株価推移 15,915前日比-430(-2.63%)
大東建託の2016年4~12月期連結経常利益は前年同期比約2割増の1000億円強だったようだ。同期間では8期連続の最高益で初めて1000億円を超えた。低金利を受け、投資や相続税対策で賃貸アパートを建てる個人の需要を取り込んだ。足元では賃貸アパートの受注が3カ月連続で前年割れしており、住宅市場の変調を指摘する声もある。
16年4~12月期の売上高は5%増の1兆1000億円前後とみられる。
収益をけん引したのは賃貸アパートの建設だ。15年に2%程度だったアパートローン金利は日銀が昨年2月、マイナス金利政策を導入以降、1%台半ばまで低下。低利で借り入れた資金で投資用にアパートを建て、賃料で毎月安定した収益を目指す個人が増えている。
大東建は15年春に受注価格を5%程度引き上げた。その後、資材や人件費の伸びが一服し完成工事利益率が改善した。
相続税対策の需要も引き続き旺盛だ。15年の税制改正で相続税の課税対象が広がった。節税対策としてローンを組んでアパート経営に乗り出す個人が増えている。大東建は都市部のほか、地方で主要駅近くの古いアパートを建て替える需要を取り込んだ。
建設したアパートを管理する事業も好調で、自社の管理物件は今年1月、100万戸を超えた。空室率は3%前後とほぼ満室が続く。大家から受け取る空室保証料や管理手数料が増えた。
ただ、不動産市況には変化の兆しが見え始めている。長期金利が再びプラス圏に浮上し、アパートローンが伸び悩む可能性が出てきた。大東建でも賃貸アパートの受注が昨年10月以降、3カ月連続で前年を下回る。完成まで半年から10カ月程度かかるため、受注高は業績の先行指標とされる。
17年3月期通期の連結業績は売上高が前期比6%増の1兆4980億円、経常利益は16%増の1220億円とする従来予想を据え置く公算が大きい。9期連続の最高益を見込む。
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