tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

東京五輪の新日程発表、反応は多様ですが 

2020年03月31日 16時30分37秒 | 文化社会
東京五輪の新日程発表、反応は多様ですが 
 東京オリンピック、パラリンピックの新日程が発表されました。
来年の7月23日からオリンピック、8月24日からパラリンピックだそうで、やっぱり暑い真夏ですが、何はともあれ、何も決まらないよりはよかったのではないでしょうか。

新型コロナ禍は、今や世界各国に広がり、アメリカでも急速に深刻化しているようです。トランプ大統領も、GMに人工呼吸器の製造を依頼したそうですが、それに呼応してフォードも人工呼吸器の生産を始めるとのことです。

太平洋戦争の時は、アメリカはその巨大な生産力でB29爆撃機を量産し、日本中が焼け野原となったことを思い出して、いよいよアメリカはやる気だな、などと感じるのは年代のせいでしょうか。

東京五輪の新日程については、IOC、JOC、もちろん、日本政府、東京都も一致してという事ですが、反応は多様なようです。
延期の決定が遅れたことについては、多くの批判もありました。客観的には開催不可能と多くの人が感じる中で、なんとか開催したいとの気持ちが強かったからでしょうか。

今回の新日程の決定は、予想外に早かったと思う人も多く、何はともあれ新日程決定は良かったのではという肯定的な意見が多いようです。
勿論、現状の新型コロナ禍の進展状態を見れば、日程を決めても不可能になる可能性も懸念されるところです。

しかし、何も決めなければ、アスリートをはじめ、関係者もオリンピックを愛する多くの人々も不安定な気持ちのままでいなければならないのですから、何はともあれ、1つの指針を出すことは「必要」だったのではないでしょうか。

これから1年、既存薬、新薬の治験、ワクチンの開発などが人類の総力で強力に推進されるでしょう。中国の蓄積された体験とデータを基にした研究開発、最先端のアメリカの開発体制、さらにイギリス、シンガポールなどでの研究開発情報などがみられます。

一方、アメリカのマスコミの中には「この大変な時期に日程を決めるなど無神経の極み」という批判もあるようです。
アメリカも大変な時期ですから、そういう意見があるのも当然かもしれません。

ところで、組織委員会会長の森喜朗さんは、「神頼みの様なところもあるかもしれないが、そうした気持ちが必ず通じる(と思いたい、と思っている)」といった趣旨のことも言っておられるようです(正直な人ですね)。こんな言葉が多くの日本人の気持ちを代表しているのではないかなどと思うところです。

都心でも積雪観測、これも気候変動の影響でしょうか?

2020年03月29日 22時17分10秒 | 環境
都心でも積雪観測、これも気候変動の影響でしょうか?
 2020年3月29日、都心でも雪、三多摩地区は大雪。国分寺も5㎝は積もったでしょうか。

 朝、新聞を取りに行くときは霙かなと思っていましたが、忽ち本格的な雪になり、道路も地面も夜来の雨で濡れているから積もらないのではという予想も当たらず、昼頃には窓の外は一面真っ白。やっと咲き始めたチューリップは、写真のようなことになっていました。



 今年は、すでにチューリップは満開のお宅も多いようですが、我が家は売れ残りをまとめたものを100球1000円か2000円で買うので、植え付けも遅く、やっと咲き始めたところですので、却って被害は少なかったかなと思っています。

 一昨年も3月下旬に雪が舞い、「早春賦」のような天気と書いた覚えがありますが、今年は季節遅れの大雪です。これも地球環境変動による異常気象の結果でしょうから、もしかすれば、こんなことが毎年当たり前なことになるのかもしれません。

 チューリップには申し訳ないですが、上の写真は、写真としては変哲もないものです。それでも載せておけば記録写真としての価値はあるかなと思って載せることにしました。
 人間があまりに勝手なことをするので、自然が何か、いろいろな形で「警告」をしてくれるようなことが、今後ますます多くなるのではないでしょうか。

 人間がもう少し反省しないと、桜の花やチューリップにもご迷惑をおかけすることになるようで、つまりは人間の楽しい生活に不都合を生じることになるのでしょう。

 昔は何かの「祟りだ」などと言って、我々の先祖は反省したのでしょうが、今は自然環境の破壊といった形で具体的、科学的に因果関係が解ってきているのでしょう。昔のように、環境問題などは何もわからなくて、「祟りだ」と言っていた時の方が、人間は余程、謙虚で素直だったのかもしれません。

新型コロナと経済対策:リーマンとの違い

2020年03月29日 07時06分24秒 | 経済
新型コロナと経済対策:リーマンとの違い
 前回は、新型コロナウィルスについて、専門家と雖もまだ解っていない事ばかりではないかという心配に触れました。
 今回は、動き始めた新型コロナ問題の経済面の影響とその対策について、特に、マスコミでも言われる「リーマン級の」、「リーマンを超える」といった見方についての問題を考えてみたいと思います。

 アメリカは緊急立法を行い2兆ドルの経済対策を打つと発表しました。日本でも今日安倍総理が記者会見で、中小企業対策(無利子融資)、困難家計への援助(現金給付?)などを中心にリーマンショック時を上回る緊急経済対策を10日以内に新年度会計の補正予算を組むと発表しました。

