逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

庶民の「命」より「風評被害」を心配する政府安全院

2011年04月01日 | 放射能と情報操作

IAEA『飯舘村に避難勧告』時事通信 3月31日(木)

国際原子力機関(IAEA)のフローリー事務次長は30日、福島第1原発の北西約40キロの避難地域に指定されていない福島県飯舘村について、高い濃度の放射性物質が検出されたとして、住民に避難を勧告するよう日本政府に促した。
同事務次長は『飯舘村の放射性物質はIAEAの避難基準を上回っている』と指摘。
日本側からは調査を開始したとの連絡があったことを明らかにした。 
国際原子力機関(IAEA)のエレナ・ブグロバ緊急事象センター長は、『同機関が避難を勧告する量の2倍に値する1メートルあたり2メガベクレルの放射線を計測した』と語る。
 環境団体グリーンピースは今週初めから毎時10マイクロシーベルトまでに至る放射能を計測しており、『飯館村の住民達、特に子供や妊娠中の女性にとって有害なのは明らかだ。日本政府は科学的な証拠よりも政治を優先させている』と抗議しているが、日本政府は『測定は信頼性に欠ける』と無視している。
福島第1原発:IAEA2000万ベクレルに上方修正
(毎日新聞 2011年4月1日)
国際原子力機関(IAEA)は3月31日、福島県飯舘村の土壌からIAEAの避難基準を上回るヨウ素131で、測定値は1平方メートル当たり約2000万ベクレルだったと上方修正。
IAEA当局者は30日の記者会見で2メガベクレル(200万ベクレル)としていた。
『避難基準下回る』飯舘村の放射性物質―IAEA
(時事通信 4月2日土)
国際原子力機関(IAEA)は1日、福島第1原発の北西約40キロの福島県飯舘村で検出された放射性物質のレベルがIAEAの避難基準を下回ったことを明らかにした。
担当者は1日の会見で、『ヨウ素131は平均約700万ベクレルに下がった』と説明した。
IAEAは新たに原子炉の専門家を日本に派遣。
IAEAは既に、放射線測定や海水の放射性物質分析の専門家を日本に派遣している。 

『IAEAの避難区域拡大勧告を日本政府が拒否 』

長期なら健康被害を認めているのに・・・
高い濃度の放射性物質が検出された飯舘村住民に『避難勧告』するよう国際原子力機関(IAEA)は日本政府に要請したが、日本政府の枝野幸男官房長官は、
『直ちにそうしたもの(状況)ではない。』との認識を示した。
その一方、
『長期間そうした土壌の地域にいると、その蓄積で健康被害の可能性が生じる性質のものなので、しっかり把握し対処していかなければならない。』
『(土壌汚染が)人体に影響を及ぼす可能性のある長期間になれば、退避などを検討しなければならない。その必要が生じた時にタイミングが遅れないように万全を期したい』とも語る。
普通、一般住民とは『長期間そうした土壌の地域にいる』人のことですが、・・・政府の無責任な態度には言葉もありません。

飯館村『避難必要ない』保安院が独自に試算

経済産業省原子力安全・保安院は31日、独自に試算した数値を公表し、『避難の必要はない』と断定した。
保安院によると、文部科学省が計測している空気中の放射線量を基に、事故で放射性物質が飛散してからの住民の被ばく量を計算。
原子力安全委員会が公表する評価方法によれば、避難基準の半分となる約25ミリシーベルトとなったという。
保安院の西山英彦審議官は、
『各地で計測される放射線量が下がっている現象もある。』
『IAEAの基準をよく調べたいが、試算では落ち着いて考えれば大丈夫だ。』
としたが、
『放射線量が上がり、避難が必要となった場合は、遅れないよう対応したい。』とも語るが、
国際原子力機関(IAEA)の数値では十分に『放射線量が上がり』『避難が必要となった場合』に該当するので『遅れないよう対応』どころか、遅れすぎている。

『1日で、1年間の限度を超る』累積放射線量

文部科学省は31日、福島第1原発から北西約30キロの福島県浪江町で23~30日の166時間(7日弱)の累積放射線量が人工被ばく年間限度(1000マイクロシーベルト)の7倍超となる7490マイクロシーベルトに達したと発表した。
ほかに年間限度を超えたのは北西30キロの飯舘村で4449マイクロシーベルト、(1日645マイクロシーベルト、1日半で年間放射線限度量)
西北西30キロの浪江町の別の地点で3428マイクロシーベルト、(1日497マイクロシーベルト、2日で年間放射線限度量)

