キャピタルゲインは、典型的には株などの売買益で、実体経済の活動とは直接関係がない事は繰り返し指摘してきました。
つまり、カネ(購買力)がA氏の懐からB氏の懐に移動するという事です。これは、見方によっては、国民所得の再分配が株式等の売買によって行われているという事です。
経済と国民生活の関係から考えれば、実体経済の活動で生産された付加価値(GDP、国民所得)は賃金と利潤と財産所得として国民に分配されますが、そのままではなかなか公正な分配が実現されないので、政府が、税や社会保険料を徴収、国民の間に再分配して、過度の格差社会化を防ぎ、社会的公正、社会の安定を図っているのです。
その意味では、政府以外のもの(株式市場など)が、所得や資産の再分配をすることで、また社会に所得配分の不公正な歪みが生まれることになります。
そして最近その金額が膨大になり、一部に格差社会化を異常なまでに進めることになって来ているので、その防止のために、キャピタルゲインに適切な課税をして、国民への公正な分配が維持されるように、政府が再度是正する必要が出て来ているという事でしょう。
こうした視点から考えられているのがトービン税(外国為替取引の場合)やその他の金融取引税の構想です。
これらは、一般的に、極く低い税率(例えば1%)を「取引金額」に課すというもので、巨大な金額の取引を頻繁に行うことのメリットをなくそうという趣旨です。
しかし、現実には国内・国際等設計の困難性(たとえば各国一斉導入の必要)から実現は難しいようです。
こうした問題は税制には必ず付きまとうものですが、株式の売買の場合には、株式の保有期間によって得た「キャピタルゲイン」に対する課税の税率を変えることで対応するという方法も考えられるのではないでしょうか。
企業にとって、最も大切なのは「安定株主」です。短期の業績の変動や市場の人気を読んでキャピタルゲインを狙う投資家は、企業への安定資金提供者てはなく、逆に、往々株価の変動を大きくして経営の不安定をもたらすという事になるでしょう。
一方、企業に対して安定資金を提供し、企業の安定を支援することは、ひいては国民経済の成長、社会の安定と発展に貢献するという意味を持つと考えてよいでしょう。
そう考えれば、国の税制としても、今日のように株式売買益であれば一律22.1%(源泉徴収の場合、申告の場合は一律20%(国税地方税計)で、更にインカムゲインである配当所得も同率というのは、ほとんど合理性のない税制という事になるのではないでしょうか。
しかも今日の国際投機資本などは、巨大な資金を持ち、自力で相場を作るほどの影響力を駆使して、多様な形でキャピタルゲインを追求する様子さえも垣間見えるところです。
今日は総選挙で、次期政権はどうなるかまだ解りませんが、岸田政権は「新しい資本主義」の検討会を立ち上げ、分配と成長の問題を早急に纏めると言っています。
実体経済の活動の結果のGDPの分配、それを社会の公正の立場から再分配を行う政府の社会保障制度、それを混乱させるような金融取引から生じるキャピタルゲインによる格差社会化の傾向が日本でも顕著のようです。
岸田政権は、何故か早々金融所得課税の検討は封印したようですが、それで「分配と成長」の本格的な検討が可能なのでしょか。
明朝にかけて、総選挙の結果を見ながら、日本の将来をどう見たらいいのか、眼の離せない2021年10月31日、月末の日曜日です。
つまり、カネ(購買力)がA氏の懐からB氏の懐に移動するという事です。これは、見方によっては、国民所得の再分配が株式等の売買によって行われているという事です。
経済と国民生活の関係から考えれば、実体経済の活動で生産された付加価値(GDP、国民所得)は賃金と利潤と財産所得として国民に分配されますが、そのままではなかなか公正な分配が実現されないので、政府が、税や社会保険料を徴収、国民の間に再分配して、過度の格差社会化を防ぎ、社会的公正、社会の安定を図っているのです。
その意味では、政府以外のもの(株式市場など)が、所得や資産の再分配をすることで、また社会に所得配分の不公正な歪みが生まれることになります。
そして最近その金額が膨大になり、一部に格差社会化を異常なまでに進めることになって来ているので、その防止のために、キャピタルゲインに適切な課税をして、国民への公正な分配が維持されるように、政府が再度是正する必要が出て来ているという事でしょう。
こうした視点から考えられているのがトービン税(外国為替取引の場合)やその他の金融取引税の構想です。
これらは、一般的に、極く低い税率(例えば1%)を「取引金額」に課すというもので、巨大な金額の取引を頻繁に行うことのメリットをなくそうという趣旨です。
しかし、現実には国内・国際等設計の困難性(たとえば各国一斉導入の必要)から実現は難しいようです。
こうした問題は税制には必ず付きまとうものですが、株式の売買の場合には、株式の保有期間によって得た「キャピタルゲイン」に対する課税の税率を変えることで対応するという方法も考えられるのではないでしょうか。
企業にとって、最も大切なのは「安定株主」です。短期の業績の変動や市場の人気を読んでキャピタルゲインを狙う投資家は、企業への安定資金提供者てはなく、逆に、往々株価の変動を大きくして経営の不安定をもたらすという事になるでしょう。
一方、企業に対して安定資金を提供し、企業の安定を支援することは、ひいては国民経済の成長、社会の安定と発展に貢献するという意味を持つと考えてよいでしょう。
そう考えれば、国の税制としても、今日のように株式売買益であれば一律22.1%(源泉徴収の場合、申告の場合は一律20%(国税地方税計)で、更にインカムゲインである配当所得も同率というのは、ほとんど合理性のない税制という事になるのではないでしょうか。
しかも今日の国際投機資本などは、巨大な資金を持ち、自力で相場を作るほどの影響力を駆使して、多様な形でキャピタルゲインを追求する様子さえも垣間見えるところです。
今日は総選挙で、次期政権はどうなるかまだ解りませんが、岸田政権は「新しい資本主義」の検討会を立ち上げ、分配と成長の問題を早急に纏めると言っています。
実体経済の活動の結果のGDPの分配、それを社会の公正の立場から再分配を行う政府の社会保障制度、それを混乱させるような金融取引から生じるキャピタルゲインによる格差社会化の傾向が日本でも顕著のようです。
岸田政権は、何故か早々金融所得課税の検討は封印したようですが、それで「分配と成長」の本格的な検討が可能なのでしょか。
明朝にかけて、総選挙の結果を見ながら、日本の将来をどう見たらいいのか、眼の離せない2021年10月31日、月末の日曜日です。