*強いモノをさらに強くする政策、特に更新が必要な消耗品は、収益性が高い、10%画標準である、
ダイキン工業はほこりなどを取り除く換気フィルターのスウェーデン大手ディンエアを買収した。米国のフィルター販売会社も2017年1月にも買収する。取得額は合計100億円弱。換気フィルターは健康志向の高まりで欧米を中心に需要が高まっている。現地企業の買収で欧米の換気装置事業を強化する。
換気フィルターはオフィスビルや工場の空調や換気設備などに取り付ける。20年の世界需要は15年に比べ3割増の5700億円に膨らむとされる。欧米が7割を占める。ダイキンは16年4月に米換気フィルター最大手のフランダース(ノースカロライナ州)を500億円強で買収。発電所向けなどもあわせ換気事業の売上高が年1千億円と世界首位になった。
ディンエアは1989年設立で年間売上高は約50億円。スウェーデンとフィンランド、ラトビアに生産拠点があり、ビルや工場など向けが主力。創業家や投資ファンドなどから全株式を買い取った。買収によって品ぞろえを広げ、ドイツやフランスなど欧州の主力市場にも事業展開する。
ダイキンはスロバキアに持つフィルター子会社とディンエアの生産配分を見直して、コスト削減につなげる考え。ディンエアの顧客向けにダイキンの業務用エアコンを売り込むこともできるとみている。
米国ではカリフォルニア州で換気フィルターの販売会社を買収する交渉を進めている。ダイキンとして大市場ながら手薄だった西海岸に販売網を広げ、顧客サービスを強化する。
ダイキンは21年3月期に連結売上高を3兆円(前期比5割増)に引き上げる中期計画を6月に公表した。売上高の9割を占めるエアコンでは東南アジアで相次ぎ新工場建設を進めている。ただ十河政則社長は「エアコンと相乗効果が見込める分野で新たな収益の柱が必要」とみて、欧米の換気フィルター企業の買収を検討していた。
換気フィルターは定期的に交換が必要となり安定した需要が見込める。新興国でも微小粒子状物質「PM2.5」対策の需要が伸びており、ダイキンは21年3月期に換気事業の売上高を1700億円以上に引き上げる方