夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「うたかた」

2021-01-06 21:00:28 | 自作の小説

川風が気持ち良い

そうだ 川だ そこにある

 

時々逆方向から来る人と行き会う

 

散歩しているのだ わたしは

 

こんな川があったのか

 

石ころだらけの河原で 誰か煮炊きをしている

いいのだろうか そういうことをしても

 

気になって近づいていった

 

白髪の老婆 一重の着物 そう寝間着のような浴衣のような

そんなものを着ている

寒くないのだろうか

火の傍だから暖かいのか

 

どうにも妙な感じだ

 

鍋は煮たたっている 泡が幾つもぼこぼこと

 

溢れはしまいか心配になるほどに

一体 何を煮ているのだろう

 

老婆は時々 鍋をかき混ぜる

棒きれで

 

棒はどす黒く染まっている

しみついているのか

 

ぶくり ぷくり 泡が浮かぶ

鍋の中は泡だらけだ

その泡は・・・なんだ

妙すぎる

 

わたしの目の錯覚か

あれは あれは 

口が見える 鼻が見える

泡が何か叫んでいる

熱いのか 苦しいのか

泡の中にある顔は歪んでいる

 

一体

 

老婆は わたしを振り返り 笑う

手ぬぐいを頭にかけているので 皺だらけの口元が見えるばかりなのだが

 

「これはな 魂じゃ」

 

魂?!

「浮かんだり 沈んだり 人の世もそんなものじゃろうて」

老婆が煮ているのは 人間の魂だというのか

だから顔があると

 

何故 魂を煮なくてはならない

 

「選別じゃ」

 

?!どういうことだ

 

「あぶくとなって消える魂もあれば ほれ あのようにふわふわと鍋を離れ 天に向かうものもある」

 

天へー ここは ここは ただの川ではないのか

わたしは ただ散歩をしていただけなのだ

「鍋の底に貼り付いて いつか見えなくなったりな」

 

老婆は わたしに向かって言った

「お前もお入り・・・・・」

 

儚い泡沫になっておしまいー

そう誘うのだ

 

ふらふらと わたしは鍋に吸い込まれる

 

 

 

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馳星周(はせ せいしゅう)著 「蒼き山嶺」 (光文社文庫)

2021-01-06 20:41:15 | 本と雑誌

 

 

街勤務になったことから警察を辞め 山岳ガイドになった得丸

それほど山が好きな 山から離れられない山男

彼は大学時代の友人で同じ警察に就職し公安にいる池谷と山で出会う

大学時代 山岳部の三羽烏と言われた池谷だったが 大学卒業以来 山には触れておらず ほぼ素人のような姿

かつてのような体力もない

乞われてガイドを引き受けるも池谷には何か隠された事情がありそうだった

 

やがて公安からも 別な相手からも追われていると分かる

池谷は何をしでかしたのか

 

日本海まで連れていけという池谷

 

そこに加わるのは 得丸と池谷という名前から死んだ兄の友人達ではないかと気付いたゆかり

 

池谷を殺そうとする男達3人

 

そのうちの一人は池谷の幼馴染

 

池谷という仮面をかぶって生きさせられた男

 

誠実に山男の約束を果たそうとする得丸だがー

 

得丸の「おまえも行けたらよかったのにな」

この言葉が切ない

 

解説は香山二三郎さん

 

 

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DVDが届くのは2月

2021-01-06 20:02:53 | ちょっとヒイキの引き倒し?!

観劇に行けない暇人が 舞台観たさを募らせて

妄想募らせることとなる

宝塚歌劇団 芹香斗亜さんを贔屓しておりますーゆえに 今迄演じられた役柄の短い印象など

あくまで個人の思いです

 

グレブ(「アナスタシア」 アーニャに一目惚れするが それは抹殺しなければならない皇女アナスタシアかもしれぬ女性だった 彼は 苦悩する  )

苦悩するロマンチスト(「歌劇「ルサンク」「宝塚グラフ」及びツイッターや他ブログ様の印象から)

 

ひたすら「アナスタシア」のDVDが届くのを待っています

 

アレハンドロ(「エルハポン イスパニアのサムライ」より 大貴族の息子ながら宮廷の権謀術数を嫌い 剣術学校で腕を磨く 放浪の旅に出ていたが 親友と思う男が殺されたと知り 残された家族や商売を案じー

物語中のマカロニウエスタンの飄々とした用心棒的役割を受けもつ

父親には可愛さ?!もみせる返答で笑いを誘う

しかし きっと強いのだろう おそらくは)

豪放磊落 情に厚く いい加減に見せて正義の人

 

 

ロレンツォ(「異人たちのルネサンス」)

メディチ家の者の誇り 「支配するという野望」すら 美学に変える男

 

ラスティー・ライアン(「オーシャンズ11」)

おしゃれ 軟派な色男で人たらし

そりゃあマダム相手のカリスマ講師などお手の物にもなるでしょう

 

(でもね 私はダニー・オーシャン役でも観たいと思っています 花組の新人公演で演じた役柄

現在の芹香斗亜さんなら どう魅せてくれるだろうかと

また新しいダニー・オーシャンをつくってくれそうな気がするのです)

 

 

ラムセス(「天は赤い河のほとり」 )

己の理想とする国を造り上げる眩しい炎を心に抱く男

斜に構えた男の色気を併せ持つ

 

カール(「群盗」)

人を疑うことなく 真っ直ぐすぎる心が悲劇を招く 

破滅の縁でも他を信じ正義を愛する

 

 

ノア(「フライナグサパ」)

愛する者にはとことん寄り添う 

個の心や魂への蹂躙を憎み 自由を守る静かなる闘士

能ある鷹は爪を隠すー人物であるかもしれない

 

ノア・ティラー(「マイ・ヒーロー」)

その見た目の格好良さゆえにモテるのは当然

若さゆえに調子にも乗るけれど

逆境でもがきながらも ちゃんと前に進む力を持っている

 

ジャー(「金色の沙漠」)

実は王子パールシャー 奴隷として育っても消せない気高さ気品

己の苦しみよりも愛する女性の幸せを祈り 守ろうとする強い心を持つ

真の意味で男らしい男

 

 

アベル(「ハンナのお花屋さん」)

己が果たさなければならないと思い込んだ義務に誠実であろうとしたゆえに苦しみ 悲劇を招いた

もう少し ちゃらんぽらんに生きられたら ラクだっただろうに

 

 

クコチヒコ(「邪馬台国の風」)

それでいいの あなたは何も悪くない 自分の国を守りたかっただけ

どう見ても剣の勝負では勝っていた

唐突に見える死は きっと呪われたに違いない(ほぼ ヒイキの引き倒し感想・笑)

 

ロベルト・ゴルジ(「カリスタの海に抱かれて」)

島の独立の為の英雄と思われて 若いながら指導者的立場 親の決めた婚約相手のアリシアを想っているのに

アリシアは戻ってきたロベルトの友に恋する

無骨で女の扱いに慣れない そのぶん純情なロベルト

生まれついての重い責任にも苦悩

 

銀橋でアリシアを想っての歌も好きでした

桜咲彩花さん演じたのんbりした島娘のが きっとロベルトはアリシアと一緒になるより幸せになれる気がする

ソフィア・ローレンお「島の女」って映画があり 島の女というと私はそれを思い出します

明るく強くたくましくめげない

 

 

 

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