検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

エネルギー自給の国へ、ゴー

2014年03月17日 | 検証・電力システム
連載打ち止めのごあいさつ

 ながらくご訪問いただいたみなさま。ありがとうごさいました。わたしのこのブログ連載は本日で打ち止めとさせていただきます。
 これまでいろいろなことを取り上げ、載せてきました。目的は「自然エネルギー自給の国へ」。そしてそれはなぜ必要なのか。どのような取り組みがあるのか。何が問題かなどなど知ることが必要でした。自分なりに調べ、各地を訪ね。知ったこと見たことを当ブログで紹介してきました。

 今後はこれまでの資料をまとめ、「自然エネルギーですべての人が豊かに暮らせる国へ」をテーマにまとめ作業に入りたいと考えています。そのために集中したいと思い、連載もここで打ち止めしようと思います。しかし当ブログはこのままにしておきます。
いつかの機会にまた再開できればいいかなあという思いです。
 まとめ作業に入るにあたっての私の思いを以下に述べさせていただきます。


 私たちの生活や身の回りは化石燃料の利用で満ち溢れています。電気と石油・ガソリンのない生活はおよそ考えられません。しかしその消費は二酸化炭素を排出し、地球温暖化をすすめ、地球の気象現象を激変させて世界各地で甚大な被害を発生させています。

 また消費と共に資源の埋蔵量は確実に減少し、100年前後には枯渇する資源も出ると言われています。その中で価格は右肩上がりで推移しています。化石燃料に依存した暮らしと経済活動を続けると2代、3代先の子どもたちの頃には大変な負担と困難をかぶせることになります。

 私たちには「未来の子どもたちに、美しい地球を美しいまま渡す」責任があります。その想いはすべての人が共有できると思います。しかし手段、方法で大きく分かれます。1つは国が遮二無二に推し進める原子力発電をベースロード電源とするエネルギー政策。もう1つは再生可能エネルギー(自然エネルギー)でまかなう道です。

 原子力発電を推進する人たちは自然エネルギーでまかなうのは不可能だといいます。だが世界にはドイツ、オーストリアのように脱原発をはっきり決め、再生可能エネルギーでまかなう国が生まれています。また原子力発電は万能ではありません。生産できるのは「電力」だけです。

 一方、自然エネルギーは電力だけでなくガス、液体燃料を作り、工業製品の原料も作ります。さらに言えば原子力発電は「絶対安全」ではありません。ひとたび事故が発生すると放射能被曝で命が奪われ、広範囲の地域が人の住めない地域になります。

 使用済み放射性廃棄物の無毒化に10万年以上かかります。地球環境と生物に致命的打撃を与えるだけでなくコストは青天井です。自然エネルギーの利活用は「絶対安全」です。再生可能でクリーンです。コストは普及すればするほど低減します。自然エネルギーを強化する取り組みだけが化石燃料依存度を減らし、地球を美しいまま未来の子どもたちに渡します。


スウェーデンのこだわり住宅

2014年03月14日 | 検証・電力システム
  写真は旭川の住宅展示場で見たスウェーデンの住宅、ダイニングキッチンです。案内の人にいろいろたずねました。住宅展示場のいいところは丁寧に説明をしてくれること。暖房システムやこだわりを聞くことができます。
 この住宅のこだわりは窓でした。 
  木枠の窓ガラスは3重ガラス。2重ガラスの場合、外気の冷たさが少し伝わりますが3重ガラスはまったく感じません。日本でも3重ガラスが普及し始めています。説明人は木枠とアルミ、樹脂との断熱の違いを説明。体験させてくれました。
  アルミサッシは触れるとやけどしそうなほどのあつさ。木枠はほとんど熱を感じません。こだわりはたくさんあります。次回

北海道の暖房システム

2014年03月13日 | 検証・電力システム
  写真のような「煙突」は北海道の風景。しかし今、この煙突風景が少なくなり、代わって登場しているのが下写真のような壁から突き出た「排気筒」。
 この仕組みは下記のようになっています。  
  まず屋外の燃料タンクから灯油を自動給油し、温度設定にもとづいて稼働。排煙はストーブ裏の廃棄口からパイプが壁を貫通して外に排出。こうした暖房機が主流。煙突は風情があると思うのですが。これも技術革新の影響でしょうね。

北海道の煙突風景

2014年03月12日 | 検証・電力システム
  北海道では一戸建住宅に煙突がよく見かけます。この煙突、単に排煙だけでなく、結露防止のためにも重要です。重要な役割を果たす煙突。最近、見ることがめっきり少なくなってきています。