 アメリカのGDPは20兆ドル弱、国家予算は5兆ドル弱ですから、2兆ドル(220兆円、日本の国家予算の2倍)は納得できるのかもしれませんが、もともと赤字国ですから、これはまるまる経常赤字(借金)になるのでしょう。

 日本の補正予算はいくらになるか未だ分かりませんが、アメリカほど踏ん張るとも思えませんが、それでも何10兆円という規模になるのでしょうか、今年初めて100兆円を超えた予算はさらに急膨張です。

 確かにマイナス成長を防ごうといったことになれば、そうした金額になるのでしょう。
 世界中がこうした形で経済の落ち込みを防ぎ、何とかこの新型コロナ禍を乗り超えたいと考えても当然でしょう。だれもが人々の健康と同時に経済の健康も心配しています。

 ただ、リーマンの時は、アメリカの金融政策の失敗の影響を世界中の金融機関が受けてあわや世界金融パニックというのが原因でした。
 今回のコロナ禍は、ウィルスの蔓延によるもので、それが経済活動を阻害し、特に人間の国際的な往来を制限するという事態が世界的になり、自由な国際経済活動が不可能になるという状況が最大の問題になっているわけです。

 この所の世界経済成長の原動力は、国際的な「資本と人間の移動の自由化」を進めることにによって可能になってきていたことは明らかです。国際間の協力によるサプライチェーンが分断されてしまえば、その効果は消失すことになります。
 各国がそれぞれに対策をとっても、この問題が解決されない限り、世界経済は分断され、世界の経済活動の下降が現実となり、回復は見込めないと考えざるを得ません。

 緊急融資や財政援助は、あくまでも、新型コロナ禍が終息するまでの緊急避難政策という効果しか持ちえないでしょう。
 新型コロナ禍は、はしなくも、世界が連帯、協力しなければ、地球人類にとってのよりよい生活はあり得ないという事を教えてくれたようです。

 我々は、無意識的に「1年もすれば新型コロナ騒ぎも収まるのだろう」と思っていまっているのではないでしょうか。東京五輪も1年延ばせば可能とも考えたいのです。

 安倍さんは、今日の記者会見でアビガンの治験を始めるといったようです。「新型コロナ禍は山を越えた」と言われる中国では疾うに認められている富士フイルム開発の薬です。 開発した国の日本としては、いかにも遅すぎます。

 治験の開始も大事な点ですが、本当に大事なことは、問題の根源に徹底して手を打つ姿勢、新型コロナウィルス退治に効果を持つ薬品やワクチンの早期の開発をいかに進めるかではないでしょうか。

 研究開発の進捗度は、研究開発予算の額に比例するとも言われます。安倍さんは「長期戦になる」とも言っているようです。
 この辺りがどうつながっているのかいないのか解りませんが、(毎回繰り返しますが)新型コロナウィルス退治に必要な研究開発に、最大限の研究者と予算を注ぎ込む事を、主要対策項目の1つに挙げていただきたいと思っています。


新型コロナの説明、解らないことばかり!

2020年03月26日 22時59分08秒 | 文化社会
新型コロナの説明、解らないことばかり!
 外へ出るな、集まるな、確かにこれは大事なことですから、人様にご迷惑をおかけしないように、出来るだけ静かにしていいようと思っています。
 それでオーバーシュートが起きなければ「よかったな」という所ですが、心配なのは、「いつまでそうしていればいいのか」といいう所が全く分からないことです。

 東京五輪も1年程度伸ばして「これで何とかなる」という感じになってきたようですが、それまでにほんとに「完全な形」でやれるようになると誰が予測できるのでしょうか。。

 クラスターを作らないことでオーバーシュートは防げるでしょうが、いつになったら、もうクラスターを作ってもいいよ、という事になるのか、それとも、ずっとならないのではないかという心配が残ります。

 専門家会議の作ったグラフでしょうか、赤と青の正規分布が書いてあって、赤は急速に蔓延して、急速に収束するという分布、青はゆっくり増えてピークは低いが長い間続くという分布です。説明では青い方が良いようなことになっているようですが、正規分布の積分値(分布の下の面積)はほぼ同じで、これでは、人的、経済的損失の量は同じように思えます。赤の方が早くひどくなり、ピークは高いですが、早く収束する。損失の量が同じなら早く終わった方が良いという見方もあるでしょう。

 多分赤のグラフを見れば、感染者が急増したまま持続する可能性が大きいという、恐ろしい状態になるだろうと考えてしまうが普通でしょう。早く感染者が多くならば、早く収束というグラフは、人心を惑わしかねないような気もします。

 さらに専門家会議の説明で、クラスターで感染が起きた場合、5人が感染すれば、そのうち一人だけが別の人に感染させる人になり、後の4人は人に感染させないといった説明になっています。(2割が感染させる人になるという説明もあるようです)
 それは単に経験的な数字なのでしょうか、なぜ5人のうち1人だけが次の感染の担い手になるという事になっているのか説明はありません。2人、3人になる可能性はないのでしょうか。

 いくら説明を聞いても、解らないことが多すぎて、しかもカタカナ語では印象が薄く、恐ろしさが深刻にならないといったきらいもあると思います。

 みんなが最も知りたいのは、いつまで我慢したらいいのかということでしょう。外出を控えている時は良かったが、外出していいといった途端、感染が急増といったことはないのでしょうか。1年程度後はもう普通になっているのでしょうか。

 疑心暗鬼を生じないためにも、解っていることと、解っていないことを誰にも解るように説明していただけると、本当の覚悟ができるのではないでしょうか。日本の頭脳を集めて、国民が、そうかそういう事なのか、これは容易ではない、矢張り長期戦の覚悟が必要だ、あるいは、どのくらい頑張れば目鼻がつくから、そこまで頑張れ、という事なのか、現状では、解らないのであれば、解らないから、その中で何とかみんなで頑張ろうという事なのか、それが解って本当の覚悟ができるのではないでしょうか。
 

知識と知恵はどう違う?

