検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

公約無視の再稼働推進 エネ計画政府案

2014年03月06日 | 検証・電力システム
政府は2月25日、原子力関係閣僚会議を開き、エネルギー基本計画の政府案を決定しました。その内容は東京新聞(2014年2月26日)が記者署名記事でていねいに報道しています。そこで記事全文を以下にご紹介します。

東京新聞(2014年2月26日)記事全文
 政府は二十五日、中長期のエネルギー政策の指針となるエネルギー基本計画案を決めた。自民、公明両党が政権に復帰した二〇一二年の衆院選で掲げた「脱原発依存」の公約を無視。逆に、公約にない「重要なベースロード電源」と原発を位置付け、原発の維持・推進方針を明確にした。 (金杉貴雄)
 自民党は衆院選で再稼働には積極的な一方、公約の「政策BANK」のエネルギー項目で「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指す」とし将来的には「脱原発依存」を目指す姿勢を示した。安倍晋三総裁も「原発に依存しない社会をつくる」と訴えていた。
 公明党は期限こそ明示しなかったが、「一年でも五年でも十年でも早く、可能な限り速やかに原発ゼロを目指す」と公約した。
 ところが、基本計画案は原発について「依存度を可能な限り低減」とするにとどまった。どの程度、依存度を減らすのか明らかでなく、自民、公明両党の公約から大きく後退した。
 一方、公約には出てこない専門用語の「ベースロード電源」を国民に説明がないまま持ち出して、原発を「重要電源」として活用する考えが盛り込まれた。
 政府は昨年十二月、基本計画の原案をまとめた。しかし、与党から「党内で積み重ねてきた議論が全く無視され、国民に約束した公約も反映されていない」などと批判が上がったため、一月の予定だった閣議決定を先送りし、年度内の決定を目指している。ただ、今回の案も基本路線は維持されているため、再び批判が出る可能性がある。
◆原発に固執「ベースロード電源」
 政府が二十五日に決めた「エネルギー基本計画」案で、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けた。どういう意味なのか。 (西尾玄司)
 Q ベースロード電源とは。
 A 昼夜を問わず、一日を通して一定量の電力を供給し続ける発電設備のことだ。政府は原発のほか、石炭火力、地熱発電などを挙げている。電気の使用量は夜よりも昼の方が多いなど、時間帯や季節によって変わる。電力会社は変化する需要に確実に対応するため、複数の発電設備を組み合わせて使っている。
 ベースロード電源で足りない分は、発電量の増減が簡単で、需要が最も大きくなる時間帯に使う石油火力発電といった「ピーク電源」などで賄う。
 Q なぜ、原発はベースロード電源なのか。
 A 一度稼働すれば、少なくとも一年間は連続して運転でき、ほかの発電設備に比べて発電コストが安いというのが、政府や電力会社の理屈だ。
 Q 本当に安定していて安いのか。
 A 東京電力福島第一原発事故のような大規模な事故がいったん起きれば、ベースロードとしての役割を果たせなくなることは明らか。現実的な事故対策費や廃炉費用などを加えればコストも安くない。廃棄物の最終処分の立地場所も全く決まっておらず、費用も見通せていない。政府は原発をベースロードと位置付けて再稼働のお墨付きにする狙いがありそうだ。
 Q 原発を使い続けるとする一方で、「原発依存度を可能な限り低減させる」とも書いてある。
 A どう依存度を下げていくのか、具体的な方法や時期などを示していない。将来的に残す原発の数についても非常にあいまいだ。原発の新増設にも含みを残しており、本当に依存度を下げるつもりなのか疑問が残る。
◇基本計画案ポイント
▼原発は重要なベースロード電源。
▼原子力規制委員会が規制基準に適合すると認めた場合、その判断を尊重し原発の再稼働を進める。
▼原発依存度は可能な限り低減。安定供給やコスト低減の観点から、確保の規模を見極める。
▼核燃料サイクルは、再処理やプルサーマルを推進。
▼もんじゅは徹底的な改革を行い、研究計画に示された成果の取りまとめを目指す。
▼再生可能エネルギーは2013年から3年程度導入を最大限加速し、その後も積極推進。
▼福島を再生可能エネルギー産業拠点化。
東京新聞


 「ベースロード電源」という位置づけは原発を未来永劫、稼働させ、新増設も視野に入れたものです。これはどう見ても公約違反。こういうことは絶対認めてはいけないです。

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