カレーなる隣人

カレー(華麗)なる隣人。それは日々街の至るところで出会ってしまう、すくうカレースプーンの先に映る人間像

於:デリー(ミッドタウン)

2007年11月28日 | 隣人(カレー)
やっとこ初めてやってきた「東京ミッドタウン」
「ミッド」ってどんな意味?ミッドナイトとかあるとおり、「深い」とか「真ん中」って意味なのだろう。
「東京の真ん中」って意味かもしれないけど、私にとっては「深い」ってニュアンスだなぁ。
だって、やっぱり六本木って電車で行くのに不便なんだもの。
そういえば、先日カレーディナーに誘った大学の同級生に、ミッドタウンは拒否られたような記憶がある。

今日は、Uさんと待ち合わせでミッドタウンにやってきた。
私の勝手で、デリーでのランチミーティング。

Uさんは、私の勝手な想像によると「カレー好き」。
どのくらいのカレー好きか十分に話を伺おうと思っていたら、帰って回答は「実はあまり外でカレーを食べるのは少ないほうなんですよ」と意外な回答が。

Uさんは所謂ホームカレー派だった。
「カレーは家で食べるもの」「カレーは家庭の味が一番」という、日本列島を覆っているカレー低気圧である。
しかし、そんなUさんに新たなカレーの楽しみを拓いてくれたのが、どこかで食べたインドカレー、そして中でも「ナン」に開眼したらしい。今ほどインドレストランが多くなかった時代、ナンでカレーを食べるのはとても新鮮だったと語ってくれた。


さて、その昔青年海外協力隊に参加したくて、比較的手が出そうな「栄養士資格」も所持しているUさんから逆に紹介されたのが、
「行田フライ」

行田フライと聞いてわかる人は、B級グルメかなりの通といっていいかも。

奥さんの出身が行田市であるUさんは、その昔結婚する前に奥さんの実家に行って、お義母さんから「フライでも食べる?」と言われ、「はい」と言って出てきたのが、この「行田フライ」でびっくりしたらしい。

行田フライとは、昔足袋の生産地であった行田の女性も含めた職人達が簡単に食べられるように、考案されたファーストフードと言えるだろう。簡単に言うと「具のないお好み焼き」(Uさん談)。

フライと聞いて、お好み焼きが出てきたのだからびっくりするだろう。
しかも具が何にも入っていないので、「彼女の家も貧乏なんだなあ」と心の中で思ったらしい。
それをそっと奥さんに言ってみると、「何言ってんの?フライってのはこういうものなの」と教えてもらった笑い話も披露してくれた。

今は、行田市が「行田フライ」で町おこしができるよう、その活動の支援もしているらしい。

私が偶然昔お客様があった熊谷でフライを食べたことがあることを知ったUさんは、「あなたは貴重な存在だ」ということで、「行田フライ普及委員認定書」を頂いてしまった。

私も謹んで普及委員として、行田フライが、飛ぶ(フライ)ように売れる日を願っています。


★Aセット 1000円+100円(バターチキン)

於:ダルマサーガラ

2007年11月26日 | 隣人(カレー)
僕らのテーブルの両隣が「ドーサ」を注文した。

ドーサとは、インドの巨大なクレープのようなもんだ。たぶん。

とにかくお皿をはみ出すほど大きいので、とっても見栄えがいい。

見ていると思わず注文したくなってしまう。


そんな視線で我々は、隣のインド人が食べる様を凝視していた。
とりわけ私の頭の中では、
「インド人は一体あの大きな食べ物をどうやって食べるのだろう?きっと、とても合理的で、かっこいい食べ方があるに違いない。どうフォークとナイフを使いこなすのか?俺もこの機にそれを学んで、今度知らない奴に『本場じゃこうやって食べるんだよ』とうんちく垂れよう」かと、じっと見守ったのである。その彼がドーサに手をつける瞬間を。

そしてついにその瞬間が訪れた。

「ブチッ」

私は一瞬目を疑った。この今の今までの私の期待はどうなるのかと。

そう、彼はそのドーサを無造作に手でちぎり、カレーに浸して食べたのであった。

なんと単純。そうくるかい。


本場インド人がそんな技でくるとしたら、もう片方の机で同じドーサを食っているこ洒落た髭の男性が、こまめにフォーク、ナイフでせせこましく食べているのは一体なんなんだ。こいつはどこで学んだんだろう?かぶれやすい日本人っぽいと言えばそんな感じだ。
スプーンを使ってパスタを食べたり、紹興酒に砂糖を入れて飲むといった本場ではされてない風習をあたかも通であるかのように振舞うあれあれ。

