北塩原で給油し裏磐梯に向かう、大きなカーブで傾斜を登り道の駅「裏磐梯」で休憩。
再スタート後は桧原湖に沿って走るが、林に遮られて湖水は見えない、裏磐梯からk2で
北上しキャンプ場に到達。湖畔のサイトは景観が良いが、磐梯は頂上付近に雲が架かり
見えない。湖水を眺め寛いでいると、西北から雨雲が広がり降り出す、ブルーシートで
雨宿り、しばらくすると上がり夕食。
磐梯高原
27日 8:20出発、晴。
磐梯は雲を被っているが、好天。キャンプ場からk2で出発、R459に乗り道の駅
「裏磐梯」に寄りパンフレットを入手後、k64に乗り桧原湖を時計回りに走る、コースは
林に囲まれ眺望が良く無い、磐梯展望所は唯一の展望が利く場所だが磐梯は雲の中。
桧原湖の北端でk2に乗り換え南下、再びキャンプ場の前を通過しR459に出会うと
五色沼に寄る。有名観光スポットだが、朝早いためか観光客は少ない。雲が多く
毘沙門沼は鈍色で、正面の磐梯は雲が絶えず流れてきて全貌は見えない。再びR459を
走る、林の中をゆっくりと下りR115に合流、その直前に右手遥かに猪苗代湖が見える。
R115からすぐにk323に乗り換え南下、水田と蕎麦畑の台地を走る、右手には磐梯山の
裾野が広がり素晴らしい景観、相変わらず山頂は雲に隠されているが、白い蕎麦の花が
広がる彼方の磐梯山の勇姿は圧巻。
磐梯山k323から
川桁の集落を抜けk322に乗り換え湖畔の志田浜に到る。湖畔に沿ってR49からk9に
乗り時計回りに走る、猪苗代と磐梯を右手に見ながら快走、湖畔道を走り舟津浜の集落
からk376に乗り換え南岸を回る。狭い道湖畔の断崖上をアップダウンとカーブの連続で
抜け、水田地帯に出て秋山浜に寄る。さざ波寄せる岸辺に立つと正面に磐梯山が聳える、
磐梯山の全貌が見えればすごい眺めの地点だが一般観光コースに含まれていない、唯の
田舎の農村の風情、物好きなライダーだけの絶景。湖畔を回るつもりがこの先は通行
止めの案内、常夏川沿いの地道を走りR294に出る。
会津若松
R294を走り出すとすぐに赤津宿に入る、国道の両側に宿場の面影を色濃く残した
町並みが続く、観光化していない静かな宿場町。赤津宿を抜け、ほとんど車が走って
いない田園のフラット国道を走り、黒森峠はトンネルで越え更に北上、R49に合流。
R49で大きく北を迂回して会津若松市街に入る、R49はさすがに若松へのメインルート
ずいぶんと交通量が多い。k64で市街の東を巻き、地道に乗り換え東正面から若松駅に
到達、暑い。観光案内所で地図を入手、白木屋の名称と位置を確認、駅前の地道を南下
R252に出会うと右手に白木屋、駐車場にバイクを停め土産を購入、店内は誰もいない。
再出発R252に乗り柳津を目指す、道なりに南から西へと若松市街を廻り郊外の水田を
北西に向い走りながら思う、時間は早いし天気は良い今日中に大内宿に行くかと。
停車して地図を確認、会津パールラインと名付けられた農道に乗り換え西に進む、k72と
出会い乗り換え南下。農地の中を快走、本郷から更に南下しk131に直進して栃沢に到る。
栃沢の集落からカーブを繰り返し一気に高度を上げる、登り切ると左手眼下に会津盆地が
広がる、なかなかの眺望だが停車するほどでもない。尾根筋を走り大きなカーブで更に
高度を上げ、氷玉峠をトンネルで抜け穏やかな下りで大内ダムを過ぎ、そこから
急カーブの連続で一気に下ると大内宿に到達。日曜日の午後、大内宿は観光客で混み合い、
車は宿場外の駐車場に誘導されている。今日のここは私の求める所ではない、退散。
往路を引き返しパールラインを越え、磐越道を潜り北上R49に出会う。R49で西に走り
坂下で給油、ついでに柳津までのコースも教えてもらう。坂本からR252に乗り換え
只見川と只見線と併走、通行車輌は皆無と言っていい程空いている、只見線も不通に
なっているようだし只見川の河岸も抉られている。そんな周囲を見ながら走っていると
突然森林公園の案内、市街地の先と思い込んでいたので慌てて指示に従い、スタンドの
横を左折し只見線の踏切を渡り、小さな集落を抜け畑の中を右折して林の坂道を上ると
柳津キャンプ場、小学生の団体が来ている。見晴らしは良くないが芝の開けたサイト、
奥の林には炊事棟やファイヤーをする広場のある広いサイトもあるようだ。小さな食堂を
兼ねた事務所で幕営手続きをする担当者は好人物で、今年からバイクは700円に
値下げしたライダーのテントは小さいからと、あまり有名でないから他府県のキャンパー
は例年少ないが、今年は全く来ないと言っていい程少ない、原発事故の風評のせいで、と
色々話してくれる。荷物を団体と離れた場所に下ろし、国道のコンビニに食料と飲み物の
購入に出かける。小学生は夜半まで騒いでいて眠れなかった。
只見川に沿って
28日 8:00出発、晴。
出発準備をしていると、昨日と別の40歳ぐらいの担当者が神戸ナンバーのライダーが
幕営していると聞いたのでとやって来る、昨夜はやかましかったでしょう、例年は泳ぎに
行くのだが今年は行けないので山でキャンプしているのです、自分も学生時代はバイクに
テントを積んで日本中を走りました、今は出かけられないが羨ましいとのこと、彼も
好人物。国道に下り走り出すとすぐ柳津市街、柳津橋を渡ると川向こうの断崖上に
圓蔵寺の堂宇が聳える。道の駅「会津柳津」でトイレ休憩。柳津を出て只見川右岸に
沿って走る、R252は只見の手前で通行止めの為、地元の車しか走っていない。只見川は
濁流で両岸のかなり高い位置まで抉られた痕跡が残り痛々しい、少し内陸を走ると
道の駅「みしま」があるが朝早く準備中、野菜を運び込む軽四が次々と出入りしている、
通過する。会津宮下から川沿いに出て左岸に渡る、地図のガイドでは渓谷を見下ろし
ながら走ると書いてあるが、渓谷は濁流で両岸は抉られ河原には流木が折り重なる、
痛々しい姿。川沿いだが微妙に川から離れた農地を走り、只見川に沿っているのを
忘れた頃目の前に壁が立塞がるような山並。バス停表示によると水沼の下大牧、停車して
撮影、山中の小さな盆地に佇む小集落の田舎道に立っているような風景。
R252水沼
水沼橋を渡り再び右岸を走る、上田ダムのダム湖に沿って走るが流木の浮かぶ茶色の湖面。
川口市街でR400に乗り換える、只見方面迂回の案内が出て、傾斜のある裏通りのような
細道に入る。走り出すとすぐに市街を離れ野尻川沿いを走り、緩い登りで山間の集落を
縫って走ると昭和村に入る、昭和村は高原地帯で水田が広がっている、道幅は広くなり
アップダウンは無く快走路。野尻川の川幅は広がり浅い瀬が続き透明の水がゆっくりと
流れる、鮎釣りには絶好の地だと思う、京都の美山町を走っているような錯覚を覚える。
国道で拡張されていたのは村に入った辺りだけ、あとは田舎の細い農道を走っている
ような国道になる。広い空の下を快走していると、「からむし織の里」という施設が在った、
道の駅の代わりに休憩する。からむし織の工芸館や地元の工芸品の物産館で、実演を
見せたり体験も出来る施設。午前も早く観光客は数組しかいない、元々昭和村を訪れる
