カレーなる隣人

カレー(華麗)なる隣人。それは日々街の至るところで出会ってしまう、すくうカレースプーンの先に映る人間像

於:あっぷわーど

2007年04月30日 | 隣人(カレー)
「店内テレビは誰のもの?」


今日は相模川にかかる約1200匹の鯉のぼりを見てきた。
たまに写真展で見かけていた景色だが、実際に自分の目で見るのは初めてだ。
なんでも昭和63年から始まった催しのようで100人以上のボランティアが協力して実行しているという。
風を受けて雄大になびく鯉のぼりたちは、ほんとに空をバックに泳いでいるようで、昔の人は本当にすごいものを考えたなーと思う。

さて、その帰り適当に最寄り駅行きのバスに乗る。このあたりは自分でもよくわからないが、相模原駅とか橋本駅とか古淵駅、淵野辺駅行きなんかのバスが入り混じって走っている。なんでもいいから横浜線の駅に着けばいいやと乗ったバスは橋本駅行きだった。ならば、ということで早速橋本のカレー屋を携帯でチェックする。

最近よく使っている検索エンジンは「携帯用のR25」だ。
ヤフー携帯やグーグルだとパソコン用やイマイチなページが出てくることが多いからだ。その点「R25」は、カテゴリーや電話帳登録に分類されて出てくるので使い勝手がいいときが多い。

今日は「橋本駅 カレー」で検索すると、飲食店の分類で何店舗か出てきた。
1店目は駅前サティの隣のビル1Fにあることになっているが、歩いても見当たらない。ビルの案内板にはそのカレー屋が載っているものと載っていないものがある。なんともいい加減である。念のため電話してみると「この電話番号はただいま使われておりません」だってー。マジ消えてしまったようだ。

続いて2店目は北口から歩いて5分としない場所にある「あっぷろーど」に決めた。(というか、駅近はそれしかない。)R25の説明には、「洋食/専門学校」と書いてある。まさかカレーがないなんて最悪な事態を回避するため、そしてその後ろについている「専門学校」という意味不明な不安を打ち消すため、徒歩で向かってもわずか5分の距離だが電話をしてみた。

私の第一声は単刀直入。
「そちらはカレー屋ですか?」
質問は核心をつかなければいけないのである。まわりくどいことを言っていてはいけない。失礼は百も承知である。

お店の人は少し不愉快そうに間を置いて、
「そうですが、なにか」
と答えた。
「おー、これでくたびれ損はない。カレーがあることが確認できたのである」
「今から行きますんで。プス」
と電話を切る。

予定通り携帯地図の指し示した場所に向かうと、あった、あった、カレー屋が。
正式な店名は「カレーステーション あっぷろーど」であった。
カレーステーションに「そちらはカレー屋ですか?」と聞いてしまった自分を改めて後悔する。ちと反省。「だって、専門学校とか書いてあるんだもん・・」

店長は洋食のコックあがりだろうか。きちんと白いコック服を着ている。
しかし、店は明らかにスタンドカレー屋、そして名物カレーは「石焼カレー」だった。しかし私は石焼カレー反対派である。
それは、提供するお店側は、鍋を高温に温めたり、ご飯のこげがついたりと手間ばかりが増え、一方食べる側も異様に熱いカレーをどう食べたらいいのか?一向に冷めないカレーを目の前に私は憤りを覚えたことも何度かある。そもそも、これらの手間によってカレーが美味しくなるのかどうかが理解できておらず、単なる韓流やら石焼ブームにのっかった感が否めないのである。あと火傷のリスクもあるしね。

しかし、やっぱりお店の一押し商品を食べる定めの私は、
「石焼カレー」を注文した。しかし多少の抵抗を試みて、具はメインのポークではなくホタテにしてみた。

さて、やはり調理の過程を見てみると、鍋を高温に温めるところから始まりオペレーションは大変そうである。カレーが熱いためにお客様の回転率も落ちるであろうから、ランチ時はどうするのだろうか?と思ってしまう。

そして出てきた「石焼ホタテカレー」
カレーの上には生卵に加え、ココナッツの白い粉が振り掛けられていた。

かき混ぜてみても、カレーの温度は下がらない。
猫舌気味の私は、自然ゆっくりと店内にあるテレビを見ながらの食事となる。


ここで、最初にテレビのある飲食店というものを整理しておきたい。

①まず業態にもよるが、客単価800円か900円あたりにひとつラインがあるような気がする。つまり800円、900円以下であるとテレビがあるが、それ以上になるとテレビがないという傾向がある。

②さらに、そのテレビがホールにおいてあるか、厨房にあるか?

