夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

貫井徳郎著「神のふたつの貌」 (文春文庫)

2021-04-28 17:43:47 | 本と雑誌

 

 

第一部 全能者

第二部 絶対者

第三部 超越者

 

この三部構成

 

その街の教会の牧師

三代に渡る父と息子の相似形の運命

第二部には仕掛けあり

 

カエルを殺す少年

父親でない男と死んだ母親

 

神の祝福 福音

求めて得られないもの

 

それでも父親は息子を護ろうとしたのか

 

解説は三浦天紗子さん


庭から

2021-04-26 11:48:44 | 子供のこと身辺雑記

薔薇が一番咲き誇るのは5月

4月後半になると とりどりに咲き開いてくれます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花が終わった果物も実が少しずつふくらんで

 

柑橘類はこれから咲きます

 

立派な根っ子がついていたほうれん草

その根っ子を植えてみたら

育っています♪

 

 

 

 

料理で出る生ゴミを庭に埋めているのですが ジャガイモ 南瓜 西瓜

その生ゴミから育ってくれて♪

家庭菜園ならぬ生ゴミ菜園^^;

 

大根は花が楽しめますし

 

 

 

 

 


猫達の夕べ

2021-04-25 19:08:07 | ペット

時々膝の上に乗ってくる瑠奈さん

私よりも真剣にテレビを観ている

 

このテーブルの上に乗せた前足が可愛くて好きだ

 

写していたら何してるのと言う表情

 

動かれてぶれた^^;

 

 

 

おまけで麦丸

彼は隣の椅子で身づくろい中

 

 

 

顔が写せない・・;

 

 


野菜だけでも産地いろいろ

2021-04-24 20:15:07 | 子供のこと身辺雑記

買ってきた野菜を眺めて

ミニトマトは熊本県産

ソラマメは鹿児島県産

エンドウ豆は和歌山県産

 

じゃがいもと玉葱は北海道産

 

もう流通さん有難うって気持ちになります

 

ソラマメは甘辛く煮て

 

 

エンドウ豆は豆ご飯に

 

 

 

でもって 炊き上がり

 

 

 

 


「追想」(1956年 アメリカ映画)

2021-04-21 16:03:34 | 映画

原題 アナスタシア

 

1917年 ロシア革命 ロマノフ王朝は倒される

生き延びているとの噂は大きくなり

それが皇帝の末娘アナスタシア皇女だと

 

現在(いま)も生きていれば

この物語の真実を知るのは 彼女だけである

 

そんな説明テロップの後に

パリ1928年と

ロシア正教の復活祭の夜

ニコライ2世御用達の店の前を通る女性がいる 少し咳をしている

顔はまだ見えない

一人の男がその姿に目を止め 車に乗り込む

ロシアの音楽流れロシア料理やショーを楽しめる店がある

その店を仕切るのはセルゲイ・ボーニン(ユル・ブリナー)

 

件の男はボーニンに会いに来たのだ

人探しを頼まれていた

病院から姿を消したアンナ・コレフ

男の報告を受け ボーニンも女の居る場所へ出向く

 

ボーニン「似ているか」

男「まだわからん」

 

ボーニンに声をかけられ逃げ出した女(イングリッド・バーグマン)

街を彷徨う 通りから通りへ いつしか橋の上

川を見下ろし・・・・・飛び込もうとする

 

止めたのは ずっと後をつけてきていたボーニン

 

ボーニンが留守の場所で二人の男

1000万ドルの遺産について話している

7日と期限を切られた

その間に皇女を見つけられなければー刑務所行き

元銀行家と元神学生のペトロビン

元銀行家のチェルノフは小太り

元助祭の息子のペトロピンは痩身

 

ボーニンが帰ってくる

余裕ある表情

 

彼は女を連れていた

 

女は「壁 石の壁」と呟く

 

彼女はアナスタシアの等身大の絵姿に一致する背格好だった

王冠の位置も合うぞとペトロピン

 

アンナと名乗ることもある女は記憶喪失

 

ここは地下室で自分は殺されると怯える

 

ボーニンはアンナの頭と掌の傷 (銃創)を示す

 

