受法寺本堂建築誌

伝統木造工法により建築中です

胡粉(ごふん)下塗り

2006年07月31日 | Weblog
屋根工事が終了しましたので、軒先の垂木や化粧隅木の木口(こぐち)などに白い塗料を塗る作業が行われました。

この後に、胡粉(ごふん)を塗ります。

軒先の木口から腐るのを防ぎ、二段になって白く塗られた打越(うちこし)・飛擔(ひえん)垂木のラインが、建物の印象をくっきりとしたものにしています。

登梁(のぼりはり)・天井

2006年07月29日 | Weblog
屋根工事の間も続いていた木工事。

天井は、廊下・板の間・物置・トイレまで進んでいます。

板の間と厨房には、120×180、120×300の大小の登り梁がリズムよく並び、屋根の斜面をそのまま見せ、半分からは天井に空調も取り付けるので平面となります。

天井は全て杉の無垢板。

シナベニ合板であった物置の天井は、全て本物の木を使いたいので取り外して、大きな空間も出来ました。

屋根葺き工事終了

2006年07月28日 | Weblog
2ヶ月間をかけた、屋根瓦工事が終了しました。

施行されたのは、須崎の「トヨテック」さん。

土を使わない桟瓦葺きの入母屋の寺院の屋根でしたが、、これほど複雑で伝統の技術の集積によるとは思っていませんでした。

その工事をよく研究され、複雑な曲線を生かすために、炎天下で一枚一枚の瓦を丁寧に削り、積み上げた職人の技に、改めて頭が下がります。

最後に瓦の位置を調整して銅線を結び、汚れを拭き取り、粉塵をを落としました。

水切瓦

2006年07月27日 | Weblog
水切瓦で検索すると、雨の多い高知の建物の壁面の取り付けた平瓦が出てきます。

土佐派の家では、この水切瓦の意匠を取り入れて雨仕舞いを良くするために、銅版などで加工したもの取り付けています。
庫裏の漆喰壁にも、この銅版の水切瓦を取り付けています。

本堂の妻下に取り付けるのは熨斗瓦3段で、面戸瓦の上に葺き、水の侵入を防ぎ、建物の側面を強い印象にしています。

梅雨明け

2006年07月26日 | Weblog

ここ高知でも、ようやく梅雨が明けました。

今年は5月から雨が多く、梅雨入りしてからも雨が振り続き、建築工事には妨げとなりましが、ブルーシートを架ける事により木材を濡らすことなく雨は防ぐ事が出来ました。


文化財のような寺院建築では、仮屋根を設けていますが、ブルーシートでも十分にその役割を果たす事が出来ました。


旧本堂からは、写真のような木札の書き物が見つかりました。

修繕中大旱魃諸国大ニ水ニ苦シム落成迄凡四十日位雨ナシ
干時明治廿六年五月中旬ヨリ八月一日落成屋根修繕終
落札金高八拾五円也
棟梁      北川庄太郎
左官    西諸木村 馬場弥八
総代   長浜村   楠瀬来馬
委員    長浜村   楠瀬栄吾
               菊地鉄馬
            松吉馬吉
            島村謙次
       浦戸村   吉松八造
               徳広銀松
           堀内卯之助 
           池川丑太郎 
           森岡秀行
       西分村   岡部岩次

      受法寺    拾世住職 横山瑞正

 

本堂の修復は大正12年に行われ、今回の解体で天保13年(1842年・今から163年前)の修復(新築?)の記述と、木札の発見で次第に修復の歴史が明らかになっていきました


木造の建築は、修復を重ねながら、次の世代に受け継がれていきす。


妻面戸瓦

2006年07月25日 | Weblog
瓦工事は正面南隅棟で終わりかと思っていましたが、いつもはブルーシートに覆われていた南北妻に、大棟下に付けた様な面戸瓦を葺きました。

内部では、廊下の天井・余間の鴨居などを取り付けました。

トンネル

2006年07月24日 | Weblog
正面北隅棟・背面北隅棟を終了しました。

降棟の外側に葺かれた二本の袖丸瓦と交差する隅棟の下には空洞(トンネル)が設けられ、雨水が流れるようになります。

屋根葺き工事終了も、あと一歩です。

テントの下

2006年07月23日 | Weblog
雨が降り続きます。

日曜ですが、ブルーシートのテントの下で、西北棟・東北隅に分かれての瓦工事です。

正面(東面)の熨斗瓦は5段、内2段が捨熨斗瓦でした。

捨熨斗瓦(すてのしかわら)

2006年07月22日 | Weblog
本堂背面(西側)は山が迫り人の目に触れることはありませんが、丁寧に隅棟の瓦工事を進めました。

台熨斗瓦の上に7段を熨斗瓦を葺きます。そのうち3段は、下部だけ葺き棟反りを出すようにする捨熨斗瓦(すてのしかわら)です。


濡れた瓦

2006年07月21日 | Weblog
朝は瓦葺きの職人さんが来ていましたが、雨で諦めて中止。

昼からは、雨が上がり2時間ほど作業。気に入らなかった所を直したとの事。
素人では解りませんが、職人の世界です。

再び雨が強くなり、瓦葺き工事の主任さんが残り、これまでの作業の確認をしていました。

雨で瓦が濡れると一段と落ち着き、久しぶりの本堂全景も荘厳な姿です。

今日は2週間に一度の現場打合せ。
先に届いている懸魚(げぎょ)を確認しました。

雨で遅れがちな屋根葺きが終ってからの、取り付けになります。