人自体少ないと思う。更に南東に走ると山が近付いて来る、急なカーブで急坂を登り
舟鼻峠を新しいトンネルで抜けk346に一部乗り、小野沢峠も新しいトンネルで抜け山中の
急坂を一気に下り会津田島の西郊でR289に出会う、R289を少し東進しR121に乗り
換える。阿賀野川の上流部阿賀川に沿って緩い傾斜を南下、周囲は樹園が多くコース
沿いに果物野菜の直売所が並ぶ。街並に入った瞬間、ここは旧宿場と分かる趣のある
家並みが続く荒海宿を車の流れに乗って通過、今日は日曜日で関東ナンバーのバイクや
乗用車がたくさん走っている。傾斜がきつくなり山が迫って来て道の駅「たじま」で休憩、
ここも観光客で混み合っている。
日光
起き上がり小法師を土産に購入して出発、すぐに山王峠をトンネルで抜けて関東に進入し、
峠を下ると渓谷沿いとなる。澄んだ清流に沿って走ると頭上は木の枝が覆い被さり涼しく
走る、紅葉の時期はさぞかし賑わうコースだろう。上三依でR400が分れて行くとコースは
空いて走り易くなる、緑のトンネルを清流の流れに従い適度にカーブを繰り返し、
五十里湖は荒れた旧道で湖畔を巡り五十里トンネルを抜けるとk23に右折。すぐに葛老
トンネルを抜け八汐湖畔を走り、急坂を登り高台に出る。鬼怒川の上流部に沿って走る
緩い登りの快走路、関東のライダーが多い自転車のロードレースを行っており気を使う、
ロードレーサーに気を取られて霧降への入口を見落とす。少し先まで走って引き換えし
k169に乗る、きつい坂と急カーブが連続するコース、ロードレーサーはほとんど下車して
歩いて押している、急坂が終わると高原状で傾斜は緩和される、しかし霧が架かりだす。
大笹牧場を過ぎても更に登りが続き、急坂が現れる。霧の中に入り周囲は何も見えない、
最高点と過ぎると六方沢橋を渡る、橋の下は霧が流れ何も見えない、気温は21℃が表示
され寒い。少し下るとスキー場が現れ霧降高原に到着したようだが霧で景色も見え
ないので通過、急坂を小さなカーブの連続で下り霧の外に出る、傾斜は緩くなりほぼ
直線で下り日光に向かう、道路は混み合ってきた。日光の手前で渋滞して進まなくなる、
路肩をすり抜け前に出ると市街が観光客と車で溢れかえっている。R119に乗り換え車の
流れに任せる、遅々として進まないが歩行者も多く路肩を進むのは危険、東照宮や二荒山
神社を過ぎると車が若干減少しスムーズに流れる。R120と名称が変わった国道を進み
いろは坂を登る、登りは第二いろは坂を一方通行、名前の通り小カーブが連続する急坂、
難渋して明智平に到るが霧が架かって眺望は望めない、パス。中禅寺湖への出口でまた
渋滞、路肩をすり抜けるがやっぱり危ない。下山する車と登ってきた車と駐車場に出入り
する車で混乱している、赤い鳥居を潜り中禅寺湖畔に出ると観光客で満ち溢れている。
スタンドが見当たらないのでそのままR120を進む、湖畔の快走路だが周囲の山は雲が
架かり景観は今一つ、国道は行く車と帰る車が一杯日曜日の午後なのだ。菖蒲ヶ原の
スタンドは休業、ちょっと困ったぞと考えながらカーブの繰り返しで坂を登り戦場ヶ原に
上がる。停車して地図で確認、この先20キロスタンドは無い、微妙な距離だが山の中で
ガス欠はヤバイ、清滝に引き返して給油した方がよい。渋滞のいろは坂の往復は辛い、
今市に出てビジネスに宿泊するかと考えながら中宮祠に戻り、下りのいろは坂に進むと
スタンドがある、登ってきた時地元の人に訊けば良かった。給油、ここはメータを誤魔化
している、4.06?も給油できる訳が無い。再び戦場ヶ原に戻り走り出すが、まだ交通量は
多く流れに任せて走る、戦場ヶ原から緩い登りを走り日光湯元に到る、ここで通行車が
かなり減少した。湯元から針葉樹林帯の金精道路を更に登る、霧が漂い肌寒く阿寒を
思わせる景観が広がる。霧の合間、眼下に広がる樹海に湯ノ湖が見える、まるで双湖台
からペンケトーを見ているよう。
湯ノ湖
霧の急坂の急カーブを登ると金精峠に到る、霧の流れる殺伐とした峠でそのままトンネル
に進入。トンネルを出て、路面の整備状況は良く交通量も少なく、走り易いがきつい
傾斜を急カーブの連続で下ると笹原の高原に到る、丸沼高原でスキー場などリゾート
施設やペンション村が点在する、ここも北海道のような景観が広がる。円山高原から
カーブを繰り返し下ると、川沿いの田舎道を走る、小さな集落や畑地を走り抜け、尾瀬の
案内が目に付き出すと片品村の中心鎌田だ。R120はここから日本ロマンチック街道と
名付けられているが狭い、鎌田からは尾瀬帰りの車も加わり混み合って来た、その上工事
区間が多く走り辛い。疲労と工事渋滞にイライラしながら片品川沿いに南下、片品渓谷を
過ぎると西向きに走り椎坂峠に登る、地図では好展望地のマークが付いているが、雲と
靄に包まれ眺望は望めない。峠からのコースは狭く急な坂道で小さいカーブが続き、
しかも渋滞していて絶えず緊張を強いられる。峠を下ると片品川の段丘上を走る、周囲は
畑地や果樹園で道端に直売所が並ぶ。段丘上を直線に突っ切り沼田郊外に到る、国道は
改良され走り易くなる、関越道の高架を潜り郊外型ショッピング店が並ぶR120を中心に
向かう。中心部に入ると道幅は狭くなり走り辛くなる、国道と別れ地道を直進し中心を
抜ける、中心は郊外とは異なる、シャッター通とまでは行かないが寂れた感じ。中心で
宿泊施設を探すのは困難、駅に向かう。駅は市役所の西側から段丘を下る、駅前に到るが
何の施設も無い、タクシーの運転手に尋ねると旅館かホテルかと訊かれ安い方がよいと
答えると、笹屋を紹介してくれる。沼田は利根川と片品川の段丘に繁栄した台地上の町、
鉄道も国道も町を外れた処に通され今の中心も台地の上に在り、関越道が今のメイン
ルートでIC付近が表口になっているようだ。運転手に教わったとおり台地を登っていると、
件の運転手が追い越し付いて来るようにと言い、笹屋の前まで誘導してくれる。笹屋は
市役所の裏手のホテル、昔はシティホテルで結婚式場として繁盛したと思わせる、複雑な
構造の建物。近くのコンビニで食料を購入し寛ぐ。
洛北隠れ里
8/22日7:40 出発、晴。
近くのスタンドで給油後、有馬温泉に出て県道k51を生瀬に下る。k33に乗り西谷に入る、
k324で猪名川に抜ける予定が工事で通行止め、農道を走り再びk33に戻りk68に乗り換え、
道の駅「いながわ」からk12に乗り猪名川町に到る、大きく迂回させられた、引き換えし
k325で南から迂回した方がよほど短かった。k68でニュータウンを抜け、トヨタ自販の
手前から地道に入りk604の坂の途中に出て、そのまま一庫ダムを渡る。k604を走り
府道f106からR477に合流、R372と合流するとすぐにf73に乗り高速の手前でf452に
乗るつもりが、工事区間にぶつかり入口を見失いそのままR9に向かう。線路横の地道を
走り八木の手前からR9に乗り八木駅に到る。八木駅はトイレが閉鎖され旅人の拠り所と
しての機能は全く無い。R477に乗るが久しぶりに走るコースで、杉林の中を抜けて行く
