検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

我が家の近くが震源地だった(連載-番外編)

2012年03月19日 | 原子力発電の再稼働
 3月16日、明け方4時21分、家がドーン、ガタガタと揺れ動きました。震度3強かな?と思いつつ、震源地はまた千葉か茨城、福島辺りか。マグニチュードは?と考えながらウトウト。するとまたグラグラ!
 朝、起きて、気象庁の地震速報を見ると、地震が何度も発生。震源地は川越市新宿(あらじゅく)でした。(上図緑色のかたまり)川越市が震源地とは、驚きました。わたしの家からほんの近くです。
 考えると、日本列島は活断層だらけなんですね。
大きな活断層ばかりに関心・注目が向いていますが地震は注目されていないところでも発生するんだということを改めて、教えられました。

放射性物質の分布状況等に関する調査研究結果-(連載6-6)

2012年03月18日 | 原子力発電の再稼働


 文部科学省は3月13日、昨年6月6日から実施した『放射性物質の分布状況等に関する調査研究』につ
いての報告書を発表しました。
 この報告でチェルノブィリ原発事故との比較もしています。それが上の図表です。
 放射能が半分になる期間(半減期)が30年かかるセシウム137で比較するとチェルノブィリは1700キロメートル離れたノルウェーまで汚染しました。日本は群馬、長野の県境まで広がりました。同報告書は距離で日本はチェルノブイリの7分の1程度だといいます。日本の汚染はチェルノブィリと比較すると規模は小さいといいたいようです。
 しかし放射能汚染は日本で250キロメートルに及んでいます。原発再稼働は原発立地の自治体だけの同意があれば「よし」とするのは許されません。国民投票をすべきです。

国民を守らなかった国・電力会社-(連載6-5)

2012年03月17日 | 原子力発電の再稼働

 
 福島第一原発事故で政府・枝野官房長官は「ただちに健康影響はない」と言い続けるだけでなんら具体的情報を国民に知らせませんでした。
 しかし文部科学省の「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」は放射能拡散を記録していました(上の図)。また気象庁は国際原子力機関(IAEA)の要請に応じて、大気中に放出された有害物質の拡散予測をして、放射能の拡散を把握していました。(下の図)
 これらのデーターは事故後、「資料があるではないか」の外部指摘があって発表しました。折角の情報が避難には生かされることはなかったのです。

 放射能は円形に拡散するのでなく風の方向に流れるのは常識です。正確な情報を知らせなかったため被曝した人が出ました。
 国も電力会社も地元住民、国民を守りませんでした。この事実はとても重いです。そして事故はまだ収束していません。原発建屋からは今も放射能は出ています。(数値が低くなっているだけの話)
 海洋汚染は手つかずの状態です。
 制御できない、除洗できないことがハッキリ分かった原発。廃炉にするのが一番いいのです。

気象庁資料について、下記の但し書きを気象庁は強調しています。
資料を参照する上での注意事項:これらの計算結果は、IAEAの指定する放出条件に基づいて計算したものであり、いわば仮定に基づくものであって、実際に観測された放射線量等は反映されていません。
 当庁の同業務における計算の分解能は100km四方と、避難活動等の判断にとって極めて粗い分解能で行われているものであり、このため、この結果は国内の対策には参考になりません。  

 外国機関から要請があったから作成して送った。国内には黙っていた。国民が大変な状況にあるとき、国民のために「使う」ということはしなかったのです。こういうのって許されないと思います。

日本に原発は地球生命と環境の破壊行為-(連載6-4)

2012年03月16日 | 原子力発電の再稼働

 
 地球は地核変動を繰り返して、隆起したり沈降して地形そのものが変形しています。その活動が「地震」。日本は上図の通り、地球上でもっとも激震地です。その国に原発を建設するのは地球生命と地球環境の破壊行為です。(図出典:上「J-SHIS」下「 中央防災会議報告書資料」

気象を知ると原発事故から逃げる場所はない-(連載6-3)

2012年03月15日 | 原子力発電の再稼働
 上の図はこの3月10日、低気圧が太平洋南岸に近づいた時の風向です。(気象庁HPより作成)
 風が仙台からまっすぐ関東に吹いているのがわかります。
 この時の気象衛星の赤外写真と風のながれです。こうして見ると日本は小さいでしょ! この小さい日本に54基もの原子力発電があります。ひしめきあって林立しているのです。
 この写真は台風をとらえた気象衛星の赤外写真です。台風は反時計回りで回転しながら北上します。このように低気圧や台風来襲時に原発事故と放射能放出が起こると、どこに逃げることもできません。車で避難しようとしても風を振り切って逃げることはできません。
 気象を知ると、原発事故から逃げることは不可能だということがわかります。不安がつきまとう原発は廃炉にするのが一番よいと思いません?


「絶対安全」と言えない原発はいらない-(連載6-2)

2012年03月14日 | 原子力発電の再稼働

 上記表は京大原子炉実験所助教・小出裕章さんの論文からの引用です。原発が恐ろしいのは「絶対安全」はないこと。福島第一原発以降、電力会社」も有識者も「絶対安全」とは言わなくなりました。
 ひとたび事故が発生すると目にみえない、におわない、感じない放射線が風とともに襲い、死にいたるダメージを受けること。しかもそれがセシウムで30年間つづくこと。種類によっては百万年以上つづく恐ろしさです。
 そして誰も責任を取らないことです。福島の事故で東電は実態として倒産です。風評被害を含め、家族と人生、めちゃくちゃにされました。補償も不十分です。自主避難した人などは補償の対象外です。そんな原子力発電はもういらない!
 一人一人がこの声を、自分流に上げることが大事だと思っています。これだけは譲れないものとして!

