tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

人類分断への道か? 共存への道か?

2023年08月19日 15時10分12秒 | 国際政治
アメリカ、韓国、日本の3国のトップが集まるサミットで岸田総理は勇躍ワシントンに出発し、3国の関係を更なる高みに引き上げることで一致したようです。

バイデン大統領のアメリカ主導のアジアの安定の枠組みが今後どう展開するのかは解りません。おそらく、米中会談がその方向を決めるのでしょう。

しかしアメリカとしては、中国の隣国で、民主主義国である韓国と日本の動きが、米中会談にも大きな影響を持つと考えるのが当然でしょう。

今回の3国サミットでは、首脳級会合の定例化、連絡網の強化といった、情報共有システムの基本的な枠組みで一致したのに加えて、高性能ミサイルの共同開発や、北朝鮮のサイバー攻撃に対する対応といった具体的のものもあるようです。

三首脳は、キャンプ・デービッドにあるバイデン大統領の山荘で行われ、その結果については「キャンプ・デービッド原則」や「共同声明」としてまとめるという事ですが、名前の付け方については、アメリカ側も、かなり気を使っているようです。

米国での報道では、サミット事務局によれば、これは3国の軍事同盟や共同防衛へのコミットメント(公約)ではなく、エンゲージメント(約束)と言っていたとのことで、秋に実現を希望している米中首脳会談なども踏まえ、「米中は競争関係」とも言っているバイデン大統領の気遣いの反映かとも思われます。

アメリカとしても、プーチンはどうにもならないが、習近平はまだ、話せば解る可能性もあるだろうし、アメリカの多くの巨大企業が、いかに中国の労働力を利用しているかもわかっているはずです。

また中国にしても、アメリカは最大の輸出相手国であるし、アメリカと種々トラブルを起こしながらも、アメリカと付き合う事で得るものは沢山あるという現実は認識しているでしょう。

どう考えても、アメリカと中国を分断することは、米中双方にとって、圧倒的にマイナスの方が大きい事は解っているのではないでしょうか。

同じことは日中関係についてもいえることでしょう。中国はその歴史に見るように権謀術策の国ですから、競争の中では、優位に立つような多様な術策を使うでしょう。
しかし決定的にマイナスになることは避けるという認識はあるでしょう。もし、そうした認識から外れるとすれば、それは習近平の年齢による焦り ではないでしょうか。

台湾併合という(プーチンにも共通な)旧領土への郷愁が、独裁者の地位が長くなるともに強くなり、逆に残された時間は限られてくることで、常軌を逸する判断と行動の可能性が出て来る事は有り得るかもしれません。

常識は「共存」を判断し、年齢と独裁者という地位が「分裂」をあえてする、という情景が、ロシアにおいては明確になり、中国についても心配され始める、というのが「習近平3選」以来の今日ではないでしょうか。

「家康どうする」ではありませんが「習近平どうする」、「バイデンどうする」そして「岸田どうする」で、脚本を書くのは、独裁国では「独裁者」、民主主義国では「国民」という筈ですが、さて日本はどうでしょうか。