私は戦後生まれなので、戦争を体験したわけではありません。でも、よく母から、いろんな話を聞いていました。母は昭和2年生まれ、終戦の日は、18歳になったばかりだったわけです。そのとき彼女が思ったのは、「これで夜も電気つけられるのね!」という喜びだったとか。
戦争中は、多くの人間が統制管理されて、個人の感情は抑えつけられて来たそうです。ちょっと何かすれば、非国民と言われるそんな世界、私はぞっとします。
日曜日にFMを聞きつづけていたので、予約録画していたNHKスペシャル「日中戦争」と、イッセー尾形と3人のゲストによるアドリブ劇の博多屋台・人生ドラマを続けて見ていました。
歴史というけれど、それは最少は一人の人間、そしてその家庭、と一回りずつ大きくなる組織、その最後が国家というもの、その記録です。その国家の意志によって、国民が翻弄されるのが戦争。絶対に起こしてはならない集団殺人、それが戦争です。
人間が人間でなくなる、どういうことなのでしょうか。それは厳しい上下関係、軍隊のシステムに起因するのではないかしら?非人間的な組織、それは今も変わらないのでは?
戦闘力を持たない市民も簡単に巻き込まれてしまいます。原爆や東京大空襲がそうでした。それでも「強い兵隊さん」を産めよ増やせよなんて、信じられますか?
先日、「蟻の兵隊」を見たとき思ったのですが、本当にあの戦争をもっときちんと記録として残さないと、また戦争という道に行ってしまいそうで怖い・・・。早くしないと、生き証人もいなくなってしまいます。そんなこの日に、小泉首相は靖国神社に参拝してしまいました。多分、彼は公約を意固地に実行したかったのでしょう。そう考えると、郵政民営化というのも、ただぶっ壊したいだけなのかと疑問です。
この彼の行為で、日本のアジアでの立場も悪くなりましたよね。日本が起こした侵略戦争の被害国は、そりゃもう黙ってはいませんもの。反日感情がまた大きくなること必至です。
さて、そこで私は思いました。それぞれの国の歴史認識はたしかに違っています。ただ、日本は、あの戦争をきちんと反省していません。ただ、勝手に戦勝国がやった東京裁判で解決したなんて思ってます。そうじゃないでしょう。実際に、戦争がどう始まってどう終わったのか、日本の軍隊は何をしたのか、本当のところ、きちんと国民がわかっているわけではないのです。これを機会に、アジアの皆で、きちんと共通の歴史認識が得られるように調査研究を合同でしたらどうでしょうか?
中国本土のあの戦争での犠牲者が1000万から2000万人というの、私はいまのいままで、知りませんでした。それは、南京大虐殺がたとえなかったとしても、恐ろしい数字ではないでしょうか?日本軍は中国で一体何をしたのか。
それを調査して、初めて日本がアジアの一員として自分の足場を確保できるのではないでしょうか。先日の映画でも、戦犯の調査記録が中国にたくさん残っていたのです。手遅れにならないうちに、きちんとしてもらいたいものです。
思うのですが、あれだけ庶民を縛り付けていた特高とか憲兵、さらに隣組の組長さんとかって、戦後はどうなったのでしょうか。
弱いものいじめの体制が、日本には存在していたのです。恐ろしいことです。
ちなみに、大東亜共栄圏については、こちらに詳しく出ています。
つくづく、戦後に生まれてきて、よかったと思います。自由のない毎日なんて、とても辛すぎます。亡き母にきいたことで、印象に残っているのは、「戦時中って、生理はどうなっていたの?」という私の質問に対してでした。だって、女性であることを抑えつけられて、思春期の女性が、胸が膨らむのを嫌がってさらしを胸に巻いていたなんていうんですよ(そのせいで、胸が小さい遺伝子になったのじゃないかと頭にきますが)。でも、生理は東京大空襲や食糧難もあって、なくなっていたようなのです。それだけ、身体的にも抑圧されていたのでしょう。とにかく、ひどかったことは想像がつきます。だからこそ、いまの「モノが豊かすぎる」時代に、もっとあの戦争のことを知らなくてはいけないのです。