10年あれば人は変わる

だから誰も彼女が偽物だと証明できないーとボーニンは言う

「お金のためにウソをつくの」と言うアンナ

 

これまで随分ひどい思いをしてきた

誰も彼女の言葉を信じてくれない

自分が誰か思い出せない

自分の両親のことも

 

ボーニンは言う

「自分が誰か知りたいんだろ

家族を捜したいんだろ

その為には わたしが必要だ

よく聞け チャンスは今だけだ」

 

セルゲイ・ボーニン将軍 ロシア皇帝ニコライ2世の元侍従武官だった

 

当然 彼はアナスタシアに会ったことがあっただろう

だからアンナと名乗る女性にアナスタシアの面影を見た

見つけたと思った

 

ー夜中に地下室に移され兵士が来て撃った

白い服を着ていた

藁の荷車に隠れて ブラウスに隠した宝石で兵士を買収

ルーマニアからブカレストへー

 

入院生活 病院暮らし

 

それからー

 

「もう できない 自分が誰だか分からない 

本当の自分になりたい

私が誰だか教えて」

 

本当にアナスタシアだと証明できるのは アナスタシアの祖母マリア皇太后だけ

皇太后はコペンハーゲンで暮らしている

 

ボーニンらと共にアンナはアンダーソン夫人の名前で入国

向かう列車の中で

アンダーソン夫人の名前の持ち主とボーニンとのことを軽く探ろうとするアンナ

 

皇太后付きの女性が 皇太后に近づける最後の望み

 

その女性によって皇太后がオペラやバレエを観にいくことを知る

 

かつてのアナスタシアの婚約者で 美人に目が無いというポール

彼の気を惹き付けることには成功

 

ボーニンと皇太后には過去の軋轢もあったよう

彼は皇太后に言う

「わたしは陛下を欺くような愚か者ではありません」

 

かたくなにアンナに会おうとしない皇太后だったけれど

 

「残っているのは想い出だけ」

 

ついにアンナに会いにホテルへ皇太后が来る

 

アナスタシアと信じたいけれど 完全には信じきれない皇太后はアンナと会話を続け

こわくなると咳が出るの

 

その言葉に アナスタシアもそうだったと

アンナをアナスタシアと認める

マレンカイアと呼んだ

 

アナスタシアはコペンハーゲンに残り ボーニンらはパリへ帰る

 

アナスタシアとしてパリでのお披露目の日が近付く

ポールとアナスタシアの婚約の噂も流れている

 

アナスタシアの記者会見で「同じ病院にいたアンナだ」という男

 

記者会見のあとでアナスタシアがポールを愛しているのか

そう気にするボーニン

 

パーティには出ないと皇太后に言うボーニン

「(ポールとの婚約が)アナスタシアの望みなら良いのです

でも わたしには 喜べない」

ボーニンの言葉に彼がアナスタシアを愛していると知る皇太后

「人には簡単なことが わたしには往々にして難しいのです」

願いは孫娘の幸福 祖母にとっては

 

皇太后「悪党というより むしろ愚か者ね」

 

緑の間にボーニンを待たせる皇太后

皇太后「ボーニン ここで待ってて これは命令です

いいわね」

 

ボーニン「分かりました」

 

 

人払いをしてアナスタシアと二人きりになって皇太后

皇太后「わたしは亡霊と生きていくわ

でも あなたは女の幸せを求めなさい

 

私は過去よ 過去は甘くて懐かしい

現在には馴染めない

 

あなたは違う」

 

アナスタシアは祖母の言葉に力を得て 緑の間へ

 

ボーニンとアナスタシアは姿を消した

 

これからの応対を気にするポールに皇太后は言った

 

「そうね こう言うわ

芝居は終わったーと」

 

The End

 

 

良質な映画とはこういうものかーと思わせてくれる作品です

アナスタシアとしてのレッスンが始まり どんどん美しくなり輝く瞳の色も取り戻していく

真情は見せないボーニン

それも大人の男とはこういうものかと

 

 

遺産目当てか自称アナスタシアが多く出現した時代

 

現在はアナスタシアもやはり殺されていたとなり

事実が分かってしまった現代では これはもう夢物語にすぎません

 

