寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3654話) 進路の選択

2024年04月12日 | 人生

 “教員歴14年目にして2度目の高校3年生担任を務め、1日の卒業式で送り出しました。前回の卒業生の担任は10年前。前任校の進学向けクラスでした。ほとんどが大学を受験する中、クラス室長の男子生徒は皆より早く社会に出ることを望み進学も就職もせず、あえてフリーターとなりました。進路指導をする私も当初それが彼の意向とはいえ、「これでいいのか」と悩みましたが、彼の性格や誠実さを知るうちに彼の選択を信じることにしました。高校卒業後、彼は自転車会社のアルバイト、店長を経て今やその会社の社長をしているそうです。
 今回送り出したクラスでも大半の生徒が進学を希望しました。残念ながら卒業しても進学先が決まらない生徒もいます。生徒は十人十色、進路選択に正解はありません。卒業生を信じ、卒業後も私は彼らを応援したいと思います。”(3月9日付け中日新聞)

 愛知県北名古屋市の高校教員・小川さん(女・37)の投稿文です。優秀な生徒が、高校で止めてフリーターになるという。進路指導の先生は驚いた。就職するというならまだしも、フリーターである。でもこの生徒は後に店長、社長にもなるのである。この生徒なりの考えがあったのであろうか。人間学歴でないことや、人柄が重要なこともボクにも分かっているつもりだ。でもそれが分かるのは結果を見てである。事前にどこまで信じられるだろうか。
 この話を聞くと、ボクの孫のことを思わざるを得ない。大学を中退、今24歳、フリーターである。今時間を見つけて絵を描いている。何とか自活しているようであるが、それで生活ができるとは思えない。30歳までに自分の道を見つけるとボクの前で言ったので、今はそれを信じるのみである。先生と同じ状況かもしれない。


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