3月28日に北海道電力が送電網強化のため2014年より着手してきた本州と北海道を結ぶ新たな北本連系線(30万kw)の本運用が開始された。
海底ケーブルの従来からのもの(30万kwが2本)とは違って青函トンネルを通すものであり、これまで外部電源で直流と交流に変換する他励式ではなく、外部電源に頼らず送電電力から変換する自励式を国内で初めて採用している。
昨年9月の北海道胆振東部地震により最大震度7の厚真町にある苫東厚真発電所がトラブルを起こし、需給バランスが崩れ全発電所が停止し送電網から切り離されるブラックアウト(全系崩壊)により北海道側の交直変換設備も使えなくなってしまった。
今回の新たな連系線は送電電力で交直変換できるため、既存の連系線の変換も可能となるため点検や故障で停止していなければ90万kwは確保される事からブラックアウトのリスクは大きく減ったと言える。
この連系線が点検や故障で停止する事はあるので可能性が皆無になった訳ではないが、連系線が使えない場合は速やかに揚水式の京極発電所を稼働させる体制を取る事で更にリスクを減らす事は可能なのだ。
ただメディアでは送電量として最大60万kwだったものが最大90万kwに増強されるとは報じているが、自励式については全くと言っていいほど触れてられていない。
これはブラックアウトのリスクがなくなれば泊原発への電気が途絶える事はほぼなくなるので、原発再稼働に向かわぬようあえて触れないようにしているのだろう。