 重要な役割を果たす「煙突」。どうなっているのでしょうか。泊まった旅館の事例から紹介します。次回 




北海道の高気密高断熱住宅

2014年03月11日 | 検証・電力システム
  氷点下20℃は珍しくない北海道・旭川。北海道の最新住宅はどうなっているのだろうか。知り合いのS氏にお願いして旭川市内の住宅展示場に行きました。当日の最低気温はマイナス9℃。市内の積雪は約90センチ。どの家々にも雪が厚く積もり、住宅展示場の屋根にも厚い雪がかぶさっていました。

 快適に暮らすため、どのような断熱、暖房の工夫がされているのでしょうか。次回に続きます。

原発再稼動の裏事情

2014年03月10日 | 検証・電力システム
  3月7日、各紙が「米のウラン濃縮会社が破たん」の記事を載せました。核兵器廃絶の国際世論の中で核保有国の核兵器を削減・解体が取り組まれています。この解体の中で出る高濃縮ウランを希釈低濃縮ウランに変換しています。今回破たんしたユーゼック(USEC)は、1992年に米国政府会社として発足し、エネルギー省が事業をしていましたが1998年7月に民営化された会社です。

 破たん原因は日本の原発が停止したことにより資金繰りが悪化したからだとか。ウランは核兵器解体で供給が過剰気味。そこで原発燃料への転換・流用をアメリカはねらっています。米の原発再稼動要求はそうした自国内企業の経営支援が強い動機。原発再稼動にはそうした「受け皿」としての裏事情があるわけです。

エネルギー事業展開の設備投資に国が3分の2補助

2014年03月07日 | 検証・電力システム
  中小企業・事業者(会社や事業協同組合など)が「日本再興戦略」が対象としている「環境・エネルギー」「健康・医療」「航空・宇宙」の成長分野に参入して、革新的に取り組む場合、国が設備投資の3分の2を補助(助成)する制度を現在、公募しています。

 認定を受けると、例えば設備投資に3,000万円かかる場合、2,000万円の補助を受けることができます。補助ですから返済の必要はありません。
 太陽光発電、風力発電の分野へ事業展開できるチャンスです。応募期間は第一次が3月14日、第2次5月14日です。
 詳細は「公募要領」をごらんください。

公約無視の再稼働推進 エネ計画政府案

2014年03月06日 | 検証・電力システム
政府は2月25日、原子力関係閣僚会議を開き、エネルギー基本計画の政府案を決定しました。その内容は東京新聞(2014年2月26日)が記者署名記事でていねいに報道しています。そこで記事全文を以下にご紹介します。

東京新聞(2014年2月26日)記事全文
 政府は二十五日、中長期のエネルギー政策の指針となるエネルギー基本計画案を決めた。自民、公明両党が政権に復帰した二〇一二年の衆院選で掲げた「脱原発依存」の公約を無視。逆に、公約にない「重要なベースロード電源」と原発を位置付け、原発の維持・推進方針を明確にした。 (金杉貴雄)
 自民党は衆院選で再稼働には積極的な一方、公約の「政策BANK」のエネルギー項目で「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指す」とし将来的には「脱原発依存」を目指す姿勢を示した。安倍晋三総裁も「原発に依存しない社会をつくる」と訴えていた。
 公明党は期限こそ明示しなかったが、「一年でも五年でも十年でも早く、可能な限り速やかに原発ゼロを目指す」と公約した。
 ところが、基本計画案は原発について「依存度を可能な限り低減」とするにとどまった。どの程度、依存度を減らすのか明らかでなく、自民、公明両党の公約から大きく後退した。
 一方、公約には出てこない専門用語の「ベースロード電源」を国民に説明がないまま持ち出して、原発を「重要電源」として活用する考えが盛り込まれた。
 政府は昨年十二月、基本計画の原案をまとめた。しかし、与党から「党内で積み重ねてきた議論が全く無視され、国民に約束した公約も反映されていない」などと批判が上がったため、一月の予定だった閣議決定を先送りし、年度内の決定を目指している。ただ、今回の案も基本路線は維持されているため、再び批判が出る可能性がある。
◆原発に固執「ベースロード電源」
 政府が二十五日に決めた「エネルギー基本計画」案で、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けた。どういう意味なのか。 (西尾玄司)
 Q ベースロード電源とは。
 A 昼夜を問わず、一日を通して一定量の電力を供給し続ける発電設備のことだ。政府は原発のほか、石炭火力、地熱発電などを挙げている。電気の使用量は夜よりも昼の方が多いなど、時間帯や季節によって変わる。電力会社は変化する需要に確実に対応するため、複数の発電設備を組み合わせて使っている。
 ベースロード電源で足りない分は、発電量の増減が簡単で、需要が最も大きくなる時間帯に使う石油火力発電といった「ピーク電源」などで賄う。
 Q なぜ、原発はベースロード電源なのか。
 A 一度稼働すれば、少なくとも一年間は連続して運転でき、ほかの発電設備に比べて発電コストが安いというのが、政府や電力会社の理屈だ。
 Q 本当に安定していて安いのか。
 A 東京電力福島第一原発事故のような大規模な事故がいったん起きれば、ベースロードとしての役割を果たせなくなることは明らか。現実的な事故対策費や廃炉費用などを加えればコストも安くない。廃棄物の最終処分の立地場所も全く決まっておらず、費用も見通せていない。政府は原発をベースロードと位置付けて再稼働のお墨付きにする狙いがありそうだ。
 Q 原発を使い続けるとする一方で、「原発依存度を可能な限り低減させる」とも書いてある。
 A どう依存度を下げていくのか、具体的な方法や時期などを示していない。将来的に残す原発の数についても非常にあいまいだ。原発の新増設にも含みを残しており、本当に依存度を下げるつもりなのか疑問が残る。
◇基本計画案ポイント
▼原発は重要なベースロード電源。
▼原子力規制委員会が規制基準に適合すると認めた場合、その判断を尊重し原発の再稼働を進める。
▼原発依存度は可能な限り低減。安定供給やコスト低減の観点から、確保の規模を見極める。
▼核燃料サイクルは、再処理やプルサーマルを推進。
▼もんじゅは徹底的な改革を行い、研究計画に示された成果の取りまとめを目指す。
▼再生可能エネルギーは2013年から3年程度導入を最大限加速し、その後も積極推進。
▼福島を再生可能エネルギー産業拠点化。
東京新聞