2020年03月24日 21時14分37秒 | 文化社会
知識と知恵はどう違う?
 知識と知恵について書いてきましたが、この二つが違うことは誰でも言葉の感じから解るのですが、では具体的にどう違うのかというと、ちょっと説明に困るのではないでしょうか。

 このブログでは、知識というのは、人間の脳細胞の中に記憶されてるものということになるのでしょうが、知識も個人のレベルから更に活字として残されているもの、さらに最近は電子記憶装置を含め、人間の脳の外付け記憶装置に当たるものも人類としての知識として含めていいのではないでしょうか。

 では知恵というのは何かとおますと、知識としては存在しないものを新たに考え出すということではないかと思うところです。ですから、自然の進化の中では、「突然変異」に当たるのではないかと考えたわけです。

 こうした理屈だけではどうにも解りにくいものですから、それでは具体的に例を挙げればどんなことになるのかと考えてみましたら、例えばこんなことではないかというようなことになりました。

 たまたま先ほどTVで、今夏の五輪に実施は無理という事が決まりつつあるようで、安倍総理が1年程度延期したらどうかとIOCのバッハ会長に提案し、そんな方向で決まりそうな様子です。

 1年程度というのは、具体的な時期の決定には、幅を持たせておいて、様々な事情を勘案して決めるようにした方がうまくいくだろうという「知恵」と言えるのでしょう。

 更に具体的な問題を取り上げれば、来年夏ということになると、競泳などを含め、種々の世界選手権が決まっていて、それとぶつかるので、五輪の時期を決めるのは結構容易でないなどの意見も出ているようです。

 こうした問題の時、例えば、なんとか日程の調整をしようという知恵が必要になるわけです。しかし、ある人が、世界選手権と五輪を一本にまとめて、優勝した人には五輪の金メダルと世界選手権の金メダルの両方を出せばいいじゃないでですか、と言えば、この方が知恵らしい知恵という事が言えるような気もします。

 もちろん知恵というのは、今迄なかった事についての考え方ですから、賛成も反対もあるでしょう。しかし、「突然変異」と同じで、そうしたニューアイデアの中で。最終的には、最も環境に適応したもの(多くの人が賛同するもの)が生き残り、知識として蓄えられることになるのでしょう。

 ところで 人間に「無理にでも知恵を出させようというゲーム」に「ブレイン・ストーミング』があることは広く知られています。このゲームで、最も重要な条件は、「出たアイデア(知恵)に絶対にケチをつけないことなっています。

 これも、突然変異が生き残るかどうかは環境適応出来るかどうかが決めるのと同じで、結論は「社会環境」が決めるのだから、個人の意見は必要ない、それより、ひとつでも多くアイデアを出せということなのでしょう。 東京五輪も、結局はこうした形で決まってくるのでしょう。

 それにしても、早く新型コロナウィルス退治のための知恵、薬品や、ワクチンの形でそれを実現するような知恵が出てきてほしいものです。

 

知識と知恵の関係:新技術開発に必要な事

2020年03月23日 13時30分50秒 | 科学技術
知識と知恵の関係:新技術開発に必要な事
 キリスト教では人間は泥からつくられた(ただし女性は男の肋骨からつくられた)ことになっています。古事記では、高天原から降りてきた(ただし降りてきたのは神様)とのことで、人間は既に地上(瑞穂の国)に住んでいたことになっています。

 今では、本当にそうだと思っている人は多分いないでしょう。地球の上で、鉱物(水も鉱物)からシアノバクテリアのようなものが出来、それがホモサピエンスまで進化したという進化論の方が信じられていると思います。

 この進化の過程で知識とか知恵といったものがあったのでしょうか。
 全知全能の神、天地創造の神が、その意思をもって進化を進めたのであれば、それは全知全能という知恵と知識が前提ですが、最近の進化論では、偶然起きる突然変異が進化の源という事になっているようです。

 今回の新型コロナも突然変異の結果で人から人に感染するようになったようですが、突然変異というのは、結構頻繁に起きているようで、その中で今の地球環境にうまく適応できたものが生き残っているという結果が進化だということのようです。

 新型コロナは人間が宿主ですから、人間が死滅したら新型コロナも滅亡です。人間がいなくならずに共存することになるのか(環境適応)、人間が新型コロナウィルスを絶滅するか(環境不適応)というのがコロナウィルスが環境適応の成功するかしないかの分かれ目でしょうか。

 こんな風に考えますと、人間が知識と知恵を使って、技術開発するという事は、人間の力でいろいろな突然変異を起こし、その中で人間に役立つものが適者生存という事で社会をより豊かで快適なものにしていると言うことが出来そうです。(原発は適者と思われていましたが・・・)