③ホールのテレビでも顧客にリモコン権があるかどうか?

こんな点をいろいろ考えてみると、
「一体お店のテレビは誰のもの?」
という命題が現れるのは私くらいであろうか?


もちろんテレビの所有権自体はお店のものに決まっている。
そして厨房内にあって、主人がフライパンを振りながらテレビを見ているような店はお店というより主人のもの。一方で先日見かけた定食屋では昼から近所の常連が集って、競馬の天皇賞の観戦にいそしんでいるような場合はお客のもの。という感じがするである。

ここ あっぷわーど は厨房内にあったからもっぱら主人の暇つぶし用だろう。
でもカウンターに座る我々には必然的に映像と音声が入ってきて鑑賞してしまうわけである。そして洗い物が終わった主人の気まぐれで「ピっ」とチャンネルが変わってしまう。この状況は一体どうしたらいいのだろうか?

「店内テレビは一体誰のもの?」

皆さんも一度真剣に考えてもらいたい。

これを考えるととき、私の頭の中には大真面目な「会社は一体誰のもの?」というテーマがオーバーラップする。株主?従業員?やっぱり会社のもの?
所有はしれおらず明らかに弱い立場にある従業員の立場がなんともこの命題とかぶってしまうのは私だけだろうか?そしてこうした割り切れない問題が世の中にはたくさん存在するのである。





於:餃子の王将

2007年04月27日 | 隣人(カレー)
無知は恐怖である。

無知は軽く一線を飛び越える。

しかしそんな無知ゆえの行動が進化には必要なのかもしれない。




「イーガーコーテー」
これを聞いただけで、何だかわかる人は相当の王将ファンに違いない。
「イーガーコーテー」これは、王将の看板メニューの注文が入ると店内に響く音である。
正確には「餃子一丁という厨房へのオーダー通し」である。
その昔、京都で学生時代を送っていた時分は、よく、少なくとも週に2回くらいは王将に行って飯を食べながら、明らかに日本語でなく意味不明だったこれらの「王将語」を好んで聞いていた。
ちなみに「餃子二丁はリャンガーコーテー」。
そのうち、音とメニューの組み合わせを認知して、俺も少しづつ王将語を習得していったものだった。
しかしそれから数年後、私は本場中国にてこれらの王将語が丸っきり通じないことも改めて知った。

さて、話は学生時代に戻そう。
その昔、我々京都の学生には、「王将に行けども、ラーメンだけは頼んだらアカン」という暗黙の了解があった。2玉でも同料金の王将ラーメンを頼んでいる奴がいると、「お前それやばいって」という感じで、特に理由は明確には言えないんだけど非難轟々だった。それが暗黙の了解というやつなのだろう。

さて、今日は王将福知山店で、私が注文した「チャイナカレー」(チャーハンとカレーのコラボ商品)を待っていると、先に後輩Mのメニューが運ばれてきた。

しかし、それが「ラーメン」だったのだ!!!!

きっと私が「餃子とから揚げのゴールデンコンビないの?」と店員に聞いたりしながら、壁に貼ってある「王将カレー」のメニューの数々を見比べていたときの「一瞬の隙をついて」注文してしまったのだろう。

上述の通り、私の辞書には「王将でラーメン」という選択肢はおろか思想のかけらもない。
私はMに怒りこそないものの、なぜか一抹の失望感を感じるとともに、
しかし、その行為に対し「あっさりやってくれたMよ、お前は無知ゆえの貴重な行動をしてくれた」という感謝も感じていた。
たしかに、王将のラーメンも昔より改良され、特にMが注文していたのはこってり豚骨味でなかなかうまそうであったからだ。


単純に食べたかったラーメンを注文したMは、
勝手に私の中で「隙をついて注文した」ことにされているし、なにより「無知」の烙印を押されている。こんな自己中な隣人は、それはそれで困るなと我ながら思う。

於:スープストックトーキョー

2007年04月25日 | 隣人(カレー)
新人発見!!