一車線の国道でこんな難コースだったかと思う。周山から大布施に到り、ここからは
未知のコース、ゆっくりと狭い花脊村の道を登りオルゴールを流す京バスとすれ違い、
急な登りで杉林の薄暗い花脊峠を越える。少し前に驟雨が襲ったのか路面は濡れている。
スリップに注意し慎重に登ると、峠からは杉林の中の狭く急な下り、小さなカーブを
繰り返し下ると突然左折の案内、慎重に下っていたから気付いたが普通なら見過ごして
いる。左手後方に下る細道がR477、直進する広い道は鞍馬に抜けるf38、どちらが
幹線かは明白、ここは百井口。杉林の細道を少し下り壜の底のような地形の川端に出ると、
対岸に壁のように急な細い坂道が。ローギャーで慎重に登るが、路面状態が悪く緊張する、
アクセルを吹かせ過ぎてバランスを崩すと、ガードレールも無い右手の崖に落ちそう。
でもアクセルを開かないと登ってくれない急坂、鞍馬に迂回しようかとも思う。百井峠の
前後は同じ方向に向かう野外活動中の小学生団体が連なり、これまた気を使う。緩い
下りを走っていると突然集落が現れた、百井である。隠れ里とはこのような集落を指すの
だろう、山の中の小さな平地に佇む典型的な山里。今は大きな野外活動施設があり、
先ほどの団体もここを利用しているのだろう。百井の集落で百井川を渡り少し上って
前ヶ畑峠を越えると杉林の中を急カーブと急坂で下る、こちらの道は少し広いが緊張を
強いられるのは同じ、すごい下り道だ。一気に下ると急カーブは無くなるが傾斜はまだ
きつい、傾斜が緩くなり川沿いを走り農地が現れたらR367と合流。R367はさすがに
交通量が多い、緩い登りで途中越を過ぎ途中トンネルを抜けると、R477は右折して
琵琶湖に下る、大半の車がこちらに向かう。途中でk311が分岐してほとんどの車は
K311に左折して行く、R161へのショートカットなのだ。畑地を走りR161のバイパスを
潜り抜けると真野の市街に入る、大昔よく泳ぎに来た所。橋の手前の道の駅「びわ湖大橋」
で休憩、ほぼ予定通り走っている、しかし暑い。
湖東を走る
再出発し、緩いアーチの琵琶湖大橋を渡り対岸の料金所で20円払い、さざなみ街道と
名付けられた湖岸のk559を走る。R8のバイパスになっていて地元の車以外に大型
トラックも頻繁に走る、湖岸には林が連なり景観はいま一つのコース。近江八幡から
k25とルート№が変わる、内陸の水郷コースを走る。西瓜や野菜畑の中を走り、彦根市に
入ると子供の頃に泳いだ柳川水泳場を掠めて走る、対岸の比良山系がきれいに見えるが
雲が湧き上がり出している、にわか雨の恐れがある。彦根市街は湖岸沿いで抜け、k234で
米原駅の北に出る。そのまま直進して跨線橋を渡ればスムーズにR21に乗れたが、k234に
従い左折した為田圃の中を迷走、k247、k246と走り回り北陸道の先でようやくR21に
乗る。R21は幹線道、大型トラック等交通量は多く、古い国道のため道幅は狭い。関ヶ原
市街を抜け一ツ軒信号から線路の北川のバイパスに乗り、すぐにk53に乗り換える。
美濃路
垂井の北郊でk53は左折し山手を走る、しかし気付かず直進しk216を走る。赤阪付近で
間違いに気付いたが引き返すには走り過ぎた、地図でコースの修正、遠回りになるが
R417を北上するのが分かりやすい。R417は国道とは思えない細い道、しかし大垣から
揖斐方面へ赤坂宿などを抜けて行く幹線道、地元の車がたくさん走っていて走り辛い。
池田町に入ってk53に出会い、k53に乗り東進し本巣市で給油後さらに東に走るが、
島大橋を長良川と間違い手前で左折する。k173から地道を迷走し、岐阜市の折立で位置
確認ができる。k78から岐阜環状線k77を走る、遠回りになるが確実を喫してk77で
長良川を渡り、金華山の東側を巻いてR156に乗り関を目指す。この国道も高山・郡上
方面への幹線、通行量は多いし工事区間も多く走り辛い、道路左手は旧美濃町線の
廃線跡が未整備で放置されていて、余計に走りにくい。R248(バイパス)に乗り丘陵地を
東に走り、関市の南でk17に乗り換え北上、関の西郊でR248(旧道)に乗り東進して
k281で市街地に入る、街はシャッター通りで人気は無く活気も感じられない。関駅近くの
タクシー会社で停車中の運転手に宿泊施設を尋ねる。近くにルートインがあるとのこと。
教わったとおり善光寺のトンネルを抜けるとルートインがあった。この辺りは郊外になり
田畑も広がる、しかし近くにサークルkもあり便利、市役所も近所のようだ。
中仙道
23日 7:40出発、曇り。
昨日の逆コースで関を出てR248を走る、ラッシュ時のため車が多く進めない、仕方なく
停車中の車をすり抜けて進む。美濃加茂市に入る頃にはラッシュも緩和され走り易くなる、
美濃太田の手前からR248を離れ地道を直進し、高山線の跨線橋を渡り太田市街に入る。
大田駅の近くからR21に乗り新太田橋を渡り、すぐ地道に左折し再びR21に乗る。御嵩を
過ぎた辺りから通行量は減り、道路状況も周囲の景観も田舎道になる。昨日は何度も
コースを間違ったから、今日は慎重に走りk65に無事に乗る。津橋川に沿ってゆっくりと
山手に進む、日吉ハイランドの案内がやたらと目に付く、津橋を過ぎると急な坂と
カーブで高原状の高台に登る、田畑の中を進み丘陵地を走ると旧細久手宿に出る。この道
は旧中仙道、道の両側は宿場町の面影が色濃く残っているが観光化はされていない、
主要な交通路から取り残され忘れられたような集落。さらに並走する旧中仙道への案内
板が点在する丘陵の林を進み、少し下ると旧大湫宿に出る。大湫宿は出合の上手に
広がっているようだ、観光客らしき人や車が上ってくる。しかし寄らずに坂道を降り、
最後は急なカーブと坂で一気に下るといきなり国道に飛び出す。釜戸からはR19を走るが
さすがに大型トラックが多い、しかも雨が降ったのか路面が濡れている、スリップに
注意して慎重に走り恵那に到る。恵那からは並走する県道をなるべく走るつもりだったが、
R19は恵那手前から郊外をバイパスして走り易くなりそのまま走る。中津川手前から
R257に乗り市街に向かう、R257から離れ市街地に入った辺りで雨がパラツキ出し近くの
会社の軒先で雨宿り、すぐに土砂降りになる。雨上がり後、中津川駅前を掠めk6に乗り
木曾川を渡り、k6で木曽川右岸を走る。コースはすぐに川から離れ山沿いのアップ
ダウンの厳しい道になる、幅も立派な二車線かと思うと集落の細道、細い林道になりと
変化が激しい。結構苦労して走り中央線と並走するとすぐに坂下の集落、間違ってR256を
すこし走った所で道路標識を見て気付き引き返し再びk6を走る。木曽川沿いに走り田立の
集落に到る、ここも旧中仙道が通っていたようで案内標識が目立つ。田立を過ぎて急な
下りで中央線の線路を潜りR19に乗る。濁流の木曽川沿いを南木曽、十二兼、野尻と北上、
山には雲が架かり路面は濡れている、雨雲を追っているように走り、道の駅「大桑」で