「ドーサはざっくり手でちぎって食べましょう」


さて、今日の隣人はOさんだった。
大学の同級生。年に1、2回会っては、簡単な情報交換をしている。
なんでも今転職を考えているらしく、現在のコンサルティング会社 ⇒ 実業の会社 ⇒ 再びコンサルティング会社 という超ストラテジーな人生設計に脱帽、尊敬しました。
頑張ってね。


★ミールスBセット ベジタブル 2300円

於:デリー(松山市駅)

2007年11月26日 | 隣人(カレー)
砥部焼の里を見学してきました。

松山市駅に戻り、地下街にあるデリーに向かうと、

カウンターカレーなのに親子3人組がいた。


カレー界の地殻変動は確実に進んでいる。

よもや、カウンターカレーで親子3人仲睦まじい光景を、
ここ松山で見てしまうとは!

断っておきますが私は松山好きです。
東京とかとは違う暖かい家族の触れ合いを地方都市では見たいというのは私の勝手極まる願望だと思いますが。

でもカウンターカレーで、親子づれはショック、改めてショック!

そして第二弾!

「ボク、トンカツ」

子供が「トッピング」を頼んでいる。

子供が食べる家のカレーとはそもそも、じゃがいも、人参、玉ねぎのゴールデンセットが紡ぎだす味と栄養の多重奏に、よそもんが入り込んでくる余地はなかったはずだ。

それが、
子供が当たり前のようにトッピングをしている。
これを由々しき事態だと考える私はおかしいのか!?


かくいう私もメンチとかのっけてたりして・・・


★メンチカツカレー 650円

於:スパイス(秋葉原)

2007年11月21日 | 隣人(カレー)
会社で通称「夢プロジェクト」を進行させている。


今朝、
そのミーティングに向けて作った詩がある。




一人ひとりが持っている

ケータイ電話のように持ち歩こう

そして、あなたの心の指先が何か手ごたえを感じたら

さっそくペンをとってみよう

さあ、夢に日付を!





企画について、夢について、ちょっと恥ずかしいような話を語っている
その仲間が今私にとって一番近い隣人かもしれない。




★薬膳カレー 800円

於:バーグ

2007年11月17日 | 隣人(カレー)
やっぱりこの店すげー!
久しぶりに来たけど、やっぱりすげー!

何がすごいって?
昔からそうなんだけど、一番商品が超明確!
カレーの上に大量の豚肉ピリカラ炒めがのったスタミナカレーが看板商品で、お客のほとんどがこれを注文するだろう。
そして、今回感じたのは「提供の早さ」
私は上記のように一番商品が明確なため、そのスタミナカレーの目的来店だったのでメニュー表も見ずに注文した。そのため、他にどんなメニューがあるのかな?と注文後にメニュー表を開いた瞬間、「はい、お待ち!」とスタミナーカレーが出てきた。
思わず開けかけたメニュー表を閉じるしかない。
そのくらいのスピードだった。
カレー店にとっては回転率は命、とりわけ一番商品の提供スピードを上げることは、その店の利益に直結する。しかも、一番商品だけに手は抜けない。このスタミナカレーも豚肉炒めは事前に下処理がしてあるとはいえ、しっかり一皿ずつ炒めてから提供しているのである。
そのうえでこのスピードだったのだ。

カレーを食べていると、松葉杖をついた隣人が入ってきた。
快くテーブル席を開放した店員もなかなかナイス判断でないかい。

松葉杖をついてでも食べに来たくなるカレー。

それが「バーグ」のスタミナカレー。
そして定番中の定番が、そのスタミナカレーに生卵を落とした「スタミナナマ」

あなたも是非注文してみよう「スタミナナマ!」


★スタミナ生 720円

於:チャオカリー

2007年11月14日 | 隣人(カレー)
折り目正しく正確無比!

今日は、一緒に今月の会議の司会をやるFと打合せをした後、カレーを食べにいくことになった。
なんとなく最近粗食なような気がする私は、栄養たっぷり夢民カレーにターゲットを決めた。
Fと会社から夢民神田店に向かって歩くこと10数分。

角を曲がるとあるはずの「夢民カレー」の看板がなく、
目に入ったのは、
「炒カレー(漢字)」の看板だった。

「まさか、つぶれてしまったのか?」と焦った私だったが、
落ち着いてメニューを見ると、夢民カレーがそのまま残っている。
念のため、外にいた店員に尋ねてみる。
「お店変わったんですね?」
「いえ、店名だけです。中身は全く一緒です。」
折り目正しい返答であった。

