逝きし世の面影

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世論誘導疑惑 米「最も関心」大震災6割り、リビアは5% 

2011年03月31日 | 軍事、外交

『世論誘導は完全には成功していない』

【ワシントン時事】3月30日(水)
米調査機関は、主要な新聞、テレビなどによる最近の報道のうち、どれに最も関心を持って見たかを尋ねたところ、東日本大震災と答えた人が57%に上り、他を大きく引き離したとの調査結果を発表した。
2位以下は原油価格高騰(11%)、経済(5%)、リビア情勢(5%)の順だった。
また、14〜20日の主要メディアの全報道量に占める各ニュースの割合は、東日本大震災が57%とトップで、2位のリビア情勢(13%)の4倍以上となった。 

産経、『米国民最大の関心は日本の大震災、全体の57% リビア関係は15%』との見出しが(阿呆なのか意識的なのか)間違っている。
通信社から転載しただけの同じ記事内容なのに(産経以外)各社は『米57%が最も関心』なのに、やっぱり何時ものように産経だけは微妙に間違う。
リビアはメディア側は必死になって宣伝しようとしているのだが、悲しいかな報道すべき確かな内容が何も無い。
仕方なしに水増しした記事で報道量が13%なのだが、対して市民の関心度は5%とマスコミ報道量の三分の一の少なさ。
対照的に日本の大震災のマスコミの報道量と市民の関心度は57%の同数でピッタリ一致している。
マスコミ報道も客商売であり、通常は人気が無ければ報道も減るので概ね関心度と報道量は一致する。
ところがリビア報道では市民関心度の三倍の格差があるが、この事実は何を意味しているのか。

『3基とも最後の圧力容器が損傷』

原子力安全委員会は30日福島第1原子力発電所の1~3号機について『圧力容器が損傷しているのは事実だろう』。
1~3号機は原子炉に真水を注入するが、不安定な状態。汚染水の排水作業も難航。
安全委の代谷誠治委員は『圧力容器と格納容器の圧力差が小さく、圧力容器が健全に保たれているとは思えない』。
『制御棒を出し入れする部分が温度や圧力の変化で弱くなり、圧力容器から(水などが)漏れていることも考えられる』。
圧力容器損傷後の30日以降は、それ以前とは大きく様子が違い新聞の第一面の一番大きなニュースから原発が消えて終う。
原発の致命的な損傷以降は、一番目のニュースではなく3月11日~3月12日昼(1号機爆発以前)までのような津波や震災の方に報道の主力がシフトしていることが明らか。

『釜の底に穴が開いていた危険な沸騰水型』

スリーマイル島原発では空焚きで燃料棒が溶解しても圧力容器が最後まで耐えた。
これに対して福島原発が格納容器が駄目になった原因とは、日本では主流の沸騰水型原子炉の根本的な弱点がある。
スリーマイルは加圧水型で圧力容器の釜の下は何も無い単純な構造ですが、沸騰水型は貫通穴が幾つもある愚劣な設計である。
福島第一でも制御棒を下から入れる構造の沸騰水型ではなくて、上から入れる加圧水型なら未だに釜の底がもっていた可能性が高いでしょう。
沸騰水型は蒸気発生器が無い分割安だが、燃料棒の溶解に対して加圧水型よりも脆弱だった。
因みに陸上に固定されて設置されている原発と比べられない位に、事前により大きな危険性が考えられる原潜や原子力空母では沸騰水型ではなく全て加圧水型の原子炉を搭載している。
燃料棒が溶解するメルトダウン事故時には釜の底に溶解した高温のウラン燃料などが溜まる事は、スリーマイルで実証済み。
それなら25年前のスリーマイル事故時点で、地震大国の日本では根本的な弱点がある沸騰水型は操業停止にするぐらいの慎重さが必要だったのでしょう。
ところが日本では『安全神話』に惑わされて、政府も東電も何もしなかった。
因みに東電と浜岡原発の中部電力、東北電力以外の原発は沸騰水型ではなく加圧水型。
大事な個所に弱点になる沢山の穴がある愚劣な設計といえばスペースシャトルも同じで、船体側面にロケットなら有り得ない着陸時の車輪などの格納穴が沢山開いている。
後2回だけでスペースシャトルは退役になるのですが、このまま無事に何事もなく終わって欲しいものですね。