 技術開発が環境適応できるかどうかは人間が(神様に代わって)判断することになっているようです。
 例えば、ノーベル賞というのは人間社会によりよく適応する突然変異(新発見や新技術)を実現させた人に贈られる賞というとでしょうか。

 確かに、ノーベル賞受賞者のお話の中で、実験中に「あ、失敗だ」と思ったようなことが、素晴らしい結果につながった、などというのが往々にしてあるようです。こんなのはまさに人の手による突然変異の発生でしょうか。

 という事になりますと、技術革新、新技術開発というのは、出来るだけ頻繁に研究開発を行うことで、その中で適者生存(人間が支配者という環境に適切に適応したものが生き残る)したものに与えられる名前という事でしょう。

 では、革新技術を活発にするのに必要なことは何かという事になりますと、「人間の手によって出来るだけ沢山の突然変異を起こすこと」で、その中に適者生存となる(人間に役立つ)ものが出来るだけ多く存在していればいいのです。

 必要なことは当然、必要な資源をつぎ込むこと、つまり「人」と「カネ」の投入です。知識の上に「知恵を出す能力」を持つ人間と、より多くの研究開発費をつぎ込むことでしょう。
 事は偶然と確率に依存することが多いのです(突然変異ですから)。裾野は広いほどいいのです。

 こうして見て来ますと、いまの日本で決定的に不足しているのは、注ぎ込まれる資金量でしょう。すでに見ましたように、この10年で研究開発費は中国4倍、韓国2倍です。 日本「よこばい」です。
 「中国や韓国など」と言っているうちに、日本はどんどん置いていかれるようで、今回のコロナ対策でも、データの収集、治験、検査キットの開発など、マスコミで見ても、日本の遅れが目立ちます。

 最後に一言付け加えれば、日本の研究開発環境が次第に劣化し(野依良治氏の指摘)その結果、研究者の意欲も沈滞しているのではないでしょうか(高度な研究には高度な資金が必要です)。人間の意欲、やる気が研究開発では重要なカギでしょう。

 政府は予算を削り、企業は自力よりM&Aに頼る今の日本はこの先・・・?
 強力な反省が必要なのではないでしょうか。

姫リュウキンカ(立金花)も

2020年03月22日 16時07分11秒 | 環境
姫リュウキンカも
 わが家の狭い庭も、花盛りになってきました。
 花壇のチューリップは大きな葉が伸びだしたところですが、塀際の曙つつじの下、豊後梅の下あたりはリュウキンカが咲き誇っています。
 特に夕方、薄暗くなると、鮮やかな黄色の花が、暗く沈んだ緑の葉の上にくっきりと浮き出して、まさに綺羅星の如しです。
  リュウキンカ


  姫リュウキンカ

 
 ところで今年気が付いたのが、リュウキンカを追いかけて、姫リュウキンカが小柄な花を転々とまき散らしていることです。
 
 リュウキンカも毎年株が増えるのですが、小さな姫リュウキンカも領地を広げて、昨年まではそれほど目立ちませんでしたが、今年は大分花数が増えたようで、目立ってきています。

 花の大きさは直径にしてほぼ半分ぐらい、葉はつやが無くてあまり目立ちませんが、その分花が浮き出して見えるので、夕暮れには、こちらの方が綺羅星的です。

 ここに居を定めた時、家内と「花一杯運動の見本のような家にしよう」と話し合ったことを思い出しますが、「狭いながらも楽しいわが庭」で、春とともに毎年自然の美しさを身近に満喫できることはありがた事だと思っています。


消費者物価は上昇基調:中身はいろいろ

2020年03月20日 21時37分59秒 | 経済
消費者物価は上昇基調:中身はいろいろ
 昨日、総理府統計局から、今年2月の消費者物価が発表になりました。
 総合で前年同月比0.6%の上昇でしたが、マスコミでは、38ヶ月連続上昇と書いていました。
 先月発表の19年暦年の対前年上昇率も0.6%でしたが、その時には、消費税増税でも「上げ幅鈍い」などとマスコミは書いていた記憶がありますが、さて、今の消費者物価は上がっているというべきか、あまり上がっていないというべきか、どうなのでしょうか。

 1%に足りない上昇というのは、常識的には物価安定という感じでしょう。経済不振で賃金もあまり上がらないし、年金などは、社会保険料などの上昇で手取りはじりじり目減りしているのですから、上昇幅は小さい方がいいというのが、大方の庶民感情とすれば、このぐらいなら我慢するかというところでしょうか。

理論的にいえば、日本人の働きの進歩である「生産性の上昇」と「賃金水準の上昇」が等しければ、物価は上がらずに経済は成長するということですから。理論的にはそういう形の「均衡成長」がベストなのでしょう。
     
 政府や日銀が、2%物価上昇が望ましいというのは、経験的に「景気のいい時は物価が上がる」ということで、それなら、「物価を上げれば景気が良くなるだろう」という「逆もまた真也」と考えてのことのようですが、先に物価をあげるというのはむずかしいようですね。

所で、今回は、物価上昇の中身を見てみました。
 表は、消費支出の10大費目のそれぞれの過去5年間の物価上昇率です。

 2015年は日銀の金融緩和策が成功して、円高が解消し、日本経済が長かったデフレ不況から脱出し、日本経済正常化元年というところですが、折よく総理府統計局が消費者物価計算の基準年にしましたので、消費者物価指数はすべて100.0になっています。