店内でカレーを食っていると、「発見」というより、強制的に飛び込んできた。

「チィース!! リクルートの○○と申しますが、店長様はいらっしゃいますでしょうか?こちらのエリアの担当になりましたのでご挨拶に参りました」

おー、これがリクルートの営業の基礎を叩き込む名物新人特訓かーと思った。
彼らはエリアの地図を渡され、とにかくその地域の会社に飛び込んでいく。ビルを上層階からチェックしていくことを通称「ビル崩し」と聞いたこともある。

かなりの確率で断られるであろう彼の特攻も案の定一蹴され、そして彼はまたどこともなく走り去っていった。「あれ、隣の店舗は?」と思った。が、彼は走り去っていた。

ここは地下の飲食街、春の日差しも差していなければ、桜も見当たらない。

しかし、たしかに春めいたフレッシュマンの風を残していった。

そういえば私もあったなー、たぶん、そんな時代。

就職氷河期と言われた1996年の就職戦線、時代はバブル後の低迷時代の真っ最中、しかしそんな時代を嘆いても意味がないと普通に思い、せめて就職活動中の自分が会社にアピールできるのは「元気」ぐらいだと。

うちの会社にも今月に新人が入ってきた。
そのうちの一人は「がむしゃら」を愛用している。
とっても青臭い言葉だなーと心配しながら、一方で大切にしてやりたいなと思うオッサンさんの自分がいる。

於:サモサ

2007年04月23日 | 隣人(カレー)
うーん、70点


店に入ってくるなり、ビールとパパド(インドのまめのせんべい)で一杯始めている。渋い。

次に運ばれてきた代物も、サモサと言われるジャガイモをまるめたものを揚げ餃子のように包んだ一般人には馴染みの薄い料理だ。

さらにこの隣人は、B4の資料縦印刷のチェックを始めた。
B4 これは私の中ではかなり中途半端な厄介もので、いつも印刷するときはA3に拡大するかA4に縮小してしまう。しかもB4であっても横の場合が多く縦でみることなんて滅多にない。

ビール+付き出しパパド、メインサモサ、B4縦

以上の点からこのオヤジは相当渋いと見た。
なかなか真似しようとしても真似できない組み合わせであり、狭い店内でカレーを1種類にしようとか2種類にしようとか迷っているサラリーマン達、マンゴーラッシー飲んじゃう?なんて言っている女性達、彼らとは確実に一線を画していた。
そんな彼に尊敬の念を抱いて見ていた矢先。


彼の机にタンドリーチキンが運ばれてきた。
タンドリーチキン?
超メジャーじゃん!

100点に近かった私の彼に対する評価は70点あまりに急降下してしまったのであった。もちろん迷惑極まりない独断と偏見のおせっかいである。

於:自宅

2007年04月22日 | 隣人(カレー)
以前松山駅で購入した「二日目カレー CD付き」
は思ったよりも黒かった。

その味をお伝えすることはできませんが、
CDの歌詞をご堪能下さい。

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♪二日目カレー

今日のご飯はカレーライスだ
ママが作ったカレーライスだ
パパとママと僕で並んで食べる
3つ並べてカレーライスだぞ
おかわりがしたい、だけど
今日はなんだかよしておこうか
ママが少し怒っている
パパに少し怒っている
僕が寝る頃始まった
パパとママが喧嘩してる
僕は何も言わないよ
大人には大人の事情があるから

二日目カレーが美味いのは
一緒に修羅場をくぐってきたから
二日目カレーが美味いのは
昨日よりも大人だから

二日目カレー、継続カレー
持ち越しカレー、リベンジカレー
ママと僕で食べる二日目カレー

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■作詞・作曲 マジンガー69
■販売 株式会社ゆうゆう88 

於:アジャンタ

2007年04月21日 | 隣人(カレー)
深夜3時、この時間にやっているカレー屋といえばそう、

アジャンタ

しかありません。

しかもなぜかいつもここに来るメンバーは同じ人です。

先輩のAさん。

アルコールがエネルギー源だということを体現するAさん、これが冗談でなく真実ではないかとここ最近の暴飲+不睡眠を見ていると信じてしまいそうになる私です。


あー、Aさんがアジャンタのおじさんと何かしゃべっている。

これが開業時の社長で、こちらが息子さんです・・・

なるほど。

しかし眠い。あー眠い。

zzzzz・・・

あ、寝てしまった。

なんだ、これは?

マンゴーピクルス?

