受法寺本堂建築誌

伝統木造工法により建築中です

大雨

2006年07月20日 | Weblog
雨が降り続き、屋根葺きは休みが続きますが、内部では厨房付近の造作が進んでいます。

厨房の床板貼り・鴨居・敷居などが終了し、廊下と部屋が姿を現しています。

無垢材

2006年07月19日 | Weblog
最近の家で中に入ると、ムッと息が詰まる事があります。
新建材と、木に見えますが木目をプリントしたビニールシートなどで覆われていました。

厨房の桧無垢材での床板貼りが、進んでいます。

内装工事が進む堂内にはいると、とても良い木の香りがします。

桧の床材は素足で歩くと気持ちの良いものいですが、終ったところはカバーされていますので、完成までお預けとなります。

隅棟(すみむね)

2006年07月18日 | Weblog
瓦葺き工事は降り棟が終了し、正・背面平側の屋根面と側面妻側の屋根面とが合わさる隅の部分に取り掛かりました。

隅軒先に獅子口瓦を据え付け、隅棟の瓦を葺いていきます。降り棟獅子口瓦(H57×W59)よりも、一回り小さい(H40.5×W40)ものです。

大きな伽藍では、隅棟に二重に鬼瓦(獅子口瓦)を置きますが、受法寺では一つです。

隙間

2006年07月16日 | Weblog
日曜ですが、来週から雨が続きそうなので、瓦葺き工事が進みます。

夏の日差しが照り、高知では37.1度。
屋根の上では、40度は越えている事でしょう。

遠くから見ると瓦の筋がはっきりと通っている屋根ですが、近くによると隙間が見られます。

この隙間は、瓦葺きの大屋根の勾配を作るときに生まれます。

また大雨が降り続いて、瓦と瓦の間がぴちっとくっついていると、毛細管現象により雨水が浸入してしまいます。

飛鳥瓦はある程度雨が入っても、端が立ち上がっているので、下まで雨が入る事を防いでいます。

またアスファルトルーフィングが、最終的に屋根野地板まで雨水が浸入する事を防ぎます。

降り棟(くだりむね)

2006年07月15日 | Weblog
降り棟は4箇所を同時に作業を進めていますが、正面北を葺き終えました。

先にしっかり堅結した獅子口瓦から上方に、台熨斗瓦を1段、割熨斗瓦を4段積みます。
獅子口に近い所では、4段が7段となり、棟先に反りを付け天に向かうようにしています。
棟先から置いて途中で消すので、捨熨斗瓦と言います。

降り棟本体は、ステンレス線で屋根下地にしっかりと止めた瓦を立て、土や瓦を入れています。

降り棟の中は、漆喰・葺土で形を作り、雨が流れても溜まらない様にしてあり、獅子口瓦下にも溝を入れてあります。

板の間

2006年07月14日 | Weblog
本堂の後面にある部屋に、床板を貼っています。

この部屋は約11m×4mあり、厨房・点火点燭供香供飯の準備をする香房・研修などに使われる多目的室になります。

地球規模でのオゾン層破壊や温暖化の原因物質となっているフロンを全く使用していなという「カネライトスーパーE」という断熱材の上に、15㎜厚の桧無垢材を貼っています。

雁振瓦(がんぶりかわら)

2006年07月13日 | Weblog
大棟は台熨斗瓦・肌熨斗瓦・割熨斗瓦12段を積み重ね、最後に雁振瓦(がんぶりがわら)とよばれる瓦を取り付け、完成しました。

一般的に使われるのは反り(そり)ですが、建築では照り(てり)とも言われる反転する曲線が出ています。

『てりむくり』(立石二郎著)という本には、ブルーノ・タウトが絶賛した桂離宮のような直線で構成される建築の流れだけではなく、「いかもの・いんちき」として拒絶された「照り(てり)起り(むくり)」が、日本の古代からの美意識の記憶として、寺院建築などに取り入れられていると解説しています。

たくさんの例を上げていますが、お経の中にも「ソリ」という節があり、仏教の無常感を醸し出しています。

本堂の屋根に反りがあるのは、大空への憧れを表し、現世と来世をつなぐ装置として設けられているようにも思われます。

割り熨斗瓦(わりのしかわら)

2006年07月11日 | Weblog
大棟に、割り熨斗瓦を積んでいきました。

割り熨斗瓦は12段で、下からピラミッドのような段の勾配があります。

大棟の端にいくほど反り増しがあり、土で加減しながら葺いています。
また熨斗瓦は、前後にも角度があって上に行くほど緩くなり、木のクサビで調整しながら重ねています。

大棟の「照り(てり)」と浦戸大橋「起り(むくり)」が、美しい曲線を描いています。

養生

2006年07月10日 | Weblog
養生といっても、健康に保つ事ではなくて、建築工事で作業箇所の周囲を保護すること。

木工事が完了した柱にオレンジ色の養生カバー・毛布、敷居に木の板・合板などを貼り傷つかないようにしています。

堂内では、左右の廊下の物入れや便所の内装に取り掛かっています。
写真は手前から、物入れ・小便所・和便所・洋便所の桧の腰板が立ち上がっているのが見えます。