たしかにその通りなんだろうとは思ったけど、
「全く一緒です」が気になった。
店舗名を変えるということは大きな意味があるはずだ。オーナーにとっても、店舗にとっても、お客さん、夢民ファンにとっても。
「全く一緒なら、どうして店舗名を変えたのだろうか?」
そこを知りたくなってしまうのが、天邪鬼な私の傾向であるが、今回はそれ以上聞かなかった。

さて、Fは定番の夢民カレー、私は新しいキーマカレーの注文も終わり、店内を眺めていると、壁にかけられた大きな絵画が以前と異なっていることに私は気づいた。

「全く一緒です」
に反抗するつもりはなかったが、
「あの絵変わりましたよね?」と聞いてみた。

すると、
「あの絵は改装する前に変わったのです、正確には」
という回答だった。

つまり、結果「全く一緒」だということになる。

別に私の勝ちでも負けでもない。
ただちょっと、店員さんが折り目正しい正確無比な嘘の言えない性格だったのだろう。



★じゃがいもときのこのドライカレー950円

於:カンテ

2007年11月14日 | 隣人(カレー)
きっと違うと思うけど、店内に入ると、津川雅彦似のおじさんがいた。


30代も半ばにかかってくると、いろいろ考えることも出てくる。

30代前半は、いろいろ体の変化とかを話していた。
まだまだ若いとは思いながらも、白髪が出てきたり、「白髪も髪の毛ならまだいいけど、胸毛とか鼻毛に出てくるとショックだよなー」と友人と笑い話で話していた。
でも、このころはまだ体の部分部分の話。

でもって、30代も半ばになると、そんな体の部分部分の話が、なんだか体全体の話になってくる気がする。
体調が慢性的にしんどいときもあるし、白髪も増えて疲れた顔を鏡で見ると女性でなくても、どっと「老けた~」と自分で思ってしまうときもある。
そして友人と話している中に、「死」が出てくる。
つまり、「死を意識し出す」ということである。
昔の人生は70年、35歳でその半分に来てしまったという感傷にふけるのだ。
そのため、人生の目的、自分の役割なんてものも自然と考えてしまう。



さて、冒頭の津川雅彦とどう関わってくるかというと、
津川雅彦さんはじめ、初老の俳優にはかっこいい人が多いということである。
かっこいい歳のとり方をして、自分もああいう老人になりたいなと考えてしまうのである。


★チキンカレー 大盛 1050円

於:トプカ

2007年11月04日 | 隣人(カレー)
「なんで今の子供は、こんな食材知ってるんだ?」


やっぱり有名店は違うなー。
土日は会社が休みでめっきり人通りが少ない淡路町でも、トプカには結構なお客さんが入っている。
しかも今日の隣人は家族連れ。
3人の子供を連れた5人ファミリーがカレーを注文している。
その子供のうちの一人が言った。
「僕、牛スジカレー」

牛スジ、おいおい、なんで10歳やそこらの子供が当たり前に牛スジ頼んでんだ?
「ねえねえ、お父さん、牛スジって何?」だろ、普通。
俺なんか、牛スジ知ったのいつだろう?やっと外のおでん屋さんで食べることができるようになった20代も結構過ぎてからのような気がする。
私は牛スジは大好きなんだけど、ちょっとした恐れを持っている。ひょっとして固かったらどうしようとか、予想以上にコラーゲンがトロトロすぎて気持ち悪かったらどうしようとか。これは大人の冷静な分析(私)だが、もともと「牛スジ」って響きにリスキーな響き?得体のしれなさ?を私は併せ持っていて、それでいてまた牛スジを愛しているのだが・・・

かの子供達には、そんな複雑な気持ちは微塵も感じられなかった。
まるで「ハンバーグ」を頼むような、自然に牛スジを頼んでいた。

俺も近いうちい狙ってやるぜ、トプカの牛スジカレー。


さて、私の今日の狙いは「キーマカレー」
汁気の少ない挽肉の炒めもの状のカレーに、さっぱりしたダルカレーがかけられたパク森のような二段式カレー。これが朝から私の頭に浮んで、そして消えない・・・

キーマのほうは、挽肉独自の濃厚さがあるものの、やっぱりインド風を貫きミートソースのような甘みはない。しっかりスパイシーに硬派に仕上がっています。
そしてダルカレーのほうは、それこそ豆のスープのようなうすーい味で香草の爽やかさがかなり目立つ、これまたクセのあるカレーに仕上がっています。

うまい、うまい。

そんなことを思いながら無事完食。
店を出ようとテーブルを立ったときに厨房から聞こえてきた謎の言葉。
「インドスペシャル、ちょっと待って。あとポークのせるから」
なんだ、なんだ、インドスペシャルって???
興味津々。

今日で今週4日目、
しかし、奥の深いトプカのカレーに通う日々はまだ続きそうである。

★キーマカレー 850円