図書館で借りてきました
住井 すゑさんのエッセイ
「いのちに始まる」
中学生の頃に 「橋のない川」で衝撃を受けて以来の
ご対面です。この本も「差別」「人間」についてするどく
言及していました。
心に残る文章がたくさんあったので、メモに残しておきます。
●人間が平等であるという証拠はいくらでもあると言いましたが
どんな人間もサルから進化したということでも
証明することができます。
●その人間が賤しいかどうかなど、科学的に証明できないんです。
●区別と差別を混同してはいけません
●宗教が哲学からはずれてしまったら、もうそれは
迷信になってしまっていると思うんです。
●今の日本の政治家に必要なのは哲学だと思っています。
動物と人間の違いは哲学があるかどうかです。
哲学がない人は、まだ動物的段階ですから
政治をするのは人間になってからにしていただきたい。
●最近の政治家の中には、人間の言うべきことじゃないような
ことを言う人がいますが、あれはつまり頭が悪いんです。
進歩していないというべきかもしれません。
●ところで、人間というのは、ある一部分をもって、
それを磨いたら秀才になるとか、鋭い感覚を得るというふうに
とらえがちですが、一部ではなく、人間全体を包んでいるものは
何かということが大事なんですね。
普段は、あまり深く物を考えて暮らしていないし、
大体、いろいろなことを考えるようになったのが
ここ10年くらいのことなので、このようなエッセイを
読むと、頭の中を根こそぎひっくり返されたような気が
します。
そんな私でも、「哲学の無い政治家は動物的段階」
「宗教と迷信」など、ホントそうだよなあと
思います。この件はオウムにも言及していて
「どんなに科学的な技術を持っていたとしても
科学的に考える頭がなければだまされてしまう」と
ありました。
今更遅きに失した感はありますが、今後の座右の銘に
したいと思いました。