『米軍のトモダチオペレーションを支援する日本のメディア』

放射線障害から米軍艦船や米兵を保護する為に福島第一原発から半径50海里(93キロ)以上離れた地点での大震災支援活動の報道(宣伝・広報活動)を、30日から一斉に日本側のマスコミ各社が突然行いだした。
全く同一の映像を横並びに使う様は異様であり、アメリカ軍の宣伝広報活動に日本側が全面協力している模様である。
米軍精鋭部隊パラシュート降下、瓦礫の仙台空港を復旧
24日付米軍準機関紙「星条旗新聞」
『日本側はお手上げだった。だからノウハウを持ったわれわれが最初に復旧を手がけることにした』 米空軍のブッカー大尉は語った。
大尉が所属する沖縄県嘉手納基地の第320特殊戦術飛行中隊は16日、パラシュートで空挺隊員と装甲車ハンビーを 宮城県松島町上空付近から仙台空港に空中投下した。
同中隊は夜間や悪天候をついてひそかに敵の背後にパラシュート降下するのを得意とする、アフガン戦争にも投入された精鋭部隊。

『イスラエル軍医療チームを急遽受け入れ』

東日本大震災で宮城県南三陸町で29日、イスラエル軍関連の医師や看護師ら約50人の緊急医療チームは医療チームが被災者の診療を始めた。
イスラエル軍によると、医師は内科や耳鼻科、小児科、婦人科などで、軍の部隊として編成された。
今回の震災で外国政府が医療支援団を派遣するのは初めて。
日本の厚労省が海外の医師免許を持った人間に国内で医療活動を行うことを禁止していたが、その禁止を解いてイスラエルの医療援助団を受け入れた。
大震災直後の早い時期に日本政府の『来てください』との要請で、英国からせっかく救助のために飛んできたのに成田で足止めを喰い、
『日本は原則、日本以外の国の医師免許を持った人間が日本国内で活動する許可を出さない』として、突如英国政府からの書類が必要と言われ、その必要書類を英国大使館が出さなかったために何もせぬままUターン帰国させられることになった、国際災害救助隊(IRC)の対応とは大違いである。

『中国軍病院船派遣を日本側が拒否、医療チームも』

中国の程永華駐日大使は29日、在京大使館で記者会見し、東日本巨大地震の支援策として中国が申し出ていた海軍病院船派遣が、『港が壊れているので船が近づけない』との理由で、27日に日本側から断られたことを明らかにした。
軍の医療チーム派遣も断られたという。
また、中国はすでに2回にわたって緊急支援物資を届けているが、飲料水やゴム手袋などを送った2回目では、物資が日本に到着した後、日本側の求めにより、中国側が日本国内の運送会社を手配して被災地に運んだという。
程大使は、『被災地への運搬も援助国に頼られると、通れる道まで調べる必要があり、とまどいがある。調整があればもっと迅速に届いたのではないか。』と述べ、日本側に支援受け入れ体制の充実を求めた。
(2011年3月29日読売新聞)


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6 コメント

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Unknown (ななみ)
2011-04-01 19:12:06
命を失うのは将来の病気よりも身近な失業による餓死が先ですよ。
外国でも避難民を無条件に受け入れてくれる訳じゃないんでしょう?
日本人を放射能汚染されたと言って差別して、今現在殺しているのは海外の方だと思いますが。
返信する
ななみさん、はじめまして。 コメント有難う御座います (宗純)
2011-04-02 14:59:26
当ブログではタイトルや名前の無いコメントは塵として掲載しないローカルルールがあります。
良好なブログ環境の維持とコメントの管理上タイトルが是非とも必要です。
何でも結構ですから次回のコメント投稿時にはタイトルを忘れないようにお願い致します。