休憩。再スタート後、道路が空いているので倉本からも対岸の地道を走らずR19を北上、
上松は山際のバイパスをトンネルで通過し、福島も山裾をバイパスで通過、薮原から鳥居
トンネルで木曽谷と別れ奈良井宿に到る。ここからR19はゆっくりと深志平に下る、本山
宿で給油後k304に乗るこの道も旧中仙道の一部、洗馬駅の近くからk293に乗り換える。
安曇野
この辺りも街道筋のような町並みが続く、鉄道開通前の洗馬の中心だったのだろう。
k292と交差してk292に乗り換える、細い道で町並みを抜けると高原野菜の畑が広がる。
朝日村から山形村に入りk291に乗る。山裾の台地上を走る、周囲はりんご畑で景色の良い
コース。しかし今日の深志平は雲が広がり美ヶ原は雲の中、西側の山も裾まで雲が降りて
いる、向かうべき前方には黒雲が立ち込めている。この辺りも先程まで雨が降って
いたのか路面が濡れている。k25と合流してk25に乗り換え波田に到り、松電とR158を
越え更に北上、豊科西方で雨が降り出す、道端の納屋に避難して雨具着用。雨の中を更に
北上、このコースはR147のバイパス的役割があり地元の車だけでなく観光バスも走って
いる、上高地や穂高温泉郷、大町温泉郷等を繋ぐコース。k25は安曇追分西方でk306と
なり北上、南大町西方から地道になりk325に出会う。k325に乗り信濃木崎からR148に出て
木崎湖から木崎湖西岸地道を走り、再びR148を走る。簗場からは山際の新道が整備
されトンネル等で佐野坂峠に到る、峠で雨が上がり、神城を経て飯森駅手前の踏切から
飯森集落に入り昔馴染の民宿に寄る。民宿でしばらく話した後外に出ると再び雨。慌てて
身繕いをしたのでコンテナー上のネットを掛け忘れたのに気が付かず出発、飯森から
塩の道を走り白馬に出るが宿泊施設が見つからず、R148を大町に向かう。神城駅を過ぎた
処でスキーバスのターミナルに素泊まりの案内、聞いてみると宿泊可、宿泊。バイクを
建物の中に入れることが出来るし、ステーキハウスで夕食も摂れる。荷物を降ろす時に
ネットの掛け忘れに気づき愕然となる、グローブを入れた袋の紐がコンテナーの蓋に
挟まり落ちなかったのとマットも残ったのが幸い。しかし心が暗くなる、明日ホーム
センターでネットを購入しないと不便だ。とにかく濡れた物を部屋に広げ明日に備え、
夕食に出かける。
小川村
24日 7:40出発、曇り。
朝食は抜き。出発準備をしていると、ネットがバイクの荷台に架かっているのを発見、
結局無くしたのは給油ポンプのみ、軽い心で出発できる。近くに子供の頃読んだ戦記に
よく登場した零戦撃墜王の出身地がある、墓参りをしてから北を目指す。今にも降り
出しそうな空と立ち込める霧の中を出発、神城からR148を少し走り田圃の地道を走り
堀の内からk33に乗る。k33はオリンピック時に部分的に改良され走り易い、峠の喫茶
店はそのままだが峠はトンネルで越えるようになった。k31に合流して道の駅「美麻」に
寄るが誰もいない、向かいの農協に人が来たので撃墜王の情報を聞くが知らないようで
小川村で聞けとのこと。雲は高くなり霧は晴れてきたk31を東進、小川村に入り道端の
農地に居た年配の男性に尋ねる、説明しにくいから詳しい場所は高府のスタンドで聞く
ようにとのこと。高府の市街地に入り昔のままのシェルスタンドに寄る。年配の親父が
懇切丁寧に説明して、生家の地図や現当主の名前まで書いてくれる。指示に従い少し先の
旅館「清城館」手前の細道を入る、すぐに分岐があり走り易い方を選択、郵便局の裏を
廻り駐在所の横から元のk31に出る。再挑戦、今度は車が通れるのかと思うほど木の枝が
張り出した細道を直進する、すぐに急坂となり急カーブの連続で高度を上げる、ギャーは
ローしか使えない、バランスを失えば谷底に落ちそうな四輪ではギリギリの地道。尾根に
出て分岐に出会う一方は下っている、教わったとおり左の尾根を少し登ると頂点に4軒の
民家が寄り添っている、ここは間違いなく外石と確信。少し先に下った民家の前に駐車、
尾根に引き返すと道端の民家の庭で中年の男性が洗濯物を干していた。墓地の位置を
尋ねると後方の細い山に入る道を示し、丁寧に教えてくれる。そしてそこが生家ですと
前の農家を指し示す。自衛隊のパイロットがしばしば墓参に訪ねてくるとも教えてくれた、
我々が今在るのは戦死した諸先輩のお陰だと言って。教わったとおり細道を登ると墓地は
すぐに分った、十基余りの墓石の小さな墓地だが、西澤飛曹長の墓石はなかなか見つから
ない、下段に並ぶ三基の墓石に目をやるとスタンドで聞いた当主の建立と彫られた墓石が
目に付いた。前に回ると探している墓石に間違いなく、海軍航空中尉西澤廣義と掘られて
いた。お参りを済ませバイクに戻り道のまま前進、山の中腹を走るコースでアップ
ダウンも無く明松寺に出る。ここからは道幅も広くなり見晴らしが良く、左手眼下に
広がる谷間には民家が点在し、その先の低い尾根の向こうには後立山連峰が見え、美しい
景観が広がる。緩い登りを走りk36に出る、成就である。緩い尾根筋のK36を走ると
アルプス展望広場、後ろ立山連峰には雲が架かり鮮明な姿は見えない、パスし高山寺の
三重塔を横目に眺め日本記を過ぎ鬼無里に向かう。
戸隠
鬼無里への下りは何か荒れた印象のコース、路面も荒れているし路肩の草木も手入が
為されていない、あまり利用されていないようだ。急カーブの繰り返しで下り日影の
集落を抜け鬼無里に到る、昔のままの山里の佇まい。鬼無里神社の横からk36を戸隠に
向かう、細い昔ながらの道を走り、急坂で中田の集落に入り傾斜に張り付く集落を抜け、
更に急坂を登り大望峠に到る。峠付近は改良工事が施され、旧道は展望台になっている、
今日の天気では景観に期待できないからパス。峠からは昔と変わらないままのコースを
走り宝光社に到る。ここから中社までは急坂、ローギャーでしか進めない、喘ぎながら
蕎麦屋や土産屋の並ぶコースを中社に到りここからは下り。k36もここからは広くなり主要
観光道路、スキー場・植物園・牧場と高原リゾートを走り抜け、信濃町に入ると緩い
下りで低潅木の中を走り畑地に下る、左手に真っ白い花を付けた蕎麦畑が広がる、その
先には広い裾野の優雅な黒姫山が座っている。
黒姫山k36より
思わず停車、畑の土手に登り撮影、通り掛かったワンボックスの家族も停車して見惚れて
いる。柏原の市街を走り抜け野尻湖畔に出てk360に乗る、k360は野尻湖周遊コースの
一部を為していて湖畔の林を走る地道からk96に続く。k96との出合の場所で林が切れ、
農耕地が広がる湖畔に出る、湖の彼方に妙高の勇姿が聳える。
野尻湖と妙高k96より
湖畔沿いをしばらく走った後、小さなカーブの続く坂道を登り湖から離れると、k504に
乗り換え更に急坂を登ると右手にゴルフ場とゴンドラの支柱が山の上まで並ぶスキー場の
高原が広がる。ここから更に万坂峠に向かい、峠を越えると斑尾高原に到着、峠を越えた
辺りから霧が立ち込め眺望は利かない。斑尾高原はリゾートとスポーツ合宿地、それらの