 10大費目それぞれに、上下に動きながら緩い上昇傾向ですが、その中で最もコンスタントに上昇しているのが「食料」です。ほぼ1年1%ほどで一貫しています。上昇率も最も高いようです。
 (付け足した2020年は最新時点2月の数字ですから、まだ先行きはわかりません。ご注意ください。)

 食料の中には「生鮮食品」が入っていて、これは天候次第で上下するので、それで統計が歪まないように「生鮮食品を除く総合」などという項目があるにも関わらずこのコンスタントな動き(食料品には消費増税もなしですね)は、やっぱり消費需要がコンスタントということでしょうか?
 そのコンスタントの中身を見ようと最近デパ地価やスーパ-、コンビニなどで気になるものを見てみました。

気になる「食料」の中身

              (資料:総理府「消費者物価統計))
「生鮮食品」「生鮮食品を除く食品」「調理食品」「菓子」です。生鮮食品は異常気象で高い年が続きましたが、昨年は温暖化の影響で下がりました。その代わりという訳ではありませんが、菓子が上がっています。これは最近値上げや、包装内の量目の減少が指摘される所です。
 この2者が相殺して偶々、「食料」と「生鮮食品を除く食料」がほぼ同じになっています。

 これからは多分新型コロナ禍での消費不振で、消費者物価にはまたイレギュラーな動きが多くなると思われますので、今回は、デフレ不況を脱出してからの、この所の消費者物価の中身の動きを見てみました。

「完全な形で開催」への迷妄想

2020年03月18日 21時54分59秒 | 政治
「完全な形で開催」への迷妄想
 去る3月16日夜に行われた、G7の電話会談の後 安倍総理が記者団に対し、「人類が新型コロナウィルスに打ち勝つ証しとして、東京オリンピック・パラリンピックを完全な形で実現するということについて、G7の支持を得た」と述べたとのことで、誤解や混乱があるようです。

 私も最初に聞いた時は、すごく強気だけど、本当に可能と思っているんだろうかと思ったのですが、それは「予定通り」という言葉を追加していた一部の報道機関の報道を聞いたからかもしれません。

 だいたい「G7の支持を得た」という発言ですが、何かお墨付きを得たような感じを受けますが、おそらく、礼儀正しいG7の方達ですから、それに通訳を介してのことですから、「それはどういう意味ですか? 我が国は選手団の完全な形で送ることは無理かもしれません」などとは言わず、開催国である日本の首相が言うのですから、お気持ちを尊重しましょう、という程度と理解するのが常識的でしょう。

 だいたいいつも「丁寧に説明する」のを旨とする安倍さんがいろいろな解釈の出来ることを言って、後、何も説明しないというのは困ったものです。

 官房長官は今まで通りの準備を進める意向の様ですし、東京都も予定通りと言っている様です。文科相は「選手団を送れない国があれば、完全ではない」と言っているようですから、やっぱり1年なり伸ばして「完全な形」でやるという意味でもあるのかというのが、正解という意見もあるようです。

 しかし、いずれにしても、結局「どうするか/どうなるか」は早晩「決まる/解る」ことですから、その時安倍さんはなんと言いうのでしょうか。
 その時は、多分、お得意の「ごはん論法」で「完全な形で実現したいとは言いましたが、何時とは言っておりません」ということなのでしょう。
 しかし、その時期が遅くなればなるほど、混乱や無駄が大きくなることは避けられません。

 考えてみれば、一国の運営に責任を持つということは本当に難しい事で、「自分が決めれば、みな従う」という一強、つまり独裁体制では、世の中巧くいかないのは当然ということが次第にはっきりしてくるのではないかと思われるところです。

主要国中央銀行の協調体制の成果 2:その限界

2020年03月17日 11時02分46秒 | 国際経済
主要国中央銀行の協調体制の成果 2:その限界
 昨日、午前中に、アメリカの利下げと同時に、主要国中央銀行の協調による世界的金融緩和政策が打ち出されたことに触れて、その成果として為替レ-トの乱高下が避けられたのではないかと書きました。
 昨夜その補遺を書こうと思って始めましたが時間切れになってしまったので、今日になりました。
   
 現状では、何とか、為替の安定は確保されているように思われます。日本に関しては円高は多少進みましたが、リーマン・ショックの時とは比較にならないような小幅です(現在106.円台前半)。ドル/ユーロも極端な動きはない様です

 しかし、東京市場の株価の方は、昨日乱高下の後、結局、日経平均は終値で440円ほどの下げでしたが、今朝は寄り付きから)からさらに500円がらみの下げになり、その後少し持ち直して300円ほどの下げになって元気はありません。(午前10時前)

 一方、NYダウの方は大変深刻で、昨日は未曽有の2997ドルの下落で、マスコミは利下げの効果が全くないと驚きに見出しが躍ったようです。
 CFDでは現状500ドル程度戻しているようですが、戻りは鈍い状態です。

 トランプ大統領がパウエルFRB議長に、しつこく金利の大幅引き下げを言っていたのは、ダウ平均の下落を止める、更に反転上昇させるという意図があったことは容易に想像されるところですが、現実は、トランプさんの思惑とは全く反対の結果になっているのです。

