受法寺本堂建築誌

伝統木造工法により建築中です

材質

2006年12月14日 | Weblog
本堂工事が進むにつれて改めて驚かされたのは、使われた材木の素晴らしさです。主に県西部産出の年数を重ねた良材が選ばれました。
 
その上に、伝統建築の棟梁や工匠達の身に付けた技術力が充分に発揮されました。山で生きていた木のいのちが、また建物になって生きていくといわれます。大地に根を張って生きていた樹々の息吹きや囁きや、養分の流れや葉の光合成やと、あれこれ思いを巡らせていると、木も人もやはり大自然のいのちの中で生かされているのだと思えてきて感動さえ憶えるのです。

あらゆる人々のいのちの親である阿弥陀さまのまします本堂にふさわしい建材は、木材こそといえるように思います。

建築の準備期に、建築世話人会の協議の中で、費用に関連して鉄骨造りや鉄筋コンクリート造りを躯体とし、集成材や新建材も使うことも検討しました。
 
しかし五百年もの間、門徒の篤い帰依心によって護持されてきた歴史に視点を据え、未来を展望して、材質による耐久性が弱ければ、かえって子孫に残す負担も小さくないという論点に立って、木造を選んだのでした。

「受法寺報 8号」より

※向拝階段板としていましたが、階(きざはし)という名称がありました。

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