だけどこの映画からアニメ作品が生まれ ミュージカルの舞台もつくられ

宝塚歌劇でも宙組が演じて

 

映画の中くらい 実はアナスタシアは生きていて・・・・・

それでね・・・・・

そうした夢物語があってもいいかもしれません

 

現実は余りに過酷でしたから

 

 

蛇足 オマケ

 

ボーニンはアナスタシアの遺産目当てかと そんな山師と見せかけて

 

アンナにダンスを教える場面でくたくたのアンナに「君の好きなワルツだ」と教えます

アナスタシアが初めて踊ったワルツの相手は 元婚約者のポールではなかった

けれどそれを知っていたボーニンこそが アナスタシアの初恋の相手でもあったのではないかと

 

アナスタシアが死んだと聞き また生きている噂を聞き

探しだしたい!と真剣に気にかけてもいた

自分に恋していたお姫様

もしかしたら そのお姫様の為に爵位(貴族の地位)が欲しいと願い叶えられなかったのかもしれない

これは映画の中での設定としてですが

 

ボーニンの皇太后への言葉

ー自分のような身分の者にはー

 

ボーニンへの爵位を認めなかったという皇太后

 

変化する歴史の中で 身分を超えた価値を皇太后はボーニンに見出し 認め

愛する孫娘を託した

 


週半ば

2021-04-21 15:47:02 | 子供のこと身辺雑記

日曜日 ミキサーが壊れた

以前とても親切で仕事も早かった街の電気屋さんで 買い換えることにした

 

 

機能的には以前使っていたものと変わらないのだが

届けば届いたで 綺麗なので使うのが惜しいような気がして ただ眺めている

(あんた 何の為に買うたんや状態・笑)

 

 

連休明けに眼科で左目を少し治療処置あり

施術時にキャップを被るので 髪を短く切ってきた

 

美容師さんに「思いっきり短くしてください」

とは言ったものの

 

ケープや床の上にどんどん落ちていく切られた髪

いやいや もうそこいらでいいんとちがうー

などと思いつつ

 

美容師さんは楽しそうに切っていく

 

まあ・・・随分すっきりさっぱりとはしたけれど

 

髪はじきに伸びる

伸びたらパーマをかけよう

今は それを楽しみにしよう


「NHK国際放送が選んだ日本の名作 1日10分のしあわせ」 (双葉文庫)

2021-04-21 15:38:28 | 本と雑誌

 

 

朝井リョウ作「清水課長の二重線」

 

石田衣良作「旅する本」

 

小川洋子作「愛されすぎた白鳥」

 

角田光代作「鍋セット」

 

坂木司作「物件案内」「迷子」

 

重松清作「バスに乗って」

 

東直子作「マッサージ」「日記」

 

宮下奈都作「アンデスの声」

 

 

いずれの作品が心に響くかどうかは 読み手しだい

感想もそれぞれに違うと思う

だからあえて収録作品のタイトルだけを あげておきます


「NHK国際放送が選んだ日本の名作 1日10分のぜいたく 」 (双葉文庫)

2021-04-19 13:15:34 | 本と雑誌

 

 

 


「逃げたい」

2021-04-18 15:35:21 | 自作の小説

隣に死体が寝ている

黒い長い髪・・・女性だろうか

首から下は焼け焦げている

アバラ骨も見える

どう見たって生きているようには見えない

私はどうして死体と並んで寝ているのか

同じベッドで

腕が死体に触れている

 

自分に何が起きたのか思い出そうとしていた

 

動けるのだろうか 私は

ここは何処なのだろう

 

ーと隣の死体が口をきいた

「ずうっと一緒だよ 何処かに行っては駄目だよ」

声は男のものだった

では これは男性なのか

 

いや死体が口をきいた

 

怖ろしさに何とかして逃げなくてはーと思った

ここを出て これから逃げ出そう

「トイレに行きたいの」

そう言って私は それから離れ 部屋を出て走った

病室かと思っていたが 階段を下りれば そこは酒場

西部劇によく出てくるような

 

私はカウンターの中に隠れた

あれが追ってくるような気がしたのだ

 