施設が建ち並ぶ中を抜け、k97に乗り換え斑尾高原から下りに入る。急な下りと小さな
カーブの連続で一気に下る、傾斜が緩くなり高原地帯をしばらく走り再び急な下りの後、
飯山西郊の台地に出る。台地上のよく整備された地道を走る、市街地をバイパスする
新しい道路らしい、右手に飯山市街を見下ろしながら快走。R292と出会い乗り換え東進、
短いトンネルを抜け飯山線を渡るとR117に出会う。
千曲川に沿って
R117に乗るとすぐにk95に乗り換え戸狩に向かう、戸狩駅前でk408に乗り換え千曲川
右岸を北上、上境で道なりに走りR117に出てしまう。R117は千曲川左岸の段丘上を走り
見晴らしは良い、集中豪雨の影響で河川敷の草は薙ぎ倒され流れは濁流となっている、
少し走るとスタンドがあったので給油。このコースも並走する県道が在ればなるべく
走るつもりだったが、国道は整備され広く交通量も少なく走り易い、見晴らしも良い快適
コースなのでこのまま走る。左右から山が迫り渓谷を走るような様相になり、トンネルを
いくつか抜けると道の駅「さかえ」で休憩。時分時のため混み合っている、すぐに立ち
去るつもりだったが立ち食い蕎麦を美味そうに食べている人を見て山菜蕎麦を注文、
美味しかったし安かった。天気も良いし時間も余裕が有るのでここから秋山郷に向かう、
道の駅を出るとすぐに県境を越えk238へと右折、k238で小さな集落を幾つか過ぎ最後の
集落からk577に乗り換える。k577は急傾斜を登りその後林道のような細道をうねうねと
走る、いつの間にか県道から本物の林道となり現在地が把握できないまま前進。きつい
傾斜が何度も現れローギャーでしか走れない壮絶な山道、更に手探りのように進み深い
山の中で分岐に出会う、左の下りは前倉右の登りは屋敷と手作りの案内が立っている。
左に下るとすぐに斜面に張り付くような小集落に出て、その中を抜けて急な坂を下ると
R405に飛び出した、先ほどの集落が前倉だったのだ。R405も壮絶な国道、アップ
ダウンが厳しく登りはローギャーしか進まず、対向交差も困難でカーブも多いのにガード
レールも無い、かなり緊張を強いられるコース。川沿いの小集落や温泉を繋ぐ毎に、山を
大きく高巻させられ閉口して、秋山郷の最奥切明に到達。壜の底に料金の高そうな
温泉宿が三軒ほど立っているような何も無い処、この先は林道で志賀高原に抜けられるが、
それは別の機会に。
R405を引き返すがやはり緊張する、他府県ナンバーの対向車が結構やって来て速度も
出せない。途中温泉宿「のよさの里」による、山中の小さな広場に立つ農家風の一軒宿、
なかなか風情が有り安ければ宿泊したいと料金を訊くと、三人からで一人9,800円から、
一人の場合は追加料金込みで12,000円からとのこと、上のキャンプ場の料金は一人
2,000円だそうな。慎重に走りR117に戻り、千曲川右岸の段丘上を走る、左右は稲田が
広がる、この辺りは魚沼産コシヒカリ産地の一角。十日町の西郊でバイク屋を見つける、
オイル交換の時期なので交換する。ここの中年の親父も若い職人も好人物、親切で丁寧な
仕事をしてくれた。先日の豪雨で店の周囲も水に浸かり大変だった、店裏の線路を指差し
これも運休している、この先で鉄橋が落ちているとのこと。どこのバイク屋にも親切に
してもらっていると話すと、バイク屋は皆自分もバイクが好きで走るのが好きだからと、
明解な回答。十日町でビジネスに泊ると話すと、駅そばの安い旅館と飲み屋を紹介して
くれた。件の旅館を訪ねると今日は満員で問い合わせが多く皆断っているとのこと。
今日の十日町は祭の前夜らしい。国道沿いのビジネスHに聞くと宿泊可とのこと。荷物を
下ろし、途中で見つけておいた近所のAコープに食料の買出し。
越後路
25日 7:45出発、晴。
十日町は祭だ、朝からホテルの横に幟が立った。出発準備をしていると、レストランの
オバサンが色々話しかけてくる、私のようなツーリングに興味があるようだ、スーパー
カブのこともよく知っていた。ホテル横のk74を東進しk461に乗るつもりで出発したが、
一方通行で左折できず直進して神社にぶつかり、横の細道を走り再びk74に出た、
k461を探して稲田を東進するが見つからず、地図で確認すると少し山に入るとk559から
R252に抜けられる、k559を探して東進するがこれも見つからない、反対方向の標識は
有ったから見落としたらしい。更に東進して六日町に出るかと進むが、対向車は来ないし
追い越すのは土木工事関係の車輌ばかり、傾斜はきつくなり路面は豪雨の影響かかなり
荒れてまるでダート、横を流れる川も荒れて河岸が削られている。赤倉付近で前進を断念、
十日町に引き返す、途中k559の入口を見つけたが全面通行止めのガードが施されていた。
ショートカットのつもりで十日町郊外の小集落を抜けると、そこでk461に出会う、ここから先が
一方通行になっている。k461で農地に点在する農村を走り抜け北上、峠の集落で
通行止め、通学路のためこの時間は通行できない由。農道を走り飯山線の踏切を越え
R117に出る、一キロほどでR252に乗り換え小出に向かう。コシヒカリの稲田を走り三坂
峠をトンネルで抜け魚沼市に入る、この国道も通行車輌が少なく、峠も低く走り易い。
いつの間にか小出に近付きR17に乗り換え、魚野川を渡ると小出の市街地に入る。
只見線の手前で左折し線路と併走して再びR252に乗る、R252は旧街道筋のような
町並みを縫って走る、地元の車しか走らない快走路。右手を只見線と破間川が併走し、
カーブもアップダウンも感じない走り易いコース、新緑や紅葉の頃は美しいコースと
思われる。道の駅「いりひろせ」で休憩、朝早く施設は開いていない、すぐに出発し
入広瀬の集落を抜け大白川に到ると、通行止めとなっている、挙句に迂回路は無しと
無情の表示、途方に暮れる。だから地元の車しか走っていなかったのだ、入口に案内が
有ったはずだが見落としている。地図を出し善後策を検討、会津方面を断念するか大迂回
するか、会津に行かねば今回のツーリングの意味が無い、日光は帰路に設定している、
新潟に迂回することにする。
入広瀬に戻り上条からR290に乗る、往路ここから栃尾に行けるのかと何気なく見ていた
国道。緩い登りで石峠に到りトンネルを抜け、栃尾に向かってゆっくりと下り、栃尾
郊外の道の駅「とちお」で休憩。再びR290を北上、通行車輌もほとんど無い山沿いの
丘陵地を走る、集落も無いコース。このままではガスが心配になる、人面峠という低い
峠を越え田園地帯に入ると、進路は左右に分岐、右手前方にかなりの規模の集落が見える、
右手に賭ける。集落に入ると国道は村中の細道となる、スタンドなど在りそうも無いと
思いながら進むと、桑切に小さなスタンドが在り給油。給油後すぐにR289と出会い合流、
R289の左右には郊外型の商店が並びスタンドもセルフが二店もある。すぐにR290は
右折してR289と別れ山の方向に向かう、相変わらず通行車輌の少ない国道だが整備状況
は良好、アップダウンも少なく道幅も十分で走り易い。途中の公園に電車が保存されて
