日本企業の不祥事の多くは、「感性」が鈍っているか、Speak up する「勇気」が足りないか、のいずれか。または両方。
「感性」を磨かねばならない。会社の「常識」と考えられているものに、異を唱える感性。正義を相対化する感性。違和感を大事にする。ひっかかりをスルーしない。
じゃあどうやって「感性」を磨くか。
「非日常」を味わう。非日常的な状態に身を置く。
非日常って、以下の3つでしか顕れない。
- 場所
- 人
- モノ
■ 場所
非日常的な「場所」に行く。旅に出るとか。ちょっと違和感・抵抗感を感じる場所に行くとか。例えば:
- 能とか観たことないのに、能楽堂に行く。
- クラシック音楽が好きでもないのにコンサートに行く。
- 落語詳しくないのに寄席に行く。
- サッカー好きではないけどサッカー場に行く。
- たいして好きでもないアーティストのコンサートに行く。
- 茶道の意味わかんないけど、茶道体験をする。
- 山登りしたことないけど、山に登る。
- 絵とかアートとか興味ないけど、箱根の美術館巡りをする。
以上が、非日常的な場所に身を置く参考例。
■ 人
非日常的な「人」に会う。例えば:
- 会社以外の人脈を広げる。
- 仕事に繋がらない人と多く交わる。
- 趣味を広げる。ヨガ、武道、楽器演奏、絵画、長唄、、、
- 地元のお祭に参加する。
- 地域の掃除イベントとかに出てみる。
- 異業種交流会に参加する。
- 同窓会を企画する。
- 本を読んで感動したら著者に手紙を出して会いに行く。
- 旧友に久しぶりに連絡してみる。
- 恩師に電話してみる。
- 先輩に会いに行く。
- しばらく連絡を取っていない親や親戚と会う
- 若手を「ヤングメンター」に任命して、奢りがてら、いろいろ教えてもらう
これらが、非日常的な「人」に会う工夫。挙げれば結構あるもんですね。
■ モノ
以上でほとんどが非日常的な状況に接することになるのですが、ダメ押しで。
非日常的な「モノ」に接する。要するに、
(1) 目に入るモノ
(2) 耳に入るモノ(音楽)
(3) 口に入るモノ(飲食物)
(4) 鼻に入るモノ(匂い)
(5) 手に触れるモノ
を変えるってことですね。
例えば:
- 週に一度は本屋に足を運ぶ
- 季節に一度は大きな本屋に行く
- 勧められた本は全部買う
- 昔のHonzとかこちらとか、本のまとめサイトを見る
- コンビニで普段買わないお菓子を食べる
- 普段いかないコンビニ・スーパーに行く
- 勧められた本は全部買う
- 月に一度は映画を観る
- 「とりあえずビール」ではなく別のものを飲む
- グルメの友人と美味しい店に食べに行く
- ネクタイ、靴、シャツ、スーツの種類を変える
- たまに引っ越す
- 思い切って雑誌を定期購読する
- 定期購読していない新聞を買って読む
- 香水を変える
- 髪型を変える
ってことですね。
この、場所・人・モノで「非日常」を味わうと、感性が磨かれる。少なくとも鈍麻・麻痺しなくなる。
端的には、感性を磨くための、非日常に触れる仕組みとして、
- 季節に一回旅に出て、
- 月に一回は映画を観て、
- 週に一回は本屋に行く
ってのがわかりやすくていいと思いますが、いかがでしょうか!
これが、組織の、いい「遠心力」になる。
組織には、非日常的な体験で磨かれた「感性」から来る遠心力(定性的なベクトル)と、組織目的達成のための求心力(定量的なベクトル)の、バランスが重要。
他に、感性を研ぎ澄ますための、いい例あったら教えて下さいませ!