「どうした」カウンターの中の髭面男が声をかけてきた

「なんでも」と私は答える

 

「ふうん 逃げちゃいけないな」

 

驚いて見上げれば髭面男は 部屋に置いてきたはずの死体男の顔になっていた

ばかりか 他の客たちも皆 あの死体男と同じ顔

 

もう悲鳴をあげる元気もない

 


雨が降ったりやんだりの日曜日

2021-04-18 15:13:48 | 子供のこと身辺雑記

 

先日 テレビの番組でタケノコを使ったペペロンチーノを作っていた

タケノコだけでは寂しい気がしてベーコンも入れてみた

 

 

胡瓜と蒸したジャガイモのサラダ

 

 

先週半ば眼科受診で その次の受診日に左目に失明予防の処置していただけることになり 

処置(施術というか)数日前からさす目薬の処方箋が出て 病院前の薬局で待ってた

「時間がかかります」と言われたが 急ぐ用事もなく読む本もある

そのまま待つことにした

待って1時間が過ぎた頃 年輩の男性が騒ぎ始めた

「もう40分待ってるんや いつまで待たせるんや」

受付の女性が「もう少しですから」などと詫びの言葉を入れると

「もう少しって どのくらいや」と喚く

 

周囲の人間の冷たい視線に気が咎めたのか

振りむいて男性はこう言った

「文句言わんと いい気になっていつまでも待たせるんや」

 

まるで文句言ったもん勝ちーのような言いぐさだった

 

その男性が処方箋を出す時も受け付けた女性は ちゃんとこう言っている

「かなりお時間かかります」と

 

そのまま待ったのは自分の判断 自分の選択

 

それから間もなく男性は出た薬を受け取り帰っていった

 

私は内科の薬の時には 薬の量が多いので時間がかかるのは分かっているから 「〇時頃に受け取りにまいります」

と処方箋を預けて帰る

 

別に薬局の方々はさぼっているわけでもないし

自分の番号とお薬できてます番号を見れば

およその待ち時間も見当がつく

 

病院の受診科でも 待ち時間が長すぎると文句を言う人間をよく見かける

文句を言って早くなるものでもない

嫌な思いを振りまいて何が楽しいのだろう

 

けれど何かにつけて 文句を言いたいだけの人間はいる

静かに待っている人間には迷惑なのだが

 

 


吉沢南央著「黄色い実 紅雲町珈琲屋こよみ」 (文春文庫)

2021-04-14 15:11:57 | 本と雑誌

 

 

珈琲屋「小蔵屋」の店主の杉浦草(すぎうら そう)

気心の知れた店員の森野久実と仲良く商売をしている

時に相談ごとも持ち込まれる

客の百合子が息子の元の働き口がないかと履歴書を預けてきた

元はワケありで前の会社を辞めたらしい

 

ワケありの「ワケ」をきちんと確認しておかなかったことが後々のトラブルの原因となる

 

常連の女性客が乱暴された

その襲った男が元

 

しかも被害者はその女性客だけではなかった

 

けれどレイプの被害者も悪い評判をたてられ 結局街を離れることになる

 

他人のことをよく知らずに面白おかしく あることないこと声高く噂する人はいる

確かに中には それでレイプかと まるで本当のレイプ被害者が引くような

女性の風上にもおけないような恥知らずもいるけれど

 

襲える女探しをしていたような男

卑劣な息子をありのままに見られなかった母親

 

力不足だった父親

一つの家庭はバラバラに

 

その勇気は必要なものか 必然か

 

行われるべき正義

 

人生は変化していく

人間関係も

 

いつか自分の体さえままならない晩年もくる

その変化に対応して生きていくしかない

 

人生とは ままならないものでもあるから


島本理生著「ファーストラヴ」 (文春文庫)

2021-04-13 19:12:16 | 本と雑誌

 

 

虐げられている 不幸であることに気付かせてもらえなかった子供

自分が悪いのだと思い込まされて・・・・

 

自分で自分を傷つけることで 自分を保つしかなかった

 

 

父親殺し 就活中の若い娘は包丁を買って 父親に会いに行った

そして父親が死んだ

 

この事件を本にしないかと言われた臨床心理士の由紀は 環菜に会って話を聞く

画家の父親を殺したとされている環菜

 

環菜の国選弁護人は由紀の義弟になる迦葉

 

彼らは事件の真相にたどり着こうとするけれど

 

 

迦葉の兄で由紀の夫の我聞の人間としての器が大きい

迦葉と由紀 間にあったわだかまりも溶けて

 

環菜も自分を取り戻す

 

 

毒親という言葉は好きじゃない

 

子の心を押しつぶす親は怪物

子は親の所有物ではない

 

 

解説は作家の朝井リョウさん

 


「王妃の遺言」

2021-04-13 09:32:16 | 自作の小説

その女性は王女として生まれたが 国の政情は安定せず 小さな戦いが繰り返されて 物心ついてからは逃げて隠れて暮らす日々が続いた

それでも彼女は恋をしていた 

ずうと傍で自分を護ってくれる青年 命を賭けて

青年もまた王女に恋した 一人の女性として愛した

 

やがて国に平和は戻り 隣国の王子を夫として王女は迎えた

隣国の王子は 良き王となりこの国を治めた

 

王妃として暮らし死んだ女性の 王女時代の若い恋を知る者は もう殆どいない

あの生きるのに必死だった若い娘の 命がけの恋はどうなったのだろう

王と王妃の間に子供はできなかった

それは残念なことであったが 無理のないことでもあったのだ

そこでこの国の王家の血は途絶えたのだろうか

 

王女が配偶者を得て暫くし その生活が落ち着いた頃

美しい娘が侍女として 王妃に仕えることになった

王妃に忠実であったこの侍女は 嫁ぎ娘を産む

その娘を王妃はことのほか可愛がり 時にその暮らす家を訪ねた

 

王妃は侍女だった娘に ある頼み事をしていた

 

その手紙にはー

 

・・・・・可愛くいとおしくてたまらない貴女

貴女が現れた時 一緒に暮らせるようになった時 どれほどわたくしは嬉しかったことでしょう

あの人から連絡はありました

それでも信じられなかったのです

 

最も苦しい時にわたくしを支え守り愛してくれたあの人

王女として城に戻らねばならなくなった時に 全てを引き受けてくれたあの人

この国の平和の為にーわたくしは城に戻り隣国の王子を夫に迎えねばなりませんでした

娘らしい恋心は全て置き去りにし いえあの人へを残して

全部あの人に託して

 

今更「母」などと名乗りはあげられない

そう諦めていたのに

 

あの人は ひそかに貴女を育ててくれただけでなく 城に向かう貴女に全てを話してくれていた

今度はお前が王妃様を守れーと 

あの人からの手紙には 自分が病気でもう長くないこと

だからこれからは娘を頼む

娘がいつか愛した相手とごく普通の幸せな家庭が持てるようにと

 

それこそが自分の心からの願いだと

 

それはこのわたくしの願い 夢

 

あの人は 

暫く娘を母親の傍で暮らさせてやりたい

そうも思ったのだと

 

わたくしは 貴女のお父様が好きでした 好きでした

愛しておりました 心から

 

あの小さな村で過ごした時間

何ものにも代え難い幸福な日々

 

自分は死んだことにしたいと あの人に縋りました

でも あの人は言うのです

 

国民の事を考えろと

 

隣国の王子については・・・よく知っていました

悪い人間ではないことも

 

だから わたくしは安心でした

ええ

夫となった王子とわたくしは よく理解しあえておりました

男と女として愛し合うことはありませんでしたが

ですから子供などできようはずがありません

 

夫は女性は愛せない人間だったのです

夫には情人がありました

常に夫の傍に居た人物です

ゆえに夫と私は利害が共通する夫婦でもあったのです

それ以外では夫は実に公平で寛大な人物でした

人として優しくあったかくて

 

それは貴女も知っていますね

 

夫も このわたくしの望みは知っています

どうか叶えて下さい

 

お願いです・・・・・

 

 

 

侍女でもあった娘への依頼

それは娘の父親と同じ棺に自分の遺体を入れてくれーというもの

 

国葬のあと 国王の密かな協力もあり その願いは叶えられた

 

 

小さな国の秘密の物語