 原因は、多分、今回の米国金利の引き下げが、米国の単独行動ではなく6つの主要中央銀行の協調のもとに行われたという点にあるように思います。

 日銀もECBすでにマイナス金利政策をとっていて、金利引き下げの余地はほぼないという事でしょう。(FRBはマイナス金利は、アメリカには馴染まないという、いわば正統派の説明をしていますが)

 それでもここで協調体制をとらなけれならなかったのは、実体経済へのテコ入れよりも、世界金融市場に無用な混乱を避けるためという意味合いが強いでしょう。

 例えば日銀の対応は、「必要あらば即時に大規模な流動性供給を行う」といったことになるわけで、これは(リーマン・ショック以来一般化していますように)、金融緩和は自国通貨の高騰(日本なら円の独歩高)を避ける手段となっていることと裏腹です。

 NYダウの大幅下落は、ドル安が限られてしまった事への失望と、新型コロナウィルスの脅威がどこまで広がるか解らないという恐怖感からの下げという事ではないでしょうか。

 金融政策で為替の安定が出来てしまうと、株価の方は実体経済の落ち込みの可能性により大きな比重をかけた動きにならざるを得ないという事ではないかと考えてしまうところです。

 勿論、現時点では未だ性急な判断などができるわけではないとも思いますが、多様な意味で先見性のあるといわれる株式市場が、アメリカの超金融緩和政策に反応しないという事は、新型コロナウィルスの脅威、その実体経済に対するマイナスの影響力に、相当大きな危機感を持っているという事のように見えて来ます。
 
 世界経済がどこまで落ち込むか、未だに見当がつけられないという事は、新型コロナウィルスとは一体どんなウィルスなのかという事が、未だほとんどわかっていないという事が原因であることは明らかでしょう。

 そう考えてみますと、当面する諸問題への根本的アプローチは、新型コロナウィルスの研究に、早急に、最大限の資源をつぎ込むことが、最優先の課題で、世界経済社会の安定のために、そのための国際協力・協調に、取り組むことが迂遠に見えても結局は近道ということになるのではないでしょうか。

主要国中央銀行の協調体制の成果 1

2020年03月16日 12時42分16秒 | 経済
主要国中央銀行の協調体制の成果 1
 週明けでオセアニア、日本から始まって、世界の金融証券市場が動き始めるのを前に、アメリカの中央銀行であるFRBが、政策金利を一挙に1%下げて、実質ゼロ金利(0.00-0.25)にし、同時に大幅な量的緩和も行うというニュースが飛び込んできました。

 従来の感覚で言えば、これは日本にとって一大事、大幅な円高になって、低落した株価はさらに下がり、円高が進行して実体経済にも大打撃になるのではないかという危惧で慄然とした所です。

 その後入って来たニュースで、日銀は、急遽今日臨時の政策決定会合を開き、FRB、ECB(ヨーロッパ中央銀行)、イングランド銀行、カナダ中央銀行、スイス銀行と協調して、(新型コロナウィルスによる世界経済の低迷対策も念頭に)ドルの供給体制を拡充すると発表しました。

 朝から東京の株式市場の動きを見ていましたら、寄り付きは、先週末のNY市場の大幅上げを映してか100円以上の上げでしたが、忽ち100円を超える下げに転じ、さては暴落かという手前で上げに転じ、その後は30-50円の上げで、午前中は安定しています。

 背景には、危惧された円高も当初108円がらみから105円あたりに急騰しましたが、その後は106~7円あたりで安定という、為替の安定があるのでしょう。

 今回の主要中央銀行が協調してのドル供給策が、どう発案され実行に移されたかの報道はありませんが、急遽ゼロ金利を決めたFRBが、世界経済の安定に配慮して取った行動というのが常識的な理解でしょうか。

 トランプさんは大幅金利引き下げにご満悦で、FRBをべた褒めだったようですが、お望みのドル安にならなくて残念だったのではないでしょうかなどと勘繰っています。

 今後どんなところに落ち着いていくのかは解りませんが、いずれにしても、世界の金融政策は、リーマン・ショックの時よりも、大きく進歩したと言えるような気がします。

ヒマラヤユキノシタも満開です

2020年03月15日 14時23分06秒 | 環境
ヒマラヤユキノシタも満開です




 昨年の春も「早春賦」のような天候の時期がありましたが、今年も昨日の雪には驚きました。

 私の住む都下国分寺も昨日の午後は雨が霙から雪に変わりました。雨が霙のようになり、「あれ霙になったね」などと言っていましたら、そのうちに雪になり、かなり本格的に大きな牡丹雪のフレークが見事に落ちてきていました。

 「ボタン雪という名は、あんな大きな雪の塊がボタン、ボタンと落ちて来るから「ボタン雪」の名がついたんだ、きっと」と言っていましたら、家内が「また馬鹿な独り言を言ってますね」と軽蔑の眼差しでした。
 地面は雨で濡れていましたから積もることはなかったものの、つい先日、20℃を超える日があった後です。夜は結構冷え込んで今朝は外の気温は2℃でした。

 今日の日曜は朝から晴天で暖かくなったので、外へ出てみますと狭い庭の塀際にヒマラヤユキノシタが満開になっていました。そういえば、このブログには今まで我が家のヒマラヤユキノシタを載せていなかったと気づいて、午前中に写真を撮り、初めて載せることにしました。