なにか癒しがたい『怒り』や『悲しみ』などのどす黒い負の感情だけは判るが、
論理的な意味がよく分からない混乱した文章なのですが、原発事故の放射能汚染で政府が出荷制限を行ったために将来を悲観した農民が自殺した悲劇が生まれてしまったが、
今回の被災民の内で何人かの餓死者が出たのでしょうか。
私は残念ながら寡聞にして、そのような情報はまったく知りません。
それは多分日本以外のインドネシアあたりの大津波の話と混同しての、勘違いでしょう。
また人道上、文明国なら日本でなくても生命に危険があるなら『避難民を無条件に受け入れてくれる』ものですよ。
>『日本人を放射能汚染されたと言って差別して、今現在殺しているのは海外』なるものの存在は今初めて、このコメントで知りました。
事実であるなら、絶対に許されないことであり、大々的に事実を明らかにするべきである。
また反対に事実で無いなら、
典型的な流言飛語であり、悪質すぎる許されない恥ずべき言動ですが、果たして何れなのでしょうか。
ななみさん、御自分が何に対して怒っているかのを今一度立ち止まって『事実は何であるか』と冷静に考える必要があるでしょう。
今回の事では我々日本人の一人ひとりが例外なく怒る権利があると思いますが、今の方向は残念ながら根本的に間違っています。
事実であればどれほど不都合であれ受け入れますが、他人の妄想を聞かされるのは不愉快です。
客観的事実には関心があるが他人の主観には何の関心もありません。
事実に合致し無い流言飛語を書くことは誰であれ悪いことですよ。ななみさんには大いに反省して頂きたい。

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住民も作業員も賎民あつかい (伯爵)
2011-04-03 09:57:39
内閣府の原子力安全委員会は、作業員があらかじめ造血幹細胞を採取保存しておくのを「不要」と判断していたそうです。 何の権利があって、人の健康を勝手に見下すことができるのでしょうか。 これは、日本政府が飯舘村の住民避難勧告を行なわないのと同様の賎民(せんみん)差別です。

⇒ 造血幹細胞は、作業員が万一白血病などを発症したときに、造血幹細胞の移植治療をおこなうためのものです。(自分の細胞なので治療効果が高く、合併症も防げる。) 費用の自己負担は約20万円で、採取は採血で行なわれ手術の必要はない。

原発事故に関しても、現場で従事する作業員達は、今回の事故以前から津波が起こることは常に意識していたそうです。 ひょっとすると、東電の幹部達は、原発事故が起きて放射漏れが起こっても「被害を受けるのは庶民(賎民)だからと軽視」して、利益優先に走って災害対策を手抜きしたのではないかという気がします。
返信する
死に損の民間軍事会社の民兵 (宗純)
2011-04-03 16:14:57
伯爵さん、コメント有難う御座います。

福島第一原発4号機で2名が死亡していることが見付かったと読売が報道しているのですが、
『3月11日4号機で行方不明の2人の遺体3月30日、4号機タービン建屋の地下1階で東電社員2人が見つかった。1人は水面に浮かんだ状態』
との事ですが、今日は4月3日で4日も前の昔の話ですよ。
東電は丸々4日間も隠し続けていたらしい。
正社員でもこの扱いでは下請けの臨時雇用では『おして知るべし』でもっと酷い話であると思います。
イラクやアフガンなどでも正規雇用の軍人の扱いよりも民間軍事会社の民兵の扱いは格段に差がある。
危険な個所では日当が10万円ももらえるのですが死んでも保証が無く涙金で誤魔化すし、戦死ではないので死者の数にカウントされない。密かに砂漠に遺体を捨てているとの戦慄すべき報道まで有る
福島原発でも被災地の失業している人に対して日当8万円とか40万円の高額で臨時作業員を募集しているとの噂も出ています。

造血幹細胞は骨髄から採取するので全身麻酔の手術が必要で4日程度の入院と体にも負担があるようです。
幹細胞は血液にも僅かにあるので血液からも採取できるがこれも数時間必要であり、通常は矢張り数日間の入院が必要であるようです。
現在400人もが福島原発で作業しているのですが、人数的に多すぎて『したくても無理』なのでしょう。
必要な作業の人数が確保できないのです。
住民の避難勧告を拒否している理由ですが、これがよく分かりません。
対象者は数万人程度ですが、この程度なら受け入れ先は何処にでも確保できます。
避難させない理由とは、風評被害程度しか考えられないが、それならすぐさま避難させるべきなのです。
極悪非道な無責任話ですね。
管直人や枝野は、それなら悪党中の大悪党と言えるですが、もう一つのもっと酷い悲惨な可能性もあるのですね。
隠されている本当の理由ですが、実は数万人程度ではなくて、関東圏の広い範囲の避難が必要なので、それなら数千万人も退避の対象者があり、信じられないくらいの莫大な数です。
これでは管直人や枝野でなくても、誰であれ避難させたくても絶対にさせられない。
今知らされているよりももっと悪い可能性が有るのですが、これは恐ろしすぎる。
ですから私としては管直人が単なる無責任な大悪党であることを密かに祈っているのですね。
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日本国民は騙されているのか (伯爵)
2011-04-03 17:59:44
飯舘村ですが、風によって放射性物質が流された影響で何箇所かの20キロ圏内の地点よりも明らかに数値が高い事実(3月30日の会見で避難勧告基準の2倍の数値)があり、避難勧告しないのは全く理屈に合いません。 ところがその後、3月19日から29日までの間に15回調べ分析した結果、福島第1原発の北西約40キロの福島県飯舘村3件の土壌から検出された放射性物質の検出数値がIAEAの避難勧告基準を下回った、と発表されました。