『マスコミ検閲と情報操作疑惑』

『隠す方が余計に目立つ』
あからさまで露骨で、見え見えの旧日本型の情報管理は誰の眼にも『検閲されている』と判って仕舞う重大な欠点があった。
それに、この旧日本方式では『何かが隠されている』事は誰にでも判るし、それ以上問題なのは、ある程度以上の知性があるインテリ層では『話』の前後から類推すれば容易に『隠されている中身』までが判って仕舞うのです。
日本を占領した『情報宣伝戦』を最も得意とするアメリカ軍は検閲や『隠蔽工作』でも手際が良い。
今までの日本型とは大きく違い、スマートで巧妙に検閲の事実が判らないように工作して、今までの日本人の普通の知識程度では『隠されている』との明確な事実が誰にも判らない仕組みを作り上げる。
今の情報宣伝のやり方は、当時よりもっと巧妙に進化していて、『知られたくないニュース』は隠すのではなくて、耐震偽装にはライブドアのホリエモン騒動のように、それに変わるもっと面白そうなニュースの洪水で埋め尽くす。
人は人波の中に隠し、ニュースはニュースの氾濫で隠蔽する。
それでも漏れ出してくる都合の悪いニュースは『死人に口無し』で関係者が突然自殺する。
それでも漏れるときは痴漢とか汚職などスキャンダルを作り出して『悪人に口なし』で発言を封じる。
あの何も考えていない様に見える能天気な自民党参議院議員の山本一太ですら、『自分は絶対に自殺しない。麻薬もしないし痴漢もしない』ので『もしもの時には』決してマスコミ報道を信じないで欲しいとブログで叫んでいる。
それでも漏れ出すニュースには『悪質なデマ』であるとか『陰謀論』であるとか、『とんでも』と呼んでお笑いや色物扱いで誤魔化す等の多重防護システムが完備しているのですね。
そうです。
昔の日本の様に何かを隠そうと色々工作すれば、余計に目立つのですよ。
だから今のアメリカ型は隠さない。
見え見えの旧日本軍的な検閲では、他から冷静に見れば自分で『悪いことを隠しています』と告白しているのと意味は同じ程度で、少しの知識で誰にでもインチキが判って仕舞う。

『リビア空爆は核事故の隠蔽工作の可能性』

今度の福島第一原発ですが、これは日本一国の大問題ではなくて原発を推進していたアメリカやフランス、イギリスの大問題でもある。
特に一番困っているのは多分フランスですよ。
この国は『国策』として原発を推進していた。
国内の電力需要の8割は原発であり、実は原発に依存しすぎてトンデモナイ危ない綱渡り状態なのです。
飛行機の事故の大多数は巡航中ではなくて離陸と着陸時の事故なのですが、これは原発でも同じで、運転開始時と停止時に危険が集中する。
電力はどの国でも昼と夜とでは需要が大きく違う。
普通は制御が簡単な火力発電の電力で需給ギャップをカバーしているのですがフランスでは原発のシェアが大きすぎて火力だけでは賄いきれず、恐ろしいことに原発でも行っている。
3・11以後は海外でも日本の原発事故のニュースの6割を占めているのです。
これはフランスにとっては都合が悪すぎる。
フランスのサルコジ大統領が率先して行った、あの意味不明の軍事行動の終着点がまったく決められていない無謀すぎるリビア軍事介入の目的とは、大衆の目を原発事故のニュースから反らす目的であることが十分考えられる。
リビアへの軍事介入ですが、どちらに転んでも誰も得するものが無い不思議すぎる悪い戦争である。
それなら大事なニュースを隠蔽する目的以上の理由が、何一つも考えられない。
本当にフランスや米英のリビア空爆の主張が正しいと仮定するなら、リビア以上に民主的でないサウジアラビヤやアラブ首長国やイスラエルなど中東の全てのアメリカの同盟国の国々をNATOが軒並み空爆しないと辻褄が合わないとの不思議過ぎる話になる。
リビアのカダフィが独裁者であることは、イラクのフセインが独裁者であったことが事実であるように欧米の主張の通りであるが、当時のイラクや今のリビアが(欧米先進諸国からすれば見劣りするが)周辺中東諸国と比べれば最も女性の権利が認められている民主的な制度を持っていた事実を絶対に忘れてはならない。



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2 コメント

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むしろ、日本国内の方が問題 (伯爵)
2011-04-01 17:48:03
もし、報道規制がかかったとすれば、第一には、報道機関の大口スポンサーである東電の(日本における)圧力ではないかと想像します。 東電にとって不利な情報が流れることは、二重、三重の意味で都合が悪いからです。

1. 福島第一原発の事故が人災だったことが次第に明らかになってきており、この事実が国民に伝わっては困る(経営責任問題)。
2. 不利な情報が流れることが被害者の感情を害することにつながり、補償問題がさらに大きくなる。
3. 原子力離れにより、原子力政策(新たな原発建設、プルサーマル/エネルギーサイクルの推進、など)が窮地に立たされる。

原子力離れは、米国、フランス、ロシアなどにとっても困ることなので、この事故を早く収束させるためには、彼らは協力を惜しまないはずです。

個人的意見ですが、リビア・北アフリカ・中東イスラム民主革命は欧米にとって重要度の高い問題なので外せないのだと思います。 自国の軍事行動が絡むのであれば尚更です。
産学共同体が動かす原子力の闇 (宗純)
2011-04-02 13:03:01
伯爵さん、コメント有難う御座います。

まったく仰られる通りであり完全に同意出来るコメントなのですが、リビアだけは少し見解が違います。
欧州にとってのリビアの位置とは、日本にとっての朝鮮半島と同じような近すぎる関係なのですね。
北アフリカで何か騒動があれば大勢の難民が自国に押しかけるのですよ。
これを欧州側は一番恐れている。
難民を原則受け入れない日本とは大きく違うのです。
建前上、欧州側が難民を受け入れない訳にはいかないのですね。
ですから今まで民主主義とは程遠いムバラクなどを支持し続けていたのです。
ところが今回のように空爆して介入した場合には、カダフィが完全勝利した場合には欧州側は自分たちの応援した反体制派を難民として無条件で受け入れる義務が生まれる。
欧米の宣伝とは裏腹に、リビアでのカダフィ支持派の方が反カダフィよりも圧倒的に優位にあるようですよ。
欧米の空爆直前、リビア政府軍が反政府派の最後の拠点だったベンガジを陥落させる寸前であった様なのですが、これをフランス等欧米が空爆で形勢逆転に持ち込もうとした。
フランスやアメリカの空爆が無ければ今頃はリビアでは元の状態に戻っていた筈ですが、基本的に欧米の遣り方は、北部同盟のように力量が反政府派にある程度有るアフガニスタンのような場合に限るのです。
アフガンでは空爆でタリバンを屈服させたが、今では形勢が再度逆転してNATOが大苦戦。
アフガンよりもリビアの方がNATOにとっては、もっと情勢は悪いらしいのです。
アフガンでもリビアでも同じですが、独裁対民主主義の争いではなくて基本的に部族紛争であり、今回のフランスやアメリカイギリスのような片側だけに片よった一方的な外国の干渉は大間違いなのです。
市民をリビア軍が空爆したと宣伝しているが何処の国でも反政府武装勢力の反乱に対しては空爆する。
この程度のことはフランスのサルコジは、私なんかよりもよほど詳しい。
だから絶対にこのような内政干渉の戦争はすべきでは無いのですね。
ところがサルコジが強引に空爆を始めてしまったのですから、これには何か『止むに止まれぬ』特別な何かの合理的な理由が絶対に有る。
何か無いと可笑しいのです。

それにしても今の日本のマスコミですが、原発の危険性を主張していた学者や技術者、市民団体を絶対に出さないで東京大学系の安全神話を推進していた人物だけを選抜して放送に出して喋られている。
これでは報道ではなくて事故前に流されていた『原発はクリーンで安全』との東京電力などのコマーシャルの延長線上の悪質なプロパガンダですね。
利益を優先して安全を軽んじた電力業界も悪いが、実は原子力では学会の方がもっと悪いのです。
そして今の学者を含む原子力関連業界の人物とは政府民主党も認めているように『ギルド的な内向き集団』なのですね。
事故以前から『原発は危ない』とのまともな正しい意見の学者は万年助手で虐げられて、電力会社や政府に近い学者だけが教授になれるのですから到底科学と呼べる水準には無くて、一蓮托生の産学共同体が事故後の今でも君臨しているのですから我々普通の日本人は救われません。

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