硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

悲しき紛争の歴史

2017-08-17 19:50:35 | 日記
録画してあったNHKスペシャル「戦慄の記録 インパール」「731部隊の真実」を観る。たいへん重たいテーマであったけれども、当時では言えなかった事、調べる事がタブーであったことを丁寧に掘り起こして、少しでも真実に迫ろうという試みが感じられて観る側もうんと考えさせられました。
二つの番組に共通するのは、「思考停止した組織トップの末路」「権威と利益に執着した個人が引き起こした弊害」「それによって交換された弱者の死」だと思いました。

命令だからと、問題を無視して命令を履行してしまう人々の心理は理解できますが、問題を無視して、人の命が掛かっていることを顧みず、命令を下す最高権力者の心理は到底理解できません。中途半端な状態であきらめてしまっては、被害を被ると思ったのかもしれませんが、好転しない状況下では、中途半端であろうとなかろうと結果は予測できそうな気がするのですが、結果論としては問題を先延ばしにして、被害を大きくしただけのように思います。そう思うと、知性や意思は、感情を納得させる力がないという岡潔さんの言葉が心に響いてきます。

時代の移行期には、様々な要因によって混乱が生じます。その混乱を軽減し軟着陸させる事がエリートと呼ばれる人たちの役割であると思うのですが、彼らが自身の感情に納得できなければ、同じような現象が繰り返されてしまうのも、仕方のない事かもしれません。

現在では、国が豊かになる為には領土を広げる事よりも、科学力や経済力、基本通貨を保持する国になる事が必要であるから、国同士の戦争が起こるとすれば、某国がミサイルを他の国に向けて発射し、攻撃を加えるか、大国が軍事的活動を有利に運ぶために小国へ侵攻するかしないと、小さな紛争は起こっても、国同士の衝突は起こらないと思いますが、残念なことに、紛争が起これば、いかなる時も倫理観や道徳観が無視される状況が生まれ、それによって多くの犠牲者が出てしまうのは、人類の性によるものなので、それに伴って紛争の歴史も繰り返されてゆくのかもしれません。