いる、冬鳥越でスキー場やゴルフ場・ハーブ園などリゾート施設がある、その一角に旧蒲
原鉄道の車輌を持って来たようだ、停車して撮影。緩い傾斜を下り田園地帯に出ると、
コースは村松市街に向かう、R290は村松市街地の中心を通り抜ける、商店街を走るが
ほとんどシャッター通。村松を出て稲田の中を走っていると南の空が真っ黒で、雨雲が
追いかけてくる、磐越西線を跨ぎ直角に曲り東進、前方に連なる山も雨雲に包まれている。
後ろの黒雲はいよいよ近付き雷鳴も聞こえる、雨がパラつき出したので道端の資材倉庫に
バイクごと飛び込む。避難直後に雨は本格的に降り出し、すぐにシャワーのような雨に
なる、横の国道はすぐにプールのようになり走る車はモーターボートのように水を掻き
分けている。時分時なので昼食を摂り雨宿り、ジーゼルエンジン音がするので外を見ると
木立の先に列車が停車している、地図で確認すると馬下駅らしい。一時間半雨宿りするが
止む気配は無い、前進を諦め確実に宿泊できる都市部を目指すことにする。雨は小康状態
だが間歇的に豪雨が来る、R290を引き返し磐越西線の手前でk436に乗り五泉に向かう。
五泉駅でタクシー運転手に宿泊施設を聞きビジネスに向かうが無人、受付の案内に従い
電話するが通じない、諦めて駅前の旅館に尋ねるが老婦人が出て来て断られる。別の
旅館を紹介してくれたが分からなかった、新津に向かうことにする。小雨の中k7で五泉の
市街地を抜けるが、この町もほとんどシャッター通。郊外に出て田園地帯を磐越西線と
併走、すぐに新津市街に到るがここもシャッター通、駅でタクシー運転手に宿泊施設を
聞きくとすぐそばのビジネスを紹介してくれる、宿泊ok。荷物を下ろし食料調達に
商店街に出るが、見渡す限りスーパーはおろかコンビにも無い、駅の売店でビールを
入手するかと駅に戻るとマクドに併設のコンビニがあり目的を果たす。ビジネスに戻り
女将に何時から新津はこんなに寂れたのか尋ねる、合理化の後で特急が停車しなくなって
から、最初はブルートレインが通過するようになり今は全ての特急も通過する。今では
新潟のベットタウンになってしまった。昔は石油で栄えたが今は全く駄目、芸者の
格付けも長岡についで二番目だったが面影も無いとのこと。日本の地方都市はどこも
同じと、見てきた幾つかの町を列挙する。
会津へ
26日 9:25出発、曇り。
今にも降り出しそうな空の下、k7で昨日のコースを五泉に戻る、五泉から先も同じ
コースでは面白みが無い、市街の中心からk41に乗り田園地帯を走り、安田橋で
阿賀野川を渡り磐越道を潜り安田でR49に乗る、進行方向の山には雲が架かり雨も降って
いるようだ。安田はICが在るため付近の道路は改良整備されている、k41を直進すれば
R290となり新発田から村上に北上する。右折してR49を走ると再び磐越道を潜り阿賀野
川右岸沿いを走る、馬下橋から高架で頭上を渡りR290が合流してくる、本来なら
ここから合流する予定の場所。雨がパラつき出したので道の駅「阿賀の里」で雨宿り、
阿賀野川下りの下船場に土産物屋を併設した施設、観光バスが次々やって来る。一時間強
雨宿りをしたが小康状態になっても止む気配は無い、雨具を着用して出発。五キロ程
進むと道の駅「みかわ」が在り、寄ってみたがトイレと食堂しかない、すぐに立ち去る。
ここまで来ると雨は上がり前方の空は明るい、雨は山の入口だけだったのだ、もっと早く
出発すべきだったと悔やまれる。阿賀野川右岸の断崖沿いを磐越西線と一緒に走る、通行
量は程ほどだが工事区間が多く走り辛く、周囲の景色を眺める余裕が無い。津川駅前から
阿賀野川を渡り津川市街に入る、中心でR49と分れ左折、R459に乗り換える、駅前から
川沿いにk174を直進すればよかったのだが、チェックを怠っていた。市街を走り抜け
鹿瀬大橋で再び阿賀野川渡り鹿瀬に入る、鹿瀬の市街を「つ」の字を描いて廻る、川の
湾曲に従い発展した宿場町のようだ、道沿いに残る町並みが美しい、当然道幅は狭い。
会津を目指す車輌はR49に向かい、R459は地元の車しか走っていない。鹿瀬を抜けると
角神野外スポーツ施設があり、トイレや駐車場が完備している、ここで雨具を脱ぐ。
身軽になり再び阿賀野川右岸断崖を走る、角神を出ると阿賀野川が断崖に挟まれ急流と
なっている、道は狭く豪雨のせいで崩れている箇所も多く慎重に走行する。短い
トンネルが幾つも続き、その中の三つは素掘りで一車線のトンネル、他のトンネルも狭く
暗いしカーブしていたりで対向車が来ればどうするのかと思う。日出谷の集落の手前は
豪雨による傷跡がすごい、左手から流れ込む沢は鉄砲水の痕が歴然、広い沢は両岸が
抉られ河原には流木が折り重なっている、狭い沢は土砂や岩が流れ出し田んぼを埋め
尽くしている、稲が青々して育っている田と土砂に覆われた田が隣り合っている。親水
公園も水害被害で岸辺を抉られ、受け立ち入り禁止のロープが張られていた。日出谷を
過ぎるとR459は断崖沿いを走り、何度も阿賀野川を渡る、途中の豊実ダムは流木に埋まれ
濁流を放出していた。県境を越え奥川橋を渡ると阿賀野川と別れ、山中に向かいすぐに
杉木峠を登る。その先は高原状の農耕地で、その中に点在する集落を繋いで国道は走る。
農道のように稲田の中を抜け、林道のような細道で集落間を走り、村中の細道で人気の
無い集落の軒を掠め、国道とは思えないコースを進む。アップダウンもカーブも少なく、
狭いから集落内でのスピードに注意さえすれば良い、懐かしさを覚える快適コース。高原
から更に山間に向かう、今度の登りはかなり厳しく急カーブで急傾斜を登る、道端に点在
する宮古蕎麦街道の幟を眺めて宮古に寄るかどうか迷いつつ進む。峠に到り宮古まで
17キロの案内を見て遠いなと思いながら峠を下る、コース両側には宮古の蕎麦屋の看板が
並びだす。緩いカーブを下ると突然のように農村が現れる、数軒が蕎麦の看板を出して
いる、人気は無く数台の乗用車が停車している静かな集落。宮古への入口に到着したかと
停車、往復30kをどうするか地図で確認、ここで気付くこの場所が宮古なのだ、地図上の
説明の位置を宮古と思い込んだミス。時刻は13時すぎ、当然蕎麦を食べることにして、
傍の「権三郎」と看板の出ている駐車場に移る、予約不要と看板に出ている何軒かの一つ。
入口が国道に面してなく開店しているのかも不明、入口を探していると葦簾で囲まれた
農家の中から声が聞こえる、ぐるりとの軒下を半周すると南側に玄関、普通の農家の
玄関で何の飾りも無い。奥で物音がするので声を掛けると中年の女性が出て来る、蕎麦を
食べさせてもらえるかと尋ねる、可。座敷に上がると三人連れの家族が一組、先ほどの
声の主らしい。最も単純な蕎麦と注文、出てきたのは小さな器の盛蕎麦とサービスの
刺身蒟蒻。器を見て、これは高い量が少なすぎると思う、しかし蕎麦は底深くまで
詰まっていて普通のザルに盛ったよりも多い。蕎麦は短く腰が強い、香りが良くそのまま
食べても美味しい。刺身蒟蒻はトコロテンのように柔らかく透明で、口に含むと崩れる
