tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

今年も原爆忌を迎えて:世界の平和を考える

2023年08月07日 14時19分52秒 | 経済
今年も原爆忌を迎えて
今年も8月6日の広島原爆忌、9日の長崎原爆忌を迎える時期になりました。

マスコミは原爆の悲惨さを伝えてくれます。丸木伊里、丸木俊夫妻の「原爆の図」制作の際のことなどを聞けば、丸木美術館のすさまじい絵とともに、原爆が人間に与える恐ろしさを改めて強く感じます。

今年はG7も広島でありました。皆揃っての献花も行われました。しかし一方で、現実の世界を、見ればロシアの原爆の使用に言及する「脅し」は次第にエスカレートするようで、核の抑止力は破綻したという見方が一般的になりつつあるようです。

そうした悲惨さを招く原爆は使わない事にしようと「誰も」が考えれば、原爆を使うことはなくなるのです。

全ては、人間の心の問題なのですが、人類世界には極く少数ながら、場合によっては原爆を使いたくなる人がいるのです。

今人類の中でそれを考えているのはロシアのプーチン大統領という事になるわけですが、現実問題として、プーチンが何故原爆使用に言及するようになったかを考えてみますと、それはロシアの領土を広げたいという所に原点があり、クリミア半島併合で成功、それに自信を得て、今度はウクライナ全土の併合を考えたのでしょう。

しかし、これはウクライナの強力な抵抗にあい、それだけではなくヨーロッパを始め自由世界全体の反対にあい、成功の見込みが立たなくなって、いわば窮余の一策で、原爆使用に言及という事なのでしょう。

ここまで来ると、人間の常識は勿論、国連の存在も、国際法も無視し、己の欲求追求の一途という視野狭窄の異常な精神状態になっていくのでしょう。

クリミア半島併合を阻止しなかった事がプーチンの領土拡大欲求を刺激したことは否めない所でしょう。これは国連にも世界人類全体にも責任があるのでしょう。

ここで本気で考えなければならないのは、国連憲章の第2条の4項、「武力や威嚇による国境、政治的独立の変更は謹まなければならない」という条項でしょう。

いま世界では、国連安保理の常任理事国の2か国、ロシアと中国が、これに関わる問題・欲求を持っています。
ロシアは原爆に言及し、中国は原爆には言及していませんが力による台湾併合には、国内問題と言い張って言及しています。しかし、明らかに「政治的独立」に違反でしょう。

最終兵器と言われる原爆は、戦争がエスカレートした時、問題になるのでしょう。ならば、戦争を激化させない努力、戦争を起こさない自制心、国家間の紛争を「未然に」摘む努力が国連・世界人類にとって最も必要なのではないでしょうか。

更に考えれば、国家間の主要な紛争の原因は、歴史的にも、今日的にも、領土問題、土地の領有権に発するものが最多でしょう。

国連は、国連憲章の第2条4項を、人類の平和共存のための最も基本的な考え方として如何に国々のリーダーの心の中に定着させるかを当面する至上命題として、いかに困難であっても、世界の知恵を糾合して取り組むべきではないでしょうか。