ちなみに、これまで世界中で1945年以降、推定2048回の核実験が行なわれており、そのうちの573回は大気圏内で実施されたそうです。 特に、1961~84年にかけては毎週一回以上行なわれていました。 当時は、世界中の背景放射線値が高かったのですが、これが問題にされた記録(記憶)は余りありません(当時のことは覚えていないので)。 この事象を盾にして、福島原発による放射能汚染の値当時よりも低いので問題にするに当たらない、とする論調も一部で見られます。 厄介なことですが、正確な事実と専門的な分析が必要です。

造血幹細胞採取の費用は20万円だそうです。 作業員(現在400人?)の負担および長期戦を考慮すると、1000人くらい必要という話もあるので、人員確保のためにも必要ではないかと思いますね。
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やっぱり使い捨てなのです (宗純)
2011-04-04 09:43:11
伯爵さん、コメント有難う御座います。

造血幹細胞採取の必要性ですが、何十年の単位で考えれば日本造血細胞移植学会や国立がん研究センター等専門家でなくても、誰でも必要性には気が付くはずです。
ただ放射能ですが、東海村臨界事故でも判る様に、直ぐには影響が出ないのですね。(後から影響がでる)
渡海村臨界事故の時も誰も造血幹細胞採取を行っていない。
東海村事故でも今回でも共通することですが、過去の事例では、大線量の放射線による被曝ではさまざまな障害が同時に起こり、直接の死因は皮膚や肺など他の臓器の損傷で骨髄では無い場合が多い。
一番大事なのは、『放射線を浴びない』と言う当たり前の話になって仕舞うのです。
出来る限りの大人数を確保して、一人当たりの被曝量を減らす工夫が大事なので、造血幹細胞採取・保存はやはり『やりたくても、やれない』のが現状でしょう。
少数が大量に被曝する事が確実な場合には有効だと思いますが、今回はそれよりも悪い状態であり、
大量の作業員の『使い捨て』をせざるを得ない非常時であり、何とも悲惨な有様なのです。

飯舘村ですが、新しい爆発が無い限り放射線量が減るのは当たり前であり、半減期の短い放射性物質の数値が時間と共に低下しているのでしょう。
放射線の強さは半減期の短い方が影響が大きいとされているのですが、それなら汚染源との距離が大きく問題となります。
ですから60年代の大気圏核実験を行っていた当時は、ストロンチウム90などの半減期の長い物質が日本国内で沢山検出されていたのです。
短いものは汚染源近くだけにほぼ限定されるでしょう。
この時の影響ですが、基本的に判らないのですよ。
明らかな影響があったとされる統計もありますが、その反対の統計も有る。
結果が出るのが何十年も先であり可也長いし、しかも他の毒物のように確定的な閾値が無くて、確率的にしか結果が現れず放射能との関連を証明することは困難でほぼ不可能に近い難事なのですね。
ラジウムの発見などでノーベル賞を二つも貰ったマリー・キュリーですが放射線の影響で死亡しているのですが、ラジウムやポロニウムを防護服なしで扱っていたしX線検査も防護なしで行っていた。
危険性が分かっていなかったのでX線が靴のサイズ測定にまで利用されていたとの何とも信じられない恐るべき話まで残っているが、そんな無茶苦茶なことをしていてもマリ・キュリーは66歳まで色ろな障害に悩まされながらですが、ともかくも生存している。
死因は白血病なので、彼女こそ造血幹細胞採取の必要があったのですが、それにしても放射能の怖さは原因と結果がストレートに結び付かずに確率的に現れることでしょう。
マリー・キュリーの死と彼女の行っていた研究の関連性ですが、原因として推測されるだけであり証明が出来ないのです。
このように、よく分からないところが放射能のこわいのですね。
ところが今度のことでは、原発とは営業として完成された技術などではなくて、その正反対の未知の克服し無ければならない困難な、暴走した時には誰にも止められない巨大な実験装置であったとの驚愕の事実ですね。
今度のことでは、これだけはようやく、はっきりしました。
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