竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻3 歌番号81から85まで

2023年06月21日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻3
後撰和歌集 現代語訳 原文付 巻3
原文 美末幾仁安多留未幾
読下 巻三

原文 者留乃宇多之毛
読下 春歌下

歌番号八一
原文 於久留於本幾於本以万宇知幾三安比王可礼天乃知
安留止己呂尓天曽乃己恵遠幾々天徒可者之个留
読下 贈太政大臣あひ別れてのち、
ある所にてその声を聞きてつかはしける

原文 布知八良乃安幾多々安曾无乃者々
読下 藤原顕忠朝臣の母

原文 宇久比須乃奈久奈留己恵者无可之尓天和可三飛止川乃安良寸毛安留可奈
和歌 うくひすの なくなるこゑは むかしにて わかみひとつの あらすもあるかな
読下 鴬の鳴くなる声は昔にて我が身一つのあらずもあるかな
解釈 鶯の鳴く声は昔のままだが、私だけが、昔と同じ一つ身のままじゃないようです。

歌番号八二
原文 佐久良乃者奈乃加免尓左世利个留可知利个留遠
三天奈加川可佐尓川可者之个留
読下 桜の花の瓶に挿せりけるが散りけるを
見て、中務につかはしける

原文 徒良由幾
読下 つらゆき(紀貫之)

原文 飛佐之加礼安多尓知留奈止佐久良者奈加女尓左世礼止宇川呂比尓个利
和歌 ひさしかれ あたにちるなと さくらはな かめにさせれと うつろひにけり
読下 久しかれあだに散るなと桜花瓶に挿せれど移ろひにけり
解釈 久しく咲いていて欲しい、むやみに散るなと、桜の花枝を、千年の齢を持つと言う亀、その言葉の響きのような瓶に挿したけれど、散ってしまいました。

歌番号八三
原文 可部之
読下 返し

原文 奈加川可佐
読下 中務

原文 千世布部幾加女尓佐世礼止佐久良者奈止満良武己止八川祢尓也八安良奴
和歌 ちよふへき かめにさせれと さくらはな とまらむことは つねにやはあらぬ
読下 千世ふべき瓶に挿せれど桜花とまらむ事は常にやはあらぬ
解釈 千年の齢を持つと言う亀、その瓶の響きを持つ瓶に花枝を挿したけれど、桜の花がとどまらずに散ってしまうことは常のことではないでしょうか。

歌番号八四
原文 多以之良寸
読下 題知らす

原文 与美比止毛
読下 詠み人も

原文 知利奴部幾者奈乃可幾利者遠之奈部天以徒礼止毛奈久於之幾者留可奈
和歌 ちりぬへき はなのかきりは おしなへて いつれともなく をしきはるかな
読下 散りぬべき花の限りはおしなべていづれともなく惜しき春かな
解釈 散ってしまうはずなのが花の定めではあるが、それでも、どの花だけはではないが、散ってしまうのが惜しい春ですね。

歌番号八五
原文 安佐多々安曾无止奈利尓者部利个留尓佐久良乃
以多宇知利遣礼者以比川加者之个留
読下 朝忠朝臣隣に侍りけるに、桜の
いたう散りければ、言ひつかはしける

原文 以世
読下 伊勢

原文 加幾己之尓知利久留者奈遠三留与利者祢己女尓可世乃布幾毛己左奈无
和歌 かきこしに ちりくるはなを みるよりは ねこめにかせの ふきもこさなむ
読下 垣越しに散り来る花を見るよりは根込めに風の吹きも越さなん
解釈 隣から垣根越しに散って来る桜の花びらをちらりちらりと見るよりは、いっそのこと、根ごとに風が吹き飛ばして桜の木を私の屋敷へと寄こさないものでしょうか。

コメント
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