寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
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(第3380話) 旅行プラン

2022年09月18日 | 人生

 “若いころ、私の愛読書は時刻表だった。友人たちと会話中、「どっか行きたいね」となることが多かった。そうなると時刻表の出番。当時は鉄道もバスも多かった。効率的に観光地を巡る行程を作り、旅行社には乗り物のチケットと宿泊先の手配を頼むだけ。夜行を使ったこともある。実際には行かなくても、計画を立てるだけで楽しかった。
 それが乗り物の減便で難しくなっていった。待ち時間が増えて観光地を回りきれないのだ。運転免許がないからレンタカーも無理。次第に効率よく回れるツアー中心となり、時刻表の出番がなくなった。
 この話を若い子にすると昭和の遺物かと笑う。私はあのプランが出来上がった時の楽しさを知らない子を可哀想に思う。”(8月28日付け中日新聞)

 「300文字小説」から、名古屋市の荒川さん(女・73)の作品です。これは荒川さんの思い出でしょう。我々の世代にはこうした思い出を持つ人は多いでしょう。旅をするには普通にはこれしかなかったのですから。ボクも少なからずあります。いくつものページにしおりを挟みながら列車を繋いでいく。苦労するだけに出来上がったた時の満足は大きかったものです。妻はもとより友人と出かける時もボクの役目でした。いつも時刻表は本棚にありました。なくなってどのくらいになるだろう。今はインターネットで調べれば一発です。便利ですが、喜びはないでしょう。便利になると言うことは、喜びの減少にも繋がります。便利になった分、他に大きな喜びが見つかれば良いのですが。
 ボクの知人で、この時刻表調べを今も楽しんでしている人があります。これは知的遊びでもあります。時間を楽しんで使う、高齢者にはこれが一番でしょう。


1 コメント

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Unknown (Unknown)
2022-09-19 10:20:09
手作り旅のプランほど楽しいものはない。
私は若い頃から乗り鉄女です。コロナで三年ほど遠慮はしていたものの、今年は我慢の緒がきれて仲間三人と月日を確保すると、早速図書館通いです。お得意の時刻表とにらめっこ。まさに至福の時間です。あっと言う間に半日がすぎてしまいます。観光案内書を調べこれぞと思うところはマーク。宿を決めるのも面白い。ほとんど休暇村のあるところをさがしますが、ないときはビジネスホテルであったり、普通の宿を探します。これも辺り外れがあり思い出いっぱいです。
家に帰ってネットで全てを確認です。おっしゃるように初めからネットで調べれば数分で行程もできてしまいますが、私はそれが気に入らないのです。時刻表とにらめっこが楽しいのです。
手作りし旅いつまで続けられるでしょうか。今、家には78枚の行程表があります。全てが私の歩いた、そして乗って旅した宝であり歴史です。
今年もまた新しい発見がありました。旅はステキです。特に手作り旅は最高です。
訪れた場所を忘れることはありません。

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