 考えてみれば、ここに居を定めた昭和30年代の終わりごろ、甲府の実家で母が育てていたのがこの株の元祖で、「これ、持っていきなさいよ」と言うので移植したものです。亡き母の形見かななどと昔を思い出しながら、写真をトリミングしました。

 ヒマラヤユキノシタという名前は母から聞いたものですが、名前が良すぎて、多分俗称だろうと思ってネットでみましたら、本名でした。中国奥地からアフガニスタンに至るヒマラヤの地域が原産というのですから、まさにその名の通りと感心したところです。

 つい1週間ほど前、ピンクの蕾が出てきたなと思ってはいましたが、もう満開という元気な花で、毎春、必ず元気に咲いてくれる、全く手がかからず、ピンクの色は本当に綺麗なピンクです。
 今年も、もう少しの間、美しいピンク色を楽しめると思っています。 

最大の株価対策はなにか?

2020年03月13日 23時30分14秒 | 国際経済
最大の株価対策はなにか?
 昨日のニューヨーク市場は2300ドルを超える過去最大の暴落でした。今日の東京市場も当然その影響を受けるというところで、朝から市場は騒然としていたようです。

 案の定、東京も暴落、後から多少戻しても、先行きは不安ばかりです。その原因は単純で、新型コロナウィルスがどこまで広がるかがまだまだ解らないからです。

 その中で、トランプさんと安倍さんの電話会談が50分にわたって行われたというニュースが流れました。
 
 アメリカでも日本でも、みんなが期待するイベントは中止、遊園地は閉鎖、今シーズンのプロスポーツなども、軒並み開始は延期です。当然東京五輪も、必ず開催できるなどと言える人はいないでしょう。

 こうした状況では経済活動は当然停滞します。経済活動というのは、人間が大勢集まったり移動したりすると活発になるもので、みんなが静かにしていたら、経済は停滞です。景気を先読みする株価は当然下落でしょう。

 この所国際間の人の移動などが大変不自由になっているところに、トランプさんがヨーロッパからのアメリカへの入国禁止と言ったものですから、それが直接の引き金になって昨日の2300ドルを超えるダウ平均の暴落になったというのが解説です。

 トランプさんが何故突如としてヨーロッパからの入国禁止を言ったのか解りませんが、その時、トランプさんは、それで、株価が上がると思ったのでしょうか、それとも暴落を覚悟で言ったのでしょうか。結果は大暴落で、トランプさんは吃驚で困惑の極かなどと考えてしまいます。

 そんな中で、トランプ・安倍電話会談のニュースが入ってきたものですから、さて一体何を話し合ったのだろうかと興味津々でした。
 
 あとから詳しい報道がありまして、会談は米側の要請だそうで、日本の対応策を聞きたかったのでしょうか。安倍さんは学校の休校や財政・金融援助などの内容を説明し、加えて、ウィルスに打ち勝って、東京五輪をぜひ成功させたいと強調したとのことです。(トランプさんが、前日ですか、記者会見で延期の選択にも触れたことを意識?)

 電話会談では、トランプさんは、日本の行動を適切と評価し、今後も緊密に連携していくと言ったとのことです。

 この報道を聞いて、何、そんな事だけ?と感じたのは私だけでしょうか。
もちろん首脳同士が直接話し合うことは極めて大切です。しかし、それはそれとして、もっと重要なことがあったのではないでしょうか。

 アメリカと日本の首脳が直接話し合うのですから、新型コロナ問題の周辺対策や、仮定(新型コロナが制圧できればという)の上での五輪開催努力で合意するよりも、新型コロナウィルスそのものに対する研究、薬品やワクチンの早期開発での両国研究機関の協力の可能性(研究情報の共有化など)などの根本対策へ言及はなかったのでしょうか。

 所詮、首脳会談というのは、政治的な取り組みだけで、本質問題には踏み込まないという事なのでしょうか。

 新型コロナウィルスそのものの性質が解明されない限り、WHOが認めたパンデミックがどこまで広がるかは予測不可能でしょう。
 その中で何を論じてみても、あくまでも仮定の問題(タラレバ=コロナに勝ったら、コロナに勝てれば)でしかないのです。

 仮定の問題を論じ合っても役には立ちません、株価の今後も、東京五輪の開催可否も、いずれ現実になるわけです。黙ってそれを待つのでしょうか。

 当面する株価の問題も、経済社会の安定も、東京五輪の開催も、先立つのは新型コロナウィルスの性格の解明、制圧の可能性の展望でしょう。

 となれば、大事なのは、新型コロナウィルスの研究に、各国が(協力して)どれだけの資金を注ぎ込めるかにかかっているのではないでしょうか。

知識と知恵の関係:新型コロナに思う

2020年03月12日 12時24分34秒 | 文化社会
知識と知恵の関係:新型コロナに思う
 新型コロナと経済問題を取り上げて来ましたが、世界的に見ても、状況はかなり深刻になってきているようです。WHO(世界保健機構)はパンデミックと言わなければならいのかどうか悩んでいるのでしょうし、トランプさんは、歯止めのかからないダウ平均の下落にやきもきし落ち着かないことでしょう。