ような食感、甘い蜜でもかけると夏の冷たいスィーツになる。蕎麦湯も美味しく
700円では安いと思う。宮古を出て川沿いにゆっくり下り、小さいがきつい登りの峠を
越えると高原状の台地が広がる、そこをゆったり下ると農地が広がり山都の郊外に到る、
国道はここから広く整備され北上。畑地の緩い傾斜をしばらく登ると牧場が現れ高原状に
なる、狭い道を急カーブと急坂で進むと、磐梯山系裾野の台地に出て前方には磐梯山
裾野の広がりが見える、喜多方西郊の農耕地帯に到達したようだ。磐梯山は中腹以上を
雲に隠されているが、景観は素晴らしい。R459で喜多方市街に入り地道を直進して、
喜多方北郊をすり抜けR121に乗り南下、すぐに再びR459に乗り東進。
磐梯高原
北塩原で給油し裏磐梯に向かう、大きなカーブで傾斜を登り道の駅「裏磐梯」で休憩。
再スタート後は桧原湖に沿って走るが、林に遮られて湖水は見えない、裏磐梯からk2で
北上しキャンプ場に到達。湖畔のサイトは景観が良いが、磐梯は頂上付近に雲が架かり
見えない。湖水を眺め寛いでいると、西北から雨雲が広がり降り出す、ブルーシートで
雨宿り、しばらくすると上がり夕食。
磐梯高原
27日 8:20出発、晴。
磐梯は雲を被っているが、好天。キャンプ場からk2で出発、R459に乗り道の駅
「裏磐梯」に寄りパンフレットを入手後、k64に乗り桧原湖を時計回りに走る、コースは
林に囲まれ眺望が良く無い、磐梯展望所は唯一の展望が利く場所だが磐梯は雲の中。
桧原湖の北端でk2に乗り換え南下、再びキャンプ場の前を通過しR459に出会うと
五色沼に寄る。有名観光スポットだが、朝早いためか観光客は少ない。雲が多く
毘沙門沼は鈍色で、正面の磐梯は雲が絶えず流れてきて全貌は見えない。再びR459を
走る、林の中をゆっくりと下りR115に合流、その直前に右手遥かに猪苗代湖が見える。
R115からすぐにk323に乗り換え南下、水田と蕎麦畑の台地を走る、右手には磐梯山の
裾野が広がり素晴らしい景観、相変わらず山頂は雲に隠されているが、白い蕎麦の花が
広がる彼方の磐梯山の勇姿は圧巻。
磐梯山k323から
川桁の集落を抜けk322に乗り換え湖畔の志田浜に到る。湖畔に沿ってR49からk9に
乗り時計回りに走る、猪苗代と磐梯を右手に見ながら快走、湖畔道を走り舟津浜の集落
からk376に乗り換え南岸を回る。狭い道湖畔の断崖上をアップダウンとカーブの連続で
抜け、水田地帯に出て秋山浜に寄る。さざ波寄せる岸辺に立つと正面に磐梯山が聳える、
磐梯山の全貌が見えればすごい眺めの地点だが一般観光コースに含まれていない、唯の
田舎の農村の風情、物好きなライダーだけの絶景。湖畔を回るつもりがこの先は通行
止めの案内、常夏川沿いの地道を走りR294に出る。
会津若松
R294を走り出すとすぐに赤津宿に入る、国道の両側に宿場の面影を色濃く残した
町並みが続く、観光化していない静かな宿場町。赤津宿を抜け、ほとんど車が走って
いない田園のフラット国道を走り、黒森峠はトンネルで越え更に北上、R49に合流。
R49で大きく北を迂回して会津若松市街に入る、R49はさすがに若松へのメインルート
ずいぶんと交通量が多い。k64で市街の東を巻き、地道に乗り換え東正面から若松駅に
到達、暑い。観光案内所で地図を入手、白木屋の名称と位置を確認、駅前の地道を南下
R252に出会うと右手に白木屋、駐車場にバイクを停め土産を購入、店内は誰もいない。
再出発R252に乗り柳津を目指す、道なりに南から西へと若松市街を廻り郊外の水田を
北西に向い走りながら思う、時間は早いし天気は良い今日中に大内宿に行くかと。
停車して地図を確認、会津パールラインと名付けられた農道に乗り換え西に進む、k72と
出会い乗り換え南下。農地の中を快走、本郷から更に南下しk131に直進して栃沢に到る。
栃沢の集落からカーブを繰り返し一気に高度を上げる、登り切ると左手眼下に会津盆地が
広がる、なかなかの眺望だが停車するほどでもない。尾根筋を走り大きなカーブで更に
高度を上げ、氷玉峠をトンネルで抜け穏やかな下りで大内ダムを過ぎ、そこから
急カーブの連続で一気に下ると大内宿に到達。日曜日の午後、大内宿は観光客で混み合い、
車は宿場外の駐車場に誘導されている。今日のここは私の求める所ではない、退散。
往路を引き返しパールラインを越え、磐越道を潜り北上R49に出会う。R49で西に走り
坂下で給油、ついでに柳津までのコースも教えてもらう。坂本からR252に乗り換え
只見川と只見線と併走、通行車輌は皆無と言っていい程空いている、只見線も不通に
なっているようだし只見川の河岸も抉られている。そんな周囲を見ながら走っていると
突然森林公園の案内、市街地の先と思い込んでいたので慌てて指示に従い、スタンドの
横を左折し只見線の踏切を渡り、小さな集落を抜け畑の中を右折して林の坂道を上ると
柳津キャンプ場、小学生の団体が来ている。見晴らしは良くないが芝の開けたサイト、
奥の林には炊事棟やファイヤーをする広場のある広いサイトもあるようだ。小さな食堂を
兼ねた事務所で幕営手続きをする担当者は好人物で、今年からバイクは700円に
値下げしたライダーのテントは小さいからと、あまり有名でないから他府県のキャンパー
は例年少ないが、今年は全く来ないと言っていい程少ない、原発事故の風評のせいで、と
色々話してくれる。荷物を団体と離れた場所に下ろし、国道のコンビニに食料と飲み物の
購入に出かける。小学生は夜半まで騒いでいて眠れなかった。
只見川に沿って
28日 8:00出発、晴。
出発準備をしていると、昨日と別の40歳ぐらいの担当者が神戸ナンバーのライダーが
幕営していると聞いたのでとやって来る、昨夜はやかましかったでしょう、例年は泳ぎに
行くのだが今年は行けないので山でキャンプしているのです、自分も学生時代はバイクに
テントを積んで日本中を走りました、今は出かけられないが羨ましいとのこと、彼も
好人物。国道に下り走り出すとすぐ柳津市街、柳津橋を渡ると川向こうの断崖上に
圓蔵寺の堂宇が聳える。道の駅「会津柳津」でトイレ休憩。柳津を出て只見川右岸に
沿って走る、R252は只見の手前で通行止めの為、地元の車しか走っていない。只見川は
濁流で両岸のかなり高い位置まで抉られた痕跡が残り痛々しい、少し内陸を走ると
道の駅「みしま」があるが朝早く準備中、野菜を運び込む軽四が次々と出入りしている、
通過する。会津宮下から川沿いに出て左岸に渡る、地図のガイドでは渓谷を見下ろし
ながら走ると書いてあるが、渓谷は濁流で両岸は抉られ河原には流木が折り重なる、
痛々しい姿。川沿いだが微妙に川から離れた農地を走り、只見川に沿っているのを
忘れた頃目の前に壁が立塞がるような山並。バス停表示によると水沼の下大牧、停車して
撮影、山中の小さな盆地に佇む小集落の田舎道に立っているような風景。
R252水沼
水沼橋を渡り再び右岸を走る、上田ダムのダム湖に沿って走るが流木の浮かぶ茶色の湖面。
