「このグラフは、少し古いが」といって貝田がファイルから取り出したのは「人工林の歳級別面積」をグラフにしたものだった。(上記)
齢級とは木の成長を5年ごとに区分したもので1齢級は1~5年生の木で10齢級であれば46~50年生の木になる。
「日本の森林はこのグラフの通り、8~10歳級で植林全体の46%を占めています。木材は10 齢級以上で可能です。全国の山がその時期にきているわけです」
「日本の植林は、昭和20年代後半から40年代にかけて、盛んに行われたから、いっせいに伐採の時期にきている」と公平が珍しく口を開いた。貝田は公平の言葉が終わらないうちに「この占部でも事情は同じで、昭和25年から伐採と植林が行われた」と言葉をつないだ。
「その木が伐採時期にきたわけですね」と将太はうけてきいた。
「そうです。全国いっせいにそんな状態」
「完全に供給過剰状態」
「そうです」
「木材価格は?」
「それは」と貝田はファイルをめくり、別の資料を取り出した。
齢級とは木の成長を5年ごとに区分したもので1齢級は1~5年生の木で10齢級であれば46~50年生の木になる。
「日本の森林はこのグラフの通り、8~10歳級で植林全体の46%を占めています。木材は10 齢級以上で可能です。全国の山がその時期にきているわけです」
「日本の植林は、昭和20年代後半から40年代にかけて、盛んに行われたから、いっせいに伐採の時期にきている」と公平が珍しく口を開いた。貝田は公平の言葉が終わらないうちに「この占部でも事情は同じで、昭和25年から伐採と植林が行われた」と言葉をつないだ。
「その木が伐採時期にきたわけですね」と将太はうけてきいた。
「そうです。全国いっせいにそんな状態」
「完全に供給過剰状態」
「そうです」
「木材価格は?」
「それは」と貝田はファイルをめくり、別の資料を取り出した。