検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

安心・安全なエネルギー供給に貢献  連載小説152

2012年11月13日 | 第2部-小説
 福島第一原発が水素爆発した時の対応を振り返って見ると国民・住民軽視が際立ったと思う。
原発の20キロ圏内からの避難について「政府の指示通りに避難したのに、結局、放射線濃度が高い場所に行き着いた」
 その指示が間違ったものであることは、政府機関のいろいろな人間が認識していた。その一番は文部科学省が運用しているSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)だ。また国交省関係では気象庁は風向など大気の変化を気象衛星などの測定器を24時間運用してリアルタイムで掌握している。

 さらに内閣府・内閣衛星情報センターが運用する情報収集衛星も打ち上げて地上の情報を詳細に把握している。これらの機関が福島原発事故と避難にまったく機能しなかったのは信じられないことだ。

 結局、国機関の関心は国民の安心・安全の確保にあるのでなく、指示・命令の関係だけで動いているだけだということになる。そしてその後は自己弁護に終始し、当時の対応の不手際・不備にだれ一人責任を取っていない。あれだけの災害、人災といわれる災害を起こしてだれ一人責任を取らない国のありようを見せられると、この先、とても安心できないではないか。

  原子力発電の安全神話はウソだったことがわかった。だから将太は、町おこしプランでは安心・安全なエネルギー供給に貢献するとした。日本は世界で有数の自然豊かな国だ。この自然資源を生かしたエネルギーづくりは地域を活性化することにつながっている。この考えをひとりでも多くの人と共有できるようにする。そのテンポをもっと引き上げる必要がある。どうするか。将太は車を運転しながらずっと考えた。