万葉趣遊・詩 秋篠の小路

2017-03-14 16:05:34 | 
       秋篠の小径        


  来る途中
  畑にいたおばあさんからのいただきもの
  苺をくるんだハンカチーフを手に提げて
   東洋のミューズってええやんか と
  寺に向う

  あんたは 
  片方の手で拂っていた草の葉っぱを
  指の間に残したまま
  カメラに向って
   技芸天は 秋篠の女優さまよね と
  あのお方のキメのポーズをとる
  苺をパクリ
  踵をかえして
  雲雀も小躍りして鳴く秋篠の小径を
  私におかまいなしに
  さっささっさと行きなさる

  黒髪を盛りあげた紫紅のシュシュが
  たまゆら 薔薇を装うのも
  思い過ごしか と
  私は後ろから
  不揃いのひとつひとつを楽しみながら
  あんたについて行く

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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イチゴ (ズー)
2017-03-16 08:43:04
詩の中で、苺が鮮明で、読後の残像になっています。
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不揃いの一つひとつ (tefutefu)
2017-03-16 09:38:53
苺、うれしいですね。
返信する

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