tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

処理水問題、岸田さんに何が出来るのか

2023年08月23日 11時19分34秒 | 政治
福島第一原子力発電所に溜っている放射能を含んだいわゆる「処理水」が、もうこれ以上貯める所もないという事で海洋放出が決まった事でとんだ騒ぎになっています。

ニュースを聞いていても、何故こんな騒ぎにしなければならないのかとずっと奇妙な感じを受けています。岸田さんに一体何が出来るのか全く解らないからです。

というのは、お忙しい岸田総理が、アメリカでの日米韓首脳の三者会談を終えた翌日には福島に行き、処理水放出についての現場を視察に行っています。

その翌日には東京で全魚連の代表と会って「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と言っていた手前でしょう、安全性の確保や風評対策を徹底して行うことなどを丁寧に説明し、24日には放出を始めるという順序を踏んでいるという事のようです。

「大変ですね」と申し上げなければならないのかもしれませんが、どうしても理解できないのは、岸田総理がこうして飛んで歩いて日程をこなせば何か解決するのかという事です。

処理水の放出は24日だそうで、放出しないわけにはいかないのです。口癖の「丁寧に説明」と言ってもそれで漁業者が「ああ、そうでしたか」と納得了解することはないでしょう。

海外を見れば、中国は。わざわざ「核汚染水」と呼んで、日本の魚は買わないと言っていますが、自分のところの原発の排水の中身は棚に上げていますから、これは嫌がらせで、放射能の問題ではなく、日中友好努力の欠如の問題でしょう。

今回の事の起こりは岸田さんが「自分の責任で自分が決めます」みたいなん事を言う「癖」のせいのような気がするのです。

人畜に害のない「処理水」か有害な〔汚染水」かというのは、岸田さんには全くわからない事でしょう。自信をもって安心できると言っているのは、IAEAが検査の結果「問題ありません」と言ってくれている事の伝言でしかないのです。

地球表面には、人類の生存に害がない程度の自然放射能が常に存在します。IAEAの判断の最大の基準は自然放射能よりどの程度低いかが基本でしょう。

処理水に含まれる多様な放射能について調査し、結論を出すことは、総理にも内閣にも不可能ですから、IAEAに頼るしか方法はないのです。
やはり世界の権威を集めた研究機関のお墨付きを頂くしかありません。

ならば、「お墨付きを頂きました」、そこまでの排水処理の努力を日本はしました。と報告すること以上のことは出来ないのです。「私が決めて・・・」みたいなことを言うので、相手はIAEAではなく岸田総理という事になるのです。

「世界で最も権威あるIAEAに認められていますから、私はそれに従って行動して誤りはないと考えています。以上」で良かったのではないでしょうか。

本当の総理の仕事は、「この事故に学んで、日本の原発政策をどうするか、悪化している中国との友好関係を如何に改善するか」といったものではないでしょうか。