川口市街でR400に乗り換える、只見方面迂回の案内が出て、傾斜のある裏通りのような
細道に入る。走り出すとすぐに市街を離れ野尻川沿いを走り、緩い登りで山間の集落を
縫って走ると昭和村に入る、昭和村は高原地帯で水田が広がっている、道幅は広くなり
アップダウンは無く快走路。野尻川の川幅は広がり浅い瀬が続き透明の水がゆっくりと
流れる、鮎釣りには絶好の地だと思う、京都の美山町を走っているような錯覚を覚える。
国道で拡張されていたのは村に入った辺りだけ、あとは田舎の細い農道を走っている
ような国道になる。広い空の下を快走していると、「からむし織の里」という施設が在った、
道の駅の代わりに休憩する。からむし織の工芸館や地元の工芸品の物産館で、実演を
見せたり体験も出来る施設。午前も早く観光客は数組しかいない、元々昭和村を訪れる
人自体少ないと思う。更に南東に走ると山が近付いて来る、急なカーブで急坂を登り
舟鼻峠を新しいトンネルで抜けk346に一部乗り、小野沢峠も新しいトンネルで抜け山中の
急坂を一気に下り会津田島の西郊でR289に出会う、R289を少し東進しR121に乗り
換える。阿賀野川の上流部阿賀川に沿って緩い傾斜を南下、周囲は樹園が多くコース
沿いに果物野菜の直売所が並ぶ。街並に入った瞬間、ここは旧宿場と分かる趣のある
家並みが続く荒海宿を車の流れに乗って通過、今日は日曜日で関東ナンバーのバイクや
乗用車がたくさん走っている。傾斜がきつくなり山が迫って来て道の駅「たじま」で休憩、
ここも観光客で混み合っている。
日光
起き上がり小法師を土産に購入して出発、すぐに山王峠をトンネルで抜けて関東に進入し、
峠を下ると渓谷沿いとなる。澄んだ清流に沿って走ると頭上は木の枝が覆い被さり涼しく
走る、紅葉の時期はさぞかし賑わうコースだろう。上三依でR400が分れて行くとコースは
空いて走り易くなる、緑のトンネルを清流の流れに従い適度にカーブを繰り返し、
五十里湖は荒れた旧道で湖畔を巡り五十里トンネルを抜けるとk23に右折。すぐに葛老
トンネルを抜け八汐湖畔を走り、急坂を登り高台に出る。鬼怒川の上流部に沿って走る
緩い登りの快走路、関東のライダーが多い自転車のロードレースを行っており気を使う、
ロードレーサーに気を取られて霧降への入口を見落とす。少し先まで走って引き換えし
k169に乗る、きつい坂と急カーブが連続するコース、ロードレーサーはほとんど下車して
歩いて押している、急坂が終わると高原状で傾斜は緩和される、しかし霧が架かりだす。
大笹牧場を過ぎても更に登りが続き、急坂が現れる。霧の中に入り周囲は何も見えない、
最高点と過ぎると六方沢橋を渡る、橋の下は霧が流れ何も見えない、気温は21℃が表示
され寒い。少し下るとスキー場が現れ霧降高原に到着したようだが霧で景色も見え
ないので通過、急坂を小さなカーブの連続で下り霧の外に出る、傾斜は緩くなりほぼ
直線で下り日光に向かう、道路は混み合ってきた。日光の手前で渋滞して進まなくなる、
路肩をすり抜け前に出ると市街が観光客と車で溢れかえっている。R119に乗り換え車の
流れに任せる、遅々として進まないが歩行者も多く路肩を進むのは危険、東照宮や二荒山
神社を過ぎると車が若干減少しスムーズに流れる。R120と名称が変わった国道を進み
いろは坂を登る、登りは第二いろは坂を一方通行、名前の通り小カーブが連続する急坂、
難渋して明智平に到るが霧が架かって眺望は望めない、パス。中禅寺湖への出口でまた
渋滞、路肩をすり抜けるがやっぱり危ない。下山する車と登ってきた車と駐車場に出入り
する車で混乱している、赤い鳥居を潜り中禅寺湖畔に出ると観光客で満ち溢れている。
スタンドが見当たらないのでそのままR120を進む、湖畔の快走路だが周囲の山は雲が
架かり景観は今一つ、国道は行く車と帰る車が一杯日曜日の午後なのだ。菖蒲ヶ原の
スタンドは休業、ちょっと困ったぞと考えながらカーブの繰り返しで坂を登り戦場ヶ原に
上がる。停車して地図で確認、この先20キロスタンドは無い、微妙な距離だが山の中で
ガス欠はヤバイ、清滝に引き返して給油した方がよい。渋滞のいろは坂の往復は辛い、
今市に出てビジネスに宿泊するかと考えながら中宮祠に戻り、下りのいろは坂に進むと
スタンドがある、登ってきた時地元の人に訊けば良かった。給油、ここはメータを誤魔化
している、4.06?も給油できる訳が無い。再び戦場ヶ原に戻り走り出すが、まだ交通量は
多く流れに任せて走る、戦場ヶ原から緩い登りを走り日光湯元に到る、ここで通行車が
かなり減少した。湯元から針葉樹林帯の金精道路を更に登る、霧が漂い肌寒く阿寒を
思わせる景観が広がる。霧の合間、眼下に広がる樹海に湯ノ湖が見える、まるで双湖台
からペンケトーを見ているよう。
湯ノ湖
霧の急坂の急カーブを登ると金精峠に到る、霧の流れる殺伐とした峠でそのままトンネル
に進入。トンネルを出て、路面の整備状況は良く交通量も少なく、走り易いがきつい
傾斜を急カーブの連続で下ると笹原の高原に到る、丸沼高原でスキー場などリゾート
施設やペンション村が点在する、ここも北海道のような景観が広がる。円山高原から
カーブを繰り返し下ると、川沿いの田舎道を走る、小さな集落や畑地を走り抜け、尾瀬の
案内が目に付き出すと片品村の中心鎌田だ。R120はここから日本ロマンチック街道と
名付けられているが狭い、鎌田からは尾瀬帰りの車も加わり混み合って来た、その上工事
区間が多く走り辛い。疲労と工事渋滞にイライラしながら片品川沿いに南下、片品渓谷を
過ぎると西向きに走り椎坂峠に登る、地図では好展望地のマークが付いているが、雲と
靄に包まれ眺望は望めない。峠からのコースは狭く急な坂道で小さいカーブが続き、
しかも渋滞していて絶えず緊張を強いられる。峠を下ると片品川の段丘上を走る、周囲は
畑地や果樹園で道端に直売所が並ぶ。段丘上を直線に突っ切り沼田郊外に到る、国道は
改良され走り易くなる、関越道の高架を潜り郊外型ショッピング店が並ぶR120を中心に
向かう。中心部に入ると道幅は狭くなり走り辛くなる、国道と別れ地道を直進し中心を
抜ける、中心は郊外とは異なる、シャッター通とまでは行かないが寂れた感じ。中心で
宿泊施設を探すのは困難、駅に向かう。駅は市役所の西側から段丘を下る、駅前に到るが
何の施設も無い、タクシーの運転手に尋ねると旅館かホテルかと訊かれ安い方がよいと
答えると、笹屋を紹介してくれる。沼田は利根川と片品川の段丘に繁栄した台地上の町、
鉄道も国道も町を外れた処に通され今の中心も台地の上に在り、関越道が今のメイン
ルートでIC付近が表口になっているようだ。運転手に教わったとおり台地を登っていると、
件の運転手が追い越し付いて来るようにと言い、笹屋の前まで誘導してくれる。笹屋は
市役所の裏手のホテル、昔はシティホテルで結婚式場として繁盛したと思わせる、複雑な
構造の建物。近くのコンビニで食料を購入し寛ぐ。
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