逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

放射線管理区域の基準を年間1ミリシーベルトから5ミリシーベルトに5倍増

2016年03月30日 | 放射能と情報操作
福島第一原発周辺の群馬県栃木県宮城県だけではなくて、人口密集地の東京都や千葉県の一部も放射線管理区域に指定されるべき3~6万Bq/㎡の汚染地区に含まれているので、日本政府が本来の法令を順守するなら即座に『除染』が必要な高濃度の放射能汚染度だった。『法的安定性は問題では無い』との塩崎首相補佐官発言がマスコミで問題とされたが、現実には日本国の法律が丸ごと頭から無視されているのですから『法的安定性』など5年前のフクシマで吹っ飛んでいて影も形も無くなっていた

『フクシマから5年が経過して、とうとうマスメディアが「放射線管理区域」を取り上げる』

3月29日付け毎日新聞オピニオン欄の、『ニュース解説』では『原発事故 救済の道は=田中洋之』(オピニオングループ)『事故5年後制定のチェルノブイリ法 被ばく年1ミリシーベルト超で「移住の権利」 』と題してして日本国の主要マスコミとして初めて本格的に『放射線管理区域』について取り上げて、フクシマとチェルノブイリとの対応の違いを指摘している。
また前日の毎日新聞28日夕刊の『特集ワイド 知』欄では、『今平和を語る』 『作家高村 薫さん』 『妄想に走る安倍政権にNOを』、『憲法の3原則 次世代に残さねば』(聞き手・専門編集委員広岩近広)と題して矢張り『放射線管理区域』について言及していた。
高村薫は、安倍政権の問題点とは、『もとはと言えば、一般の人たちの被曝限度は年間1ミリシーベルトだったはずです。』と5年前のフクシマがそもそもの原因であることを指摘したうえで、オリンピック開催や安保法案や非常事態宣言、憲法改正などすべては『妄想である』と厳しく断定する。
矢張り1ヶ月前から、(2011年の3:11フクシマが5年を経過して)日本全体で180度逆向きに大きく流れが変わっているのである。
日本の政府やマスコミの動きが以前とは大きく違っている事は明らか。
今から2年前にはビッグコミックスピリッツ(小学館)に長年連載されている人気連載漫画『美味しんぼ』が大論争の種になっていた。
『美味しんぼ』の中で井戸川・元双葉町々長の『福島で鼻血が多発している』との発言が、『被曝と鼻血に因果関係はなく、極めて非科学的』、『風評被害を煽るものだ』と猛烈なバッシングを受けていたが、実は人間どころか犬までが鼻血が止まらない。
NHKクローズアップ現代『いま福島を描くこと ~漫画家たちの模索~』6月2日(月)19:30放送(キャスター国谷裕子)では福島県での田舎暮らし描いたエッセイ漫画『今日もいい天気』では、『人も犬も鼻血、声が出ない』との、とんでもない体験談を山本おさむが描いていた。(福島第一原発事故での自主避難を描き、第42回 (2013年度)日本漫画家協会賞特別賞を受賞をしている)
原子炉4基が暴走する前代未聞、空前絶後。フクシマの未曾有のレベル7の核事故から3年後の2014年、日本政府や読売新聞などによる狂気の『鼻血バッシング』が吹き荒れる中で、京大原子炉実験所の小出 裕章助教は放射線管理区域(4万Bq/㎡ 空間線量に換算すると年間1ミリシーベルト)内に一般市民が普通に暮らす日本国の常軌を逸した違法状態について警告していた。

『汚染地域ではあらゆる病状が起こりうる』

(2年前の小出 裕章の警告)

日本が法治国家だというなら、東京都の一部を含む広大な地域が、放射線管理区域に指定されるべき汚染地である、という現実を直視しないといけません。
放射性物質を取り扱うことができる場所は、日本の法律によって特定の場所に限定されています。それが放射線管理区域です。
一般の人が立ち入ってはいけない場所であり、私だってここに入れば、水を飲んでも食事をしてもダメです。
管理区域から外に出る時には、汚染検査をしなければならないのですが、その基準値が4万Bq/㎡です。私の体のどこかに4万Bq/㎡を超える部分があれば、除染しないかぎり外へは出られないのです。
管理区域から4万Bq/㎡以上の汚染物=実験着などを持ち出すことも、禁止されています。
人間の住むところに4万Bq/㎡以上の汚染物があってはならないというのが、日本の法律です。私はこれを守り、汚染物を外に出さないように細心の注意を払ってきたつもりです。
(中国など多くの日本周辺の諸国は東北や北関東だけではなく『放射能に汚染している』として千葉や東京を含む10都県の水産物や農産品の全面輸入禁止を5年経った現在でも継続中。輸入禁止処置が解除される見込みは立っていない)

ところが、原発事故で4万Bq/㎡を超える汚染が、広大な地域に広がってしまいました。東京の一部も6万Bq/㎡を超えています。

地図上の④の地域は、60万Bq/㎡を超えている地域です。強制避難区域に指定され、10万人以上の人々が故郷を奪われました。濃いグレー③の地区は、10万Bq/㎡以上、次に濃いグレー②は、6~10万Bq/㎡の地域です。最も薄いグレー①は、3~6万Bq/㎡で、この地図は、政府発表のセシウムによる大地の線量図です。
私のような人間しか入っていけない上に水すら飲んではいけない場所に、一般の数百万人が普通に生活をしている、という異常な状態であることを、はっきり認識してほしいと思います。
このことが被曝の議論から抜け落ちていることが、まず不思議です。
緊急時だからということで、なし崩しに放置されていますが、現在の日本は、違法状態が続いていることを、まず確認すべきだと思います。
健康被害については、そういう汚染地の中ですから、さまざまな病状が出ると思います。どんな症状が出るかといえば、疫学調査もデータも不足しているので言い辛いのですが、必ず出るとされているのが、ガンと白血病です。どんな低線量被曝でもガンと白血病は発病する、というのが現在の科学の到達点です。
ただし、ガンと白血病は、被曝をしなくても発症する病気なので、その因果関係を立証するのは、たいへん困難です。そのためには、綿密な疫学調査計画を立てて調査し続けることが必要です。ところがこの国の政府は、被害を隠そうとしていますから、綿密な疫学調査は行われないのではないかと危惧しています。

放射線管理区域の中でも作業者が容易に触れることができる表面は、40万Bq/㎡を超えてはいけない、と定められています。

つまり、放射線管理区域の中でも、40万Bq/㎡を超える物体があってはならないのです。
ですから、60万Bq/㎡を超える地域というのは、私にとって想像もできない場所です。さすがにこの地域は帰還困難地域ですが、そのすぐ外側の59万Bq/㎡の汚染地域住民には、帰還しなさいと言っているのです。住民には、赤ちゃんも子どもも含まれてしまいます。
そもそも放射線管理区