原発再稼働は国民合意が必要-(連載6の1)

2012年03月13日 | 原子力発電の再稼働

 
 いま、日本には54基の原子力発電があります。この5月に北海道・泊原発が定期検査で停止するとすべての原発が停止します。政府は「電力事情」を理由に地元合意があれば原発再稼働を認める方向です。だが福島第一原発の放射能拡散をみれば地元だけの合意で事をすすめるのは許されないです。

福島第一原発の放射能拡散は文部科学省の調査で広範囲に飛散しました。それをまとめたのが上記の新聞記事(朝日/2011年11月21日)です。
 上図は文部科学省が調査した埼玉県の放射線量です。図左の水色が線量の高い地域です。飛来した時は水道水も汚染値が検出され、乳児の摂取自粛が求められ、大変な騒ぎになりました。その後、お茶からもセシウムが検出され、出荷停止になりました。(棚からなくなったペットボトルの水)
 こうしたことを考えると、原子力発電が立地する自治体だけの合意・了承で再稼働するのは許されません。国民合意が必要です。

電力事業改革の提言(骨子)

2012年03月01日 | 原子力発電の再稼働
 日本の電力を今後どうするのか。改革に下記の議論と取り組みが必要だと考えています。そしてこの問題については逐次、ブローグで発信したいと考えています。しばらくは地球温暖化問題と気象現象を発信します。

電力事業改革の基本方針(案)
 原子力発電所の廃炉、火力発電の依存度を低減
 自然エネルギーを「日本のエネルギー基本計画」の中心に据える
 発電部門と送電部門の分離
 総括原価方式の廃止
 電力自由化の完全実施、電力取引市場の整備・強化

自然エネルギー中心の電力事業を推進するために必要な施策
 自然エネルギー普及計画
  (自然エネ固定買取、技術開発、雇用創出、法整備、予算)
 ピーク電力対策
  (省エネ、高効率、蓄電池、節電、デイマンドレスポンス)
 系統電力対策
  (発送電分離、東西電力の融通、スマートグリッド、地域独立電力系統)
 エネルギー予算・税の見直し
  (電源開発促進税、原発使用済燃料処理費・バックエンド、石油石炭税、環境税)


自然エネがつくる社会の姿

2012年02月24日 | 原子力発電の再稼働

図出典:国交省「世界各国の降水量」

自然エネがつくる社会は経済停滞から抜け出す
 美しい地球を美しいまま、子や孫、未来の子どもたち、地球のすべての生物に渡したい。そのために温室効果ガス排出を抑えなければいけない。
 「日本はエネルギーに乏しい国」という。何をして「乏しい」というのでしょうか。ばくぜんとわかったような気持ちできたように思います。しかし温暖化問題に関心を持ち、勉強すると日本は年間降水量が世界3位だということを知りました。そして写真を撮ったり散歩したりする畑を改めて見ると水路がないことに気づきました。
 水田地帯には水路があるのですが畑地帯には水路はありません。しかし四季折々、さまざまな作物が植えつけられ、収穫しています。日本に降る雨の年間降水量は約1800mmです。この降水量は世界第3位です。(上の図参照)

 川は私たちのすぐそばにあり、山は木でおおわれています。四方を海に取り囲まれています。日本は化石燃料は少ないですが多様な自然エネルギーに恵まれた国です。この自然資源に着目すれば日本は「エネルギー豊かな国」です。
 化石燃料の場合、代金は産油国に行ってしまいます。しかし地域資源を利用すると、お金は地域に落ち、お金の地域循環が起こります。
 自然エネはローテク技術が生かされますから中小企業が参入できる分野です。製造・保守・管理の多様な分野を中小企業がになうことができますから地域に新規企業と新規雇用が生まれます。脱原発、脱火力発電で自然エネルギーに舵をきる社会は内需が増え、国民所得が増えて、経済停滞から抜け出すのです。

 以上は脱原発、脱火力発電がめざす社会の姿です。そこにむけてすすむためには脱原発、脱火力発電になぜ舵を切らないといけないのか。そもそも論をしっかりすることだと思います。
 その素材を提供する気持ちで、第2章「美しい地球を未来に伝えるために」を次回から始めます。


温暖化問題は火力発電問題

2012年02月23日 | 原子力発電の再稼働

図は環境省HPより引用
 気温が上昇すると気象がダイナミックになるのは物理法則にのっとった現象です。その気温上昇をもたらしているのは石炭、石油、天然ガスの化石燃料の燃焼による二酸化炭素の増大です。もしこのまま燃焼をつづければ地球温度は21世紀末までに平均気温が最大で6.4℃上昇するとIPCC報告書(気候変動に関する政府間パネル)は予測しています。

 平均気温の上昇が1.5~2℃を超えると、生物種の20~30%は絶滅の危機に瀕し、2~3℃を超えて上昇すると、毎年洪水被害に遭う人が数百万人にのぼるといわれています。
 そこで強調されているのが2020年までに気温上昇を2℃以内に抑えることです。その場合、二酸化炭素の濃度を445~490ppm(2005年379 ppm)にする必要があります。これを実現するために火力発電の抑制が大きな課題になっています。

 日本では電力10社の火力発電から出る二酸化炭素の排出量は全体の33%(2009年)を占めます(図の38%は熱事業者など5%を含んだ数値)。
 一気とはいきませんが計画的に減らす取り組みに着手することが大変重要なのです。排出源が10社と限られているので集中対策がとりやすい。問題は国と電力会社のやる気。やらせるのは国民の声、世論だと思っています。