 「ベースロード電源」という位置づけは原発を未来永劫、稼働させ、新増設も視野に入れたものです。これはどう見ても公約違反。こういうことは絶対認めてはいけないです。

原発から吹く風

2014年03月05日 | 検証・電力システム
   ここで突然ですが福島大震災、福島第一原発の爆発からまもなく3年になります。爆発事故(3月12日~15日)から初めての雨が関東一円が降りました。ちょうど今の時期です。雨が降って数日後の23日、都水道局の金町浄水場(葛飾区)で、水道水1キログラム当たり210ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたと発表。
 都は乳児の基準値100ベクレルを超えているとして、乳児が飲むのを控えるよう求めた。報道を受けて埼玉県でも上水道のヨウ素を検査、乳児の基準値100ベクレルは超えていませんでしたが高い数値でした。

 福島第一原発の放射能が雨と一緒に関東に降り注いだのです。冬、日本の上空はジェット気流と呼ばれる強い偏西風が吹いています。埼玉は福島の西にあります。偏西風は西から東に吹く風です。だから私は福島原発の放射能は、太平洋に流れ、埼玉には「来ない」とたかをくくっていました。ところが関東一円に放射能が降り注いだのです。

 この3月3日も3年前とよく似た気象状況になりました。3日の風向をあらわしたのが国立情報学研究所・北本さんのHP資料です。東南の風が福島から関東に吹いています。この風は大陸高気圧による風です。高気圧の風は等圧線に沿って時計回りに吹きます。一方、低気圧は反時計回りです。そして高気圧と低気圧がせめぎあう前線(接点)で雨雲が発生します。

 しかし夏は南から北への風が吹きます。春夏秋冬の季節がある日本の風向は季節により、さらに台風や前線と低気圧の通る位置関係で風は東西南北、どこからも吹きます。
ようするに、狭い日本、原発事故が発生すると国民は避難できないのです。
 原発再稼動は絶対認めてはいけないのです。原発をやめ、ドイツのように再生可能エネルギーで必要な電力、エネルギーをまかなうようにする。それに全力をあげる国にしなければいけないと思っています。

住宅リフォームは経済を活性化する

2014年03月03日 | 検証・電力システム
   ドイツの住宅省エネ改修に国は2006年から2012年までに112億ユーロを助成。一方、改修に民間は1232億ユーロを使っています。助成1に対し民間は12倍。それだけ国内投資を引き出し、内需経済を活性化しました。

 既存住宅のリフォーム助成はそれだけ効果が大きいです。昔は暮らすことができた家も地球温暖化の進行で外気温が35℃から40℃を超すと風通しをよくしただけでは暮らせません。リフォームすれば快適に暮らすことができます。問題はやはり費用です。

 全国津々浦々でリフォームがやられるとその経済効果は大きいです。日本でもっと既存住宅リフォーム助成がすすむことを願っています。