受法寺本堂建築誌

伝統木造工法により建築中です

仏飯所

2006年11月30日 | Weblog
厨房の名称は、本山でも使われる「仏飯所(ぶっぱんしょ)」としました。

先に設置していた、キッチンに木製無垢の扉・引き出しを取り付け。

食洗機・IHヒーターを組み込んでいます。

厠(和)

2006年11月30日 | Weblog
多くの意見を聞いていくと、直接に肌の触れない和式も必要と言う声もあったので、和式トイレも設置しています。

トイレの扉の引き手は、木製にしたい所ですが、実用性で大きなステンレス製です。

厠(洋)

2006年11月30日 | Weblog
本堂内にはトイレを、洋式・和式・男子用と設置しました。

お寺では、禅宗では「雪隠」という用語がありますが、一文字で「厠」と表示し「かわや」とふりがなをつけています。

洋式では二枚の扉を引き込むことにより、介助者が必要ですが、車椅子が入れるようにしました。

室名表示板

2006年11月29日 | Weblog
部屋の用途を表示する板を、いの町の横山さんにご寄付頂きました。

横山さんは今は一線を引いておられますが、長年サイン表示の仕事に就いておられました。

横山さんが考案した、アクリル板と地板の間に和紙を貼るという表示板は、和風のモダンな建物に良く調和するものです。

本堂内に表示板は八枚取り付けますが、打ち合わせは5,6回は重ねています。

一枚の板を決めるにも、室名、字体、字の色、和紙の種類、地板の色、大きさと、選択する点がたくさんあります。

そして表示板には木製枠をつけ、桧板戸によく調和するようになりました。

それらは見本を作製し、現場であわせて決定しています。

雨水受け

2006年11月29日 | Weblog
外構の整地が行われ、工事によって荒れた建物の外廻りを整地して、水はけの良い土を入れました。

向拝には階段下に、グランドレベルを上げたのでスロープをつけ、屋根からクサリをつたって落ちる雨を受ける升と水路を取り付けました。

2006年11月29日 | Weblog
床板の上には調湿効果など多くの効果がある炭シート、そして稲藁床・綿黒縁の畳を敷いています。

化学物質で出来たスタイロ畳とは異なり、畳に心が込められ、「聞法の道場」として、威儀を正して坐したい気持ちが起こります。

敷き瓦

2006年11月28日 | Weblog
玄関の床には当初は御影石を使う事を考えていましたが、より温かみのある敷き瓦に変更し、四角いいぶし銀の日本瓦を張りました。

工事に当たるのは、タイル職人さんです。

陰翳礼讃

2006年11月28日 | Weblog
美装があり、工事のよごれやほこりを取り除き、現場を美しく引き渡せるようにされました。ガラスの桟も、一つ一つ丁寧に掃除をしていました。

谷崎潤一郎も、ガラスにするか障子にするか『陰翳礼讃』で迷っています。

近年の建てられた寺院の多くは、アルミ戸だけになったのは残念です。

受法寺では、内側は未晒し楮土佐和紙・腰茂障子、外側は 強化ガラスのはいった格子戸です。

本堂の外では高い防水・防犯・防音性と、中に入れば、障子を通して入る光が、木と土佐漆喰とともに、温もりをもたらしてくれます。

組物

2006年11月28日 | Weblog
昨日は BS-iの二時間番組で『唐招提寺 平成宮大工の挑戦~天平の技を今に受け継ぐ~』の放送があり、興味深く見ました。

1200年間その姿を何度かの大地震や台風などの災害、腐食や虫害を、大工の手による何度かの修復を経て、その姿を保ってきた知恵を紹介していました。

受法寺本堂でも、用途が合わなかった部分は残すことが出来なったですが、向拝にある虹梁・山内家の紋のある蛙股・龍鼻・組物は残し、痛みが激しい所は、埋木や新しく造り直し、昔の姿も残しています。

番組の地震の実験では、組物が釘を使わず固定しない事により、揺れがあったときに、ずれたり浮き上がることにより、振動を逃がしているのが目で確かめられました。