 当面、世界経済から日本経済まで、新型コロナ次第といった様相で、経済指標は、新型コロナの従属変数のような状態になっているので、経済動向はとりあえずさておき、些か別の事を考えてみたいと思ってしまいました。

 新型コロナウィルスには「意思」はないので、それが広がるかどうかは、人間の知識と知恵で決まるのでしょう。
 世界の専門研究機関が、新型コロナは、どう「新型」なのかの研究に、いま一生懸命だと思っています。

 そして新型コロナの性質が解ってくれば、新型コロナについての知識の進展とともに、特効薬やワクチンの創出が可能になるのでしょう。
 今恐ろしいのは新型コロナの性質が解らないままに、解っているインフルエンザやサーズ、マース、エボラ出血熱などについての知識を応用して、対策をしてるのですから、疑心暗鬼が広がるのも当然かもしれません。(空気感染するかどうかも不明です)

 そこで、人間の知恵としては、限られた知識を使って、出来るだけ感染を食い止めるために「知恵」を働かせるしかないのです。
 いわば、不足する「知識」を「知恵」で少しでも補おうと努力しているという事ではないでしょうか。

 といった風に考えて来ますと、「知識」というのは、人間の大脳の新皮質やコンピュータのメモリの中に存在するもの、という事になるのでしょうか。
 それに引き換え「知恵」は、何もないとことに人間が創り出すもの(創造性、創造能力)ということが出来るようです。(トライアル&エラーの世界でしょうか)

 そして、知識の量が多く質も高いほど「知恵」の働くレベルもの高くなり、より効果的な「知恵」が出てくる可能性が高いという事ではないでしょうか。
 その意味では「知恵」の創造力のレベルは、「知識」のレベルに支えられているという事になるのでしょう。

 その意味では、14世紀、ヨーロッパの人口の3割から6割が死亡したといわれるペスト禍は、当時の人類の知識のレベルの然らしめた所という事でしょうし、新型コロナ禍がここまで抑えられているということは、人類の知識のレベルが高くなっていることの結果と言えるのでしょう。

 必要なことは、新型コロナについての人類の知識を、より完全なものにするために、人類が「知恵」しぼること、そしてそれは人間の研究開発力(知恵の発揮)に100%依存しているという事になるのでしょう。

 新型コロナウィルス問題をテーマに「知識」と「知恵」の問題を考えてみましたが、この問題は、更に一般的な形で考えていく必要があるように感じています。

10-12月GDP下方修正の背景と今後

2020年03月11日 14時25分44秒 | 経済
10-12月GDP下方修正の背景と今後
 先日、2019年10-12月期GDPの第2次速報が出て、マイナス成長率が更なるマイナスに修正されました。
対前年同期比でマイナス1.6%からマイナス1.8%になり、年率換算では、マイナス6.3%からマイナス7.1%という大幅下落になりました。(いずれも実質値)

ついでに、いつも通り、(極端にでる瞬間風速7.1%ではなく)対前年同期比の実質値を見ますと、マイナス0.4%からマイナス0.7%に修正です。
傾向的にも明らかに経済は下降局面に入ったようで、原因は米中貿易摩擦などに端を発する世界経済の不安定ということでしょう。(新型コロナの影響以前です)

 報道にもありましたが、修正の主因は、直接的には設備投資の急な落ち込みで、対前年同期比の民間企業設備はマイナス3.3%からマイナス4.4%に修正されています。

 いつもの事ですが、第2次速報は、法人企業統計季報で設備投資の数字が固まるので、動く事が多いのですが、今回は7-9月期に、(消費増税に影響で?)設備投資の駆け込みがあり、10-12月期にはその反動減があったという面おありそうです。
 
 いずれにしても、世界経済の停滞、特に中国との取引の多い日本ですから、景気の減速傾向は明らかですが、そこに、2020年1-3月期からは新型コロナの影響が出てくるという展開になって来ているわけです。

 加えて日本の場合は、何かあれば円買いという国際投機資本の動きによって、円高の影響を受けることが恒例で、今回もトランプさんの株価防衛(選挙のために新型コロナ禍からの)のための利下げ政策で円レートは101円台まで付けました。

 今回は政府・日銀も、対抗策として思い切った緊急ばらまき政策を発表、その効果はあったようで、円レートは105円がらみに戻ってきています。
 ただアメリカには、さらに1%下げ、政策金利を0~0.25%にという声もあるようで、もしアメリカがそこまでの政策をとるとすれば、日本は更なる覚悟が必要でしょう。

 日本では東京五輪までに、アメリカでは大統領選挙までの間に、新型コロナウィルスが世界的に人類社会にどんな展開を見せるかが政治も経済にも大きな影響を持つでしょう。

こじれた国際政治関係で打撃を受けた世界経済が、さらに新型コロナウィルスでどこまで悪化するか、経済予測は経済学者の分野を飛び出して、国際政治、病原体ウィルスの感染力の強さに依存することになったようです。

 それにつけても、新型コロナウィルスに効く薬(富士フイルムのアビガンはどうなのでしょうか)、さらにはワクチンの早期の開発が切望されるところです。

 さらに言えば、人類がウィルスとの戦いから学んで、人間同士、国同士のいがみ合いの愚かさに気づき、平和で安定した国際関係、その基盤の上に成り立つ健全な経済活動を自分から破壊するような行動の愚かさに賢く気付いてほしい所です。