観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「多重下請」「保険」「相続」「農業」「医者の給与」「解雇規制」「国民年金」「住宅」を考察する予定。

燃料代さん、マジパねえっす

2011-09-14 22:06:22 | 政策関連メモ
日本経済エネルギー研究所で何か面白いデータないか探していたのだが・・・あった。「原子力はバカ高い!安いと言ってるのは嘘つきだ!」とワーワー喚いている方々がいるが、これを見ると悶死しかねないので、その筋の方々は気をつけた方がいいと思う。

8月31日【大地震・エネルギー政策見直し関連情報】有価証券報告書を用いた火力・原子力発電のコスト評価

10pの表を見て欲しい・・・燃料代さん、マジパねえっす

これはどんなに言い訳しても隠し切れない火力の大弱点。どうりで、燃料代コストが毎年兆単位かかっているわけだよ。原子力のコストがどうたらこうたら言われているが、非常にかわいく見える。さっさと再稼動しないと、どえらい損をこくことは間違いない。原子力は初期コストが高いと言われるが、既に建設された原発を使わないことほど、巨大な無駄であることは、これで誰にでも分るのではないだろうか。今ひとつ再稼動に力を入れてない野田政権だが、さっさと日本経済のため、政策の実現に邁進してほしい。経団連が原発の再稼動を言うのも当然、原発が高いとデマを垂れ流して頑張ってる人たちは、そろそろ黙ってほしい。再稼動の邪魔である。

表には他にも見るべきところがあって、原発のバックエンドコストが結構高く(燃料代の足下にも及ばないが)、火力のバックエンドコストが低い。ここが大事なのだが、火力のバックエンドコストが異常に安すぎないだろうか?以前、記事に書いたが、火力発電では、原子力発電とは比較にならないほど膨大な廃棄物が排出されている

>1ギガワット級発電所の年間廃棄物量は、火力で二酸化炭素650万トン・亜酸化窒素2万2000トン(ウィキペディア参照で、温室効果は二酸化炭素の300倍で京都議定書で規制がかけられており、オゾン層をもっとも破壊する物質であることをアメリカ大気圏研究チームが突き止め科学誌「サイエンス」で発表されている)・灰32万トン(ヒ素400トンと有毒な重金属含む)、原子力で高レベル核廃棄物27トン(燃料再処理とガラス固化を行えば5トン)・中レベル核廃棄物310トン・低レベル核廃棄物460トン。

二酸化炭素の貯留(リンクはウィキペディア)や排出権取引など二酸化炭素対策が進めば、到底あんな安いバックエンドコストで済むとは思えない。更に言えば、非常に有害な亜酸化窒素やヒ素をちゃんと処分しているか強い疑いがある。原発の例から考えると、きちんと処分したら相当なコストがかかるのは間違いないだろう。これから、環境意識が高まるというストーリーを語る人がいるが、そうした人たちは、火力の廃棄物に関して真剣に考えた上で、発言してほしい。

また、今後日本がどういうビジョンを描いて成長を目指すかに関連するが、中国やアジア・新興国が成長するから、需要を取り込もうという考えであるなら、気をつけた方がいい。成長する国は必ずエネルギー消費を増やすし、そうなると、必ず燃料代が高くならざるを得ない(ただでさえ高いのに)。だからこそ中国・韓国は原発を止めようとしないわけで、これから、火力に依存しようという(再稼動しないと必然的にそうなる)のは、実に馬鹿げている話だ。脱原発のドイツ・イタリアは他国から電気が買えるのである。日本にこの条件は無く(わざわざ電線を引いて、韓国の原発エネルギーをというのでなければ。北朝鮮は話にならず、中国は接続困難である上、自国のエネルギーがまず足りない)、ドイツのように石炭を産出したりはしない。

再生可能エネルギーは「将来のエネルギー」なので、論じるまでもなく、バカ高いことは言うまでもない。

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