とりあえず食ってみるか。(完全に自分自身寝ぼけてます)


うぅ、これ塩辛えー、胃に堪えるぅー

って、また寝よう。


そんなこんなで、バターチキン少しと異様に塩辛いマンゴーピクルスの記憶しかないアジャンタでの深夜カレーでした。

(*アジャンタは24時間営業から今はだいたい4時か5時くらいに一旦閉店して7時にオープンするようにしているそうです。)

帰りは市ヶ谷駅まで歩き、

始発電車を待つ間、ホームから釣堀に向かって、
大声で「さくら独唱」
を唄う二人。

これもまた気持ちのいいものです。

しかしほんとに眠かった。

於:フォーシーズン徳島

2007年04月18日 | 隣人(カレー)
さっきまで大阪で飲んでいた大阪事務所所属のHさんへ


「プロポーズ成功おめでとうございます!!!

うちの会社は東京所属だろうと大阪所属だろうと、意気投合すれば勝手にそこから仕事を始められる。
そんなノリで私とHさんで春から始めた企画の打ち合わせの最中、Hさんから聞けたんです、この超ハッピー情報が!






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時は3日前、

土曜日深夜3時、

寝ていた私の頭上にふとあるものが降ってきた。

反射的だった。

次の瞬間隣で寝ていた彼女に言ってしまった。




「結婚しよう」





そんな突然のプロポーズに彼女は驚くばかりか、

涙を流していた。

そんな彼女を見たとき

体の底から湧き上がる感情によって自分自身が改めて知った。

「これは僕の本当の心だと」


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Hさん、本当におめでとう!
また次の段取りが決まったら教えてね。


それに比し寂しい隣人は、
深夜に着いた徳島のビジネスホテルにてカレーラーメンをすすっている。

「このスープ意外とうめえぞぉ」


於:肥後橋南蛮亭

2007年04月17日 | 隣人(カレー)
店内に入ると入口近くの四角いカウンターにカレーを食っている男達がまとめられている。
見栄えの悪いひとり男性客を、そしてにおいのきついカレーを遠ざけているかのような、なんだか姥捨て山に似た光景に憤りを感じるも、店の奥に進むと全くの誤解であったことがわかった。
店奥には実に多くのカレー客がいたのである。
はっきりいって半分以上カレー屋である。

ここ南蛮亭は焼き鳥居酒屋。しかしそのランチカレーにかける気合は半端じゃない。完全に店の命運を掛けた戦略メニューとして位置づけられ徹底的なこだわりがある

★チキンカレー 750円
まずかなり辛いです。メニューにも「当店のカレーはかなり辛口に仕上げてあります。苦手な方はご遠慮ください」と書かれている上、丁寧に「かなり」のところに赤線まで引かれている。さらに前払いのレジでは「かなり辛口ですが大丈夫ですか」と確認するほどの念の入れようである。実際その真っ赤なチキンキーマカレーは辛いもの好きな私にとっても結構辛く、となりにかけられたココナッツミルク入りホワイトソースを口直しに食べたり混ぜてみても、口の中は既にもう相当にっちもさっちもいかない状況になっている。

他にも、
「実山椒入り和風カレー」があり、こちらは新ジャガ、新玉ねぎ、豚バラにこだわりごぼうやたけのこも加えて和風だしで仕上げた本格派である。

またチキンカレーは銀の器、和風カレーは店名の入った深型の陶器のお皿を使っていることからもその戦略的位置づけを推し量ることができると思う。


しかし残念ながら私の隣人は、カレーではなかった。
隣人が食べていたのは、お店本来のメニュー「とり焼丼」であった。
丼がきた。
隣人が箸を丼へ伸ばす。
一口目、隣人が食べたのはとり焼の上にのったやや大きめのきざみ海苔である。
二口目、隣人が食べたのは再び海苔だった。
三口目、隣人が食べたのは改めて海苔だった。
海苔が大好きなのか、とり焼の上にのった多めの海苔が邪魔なのか?そういう性格なのか?
全くわからない、なぜこの人は海苔ばかり食べるのか?

しかし耳を澄ませば聞こえてくる。
「パシャムシャム、パシャパシャム」
文字でどう表現したらいいのかわからない。シャムシャムに乾燥した海苔のパリパリ感をプラスすると「パシャムシャム、パシャパシャム」
でもその光景を表すには、「一心不乱に海苔をはんでいる」と表現するのが一番しっくりくるかもしれない。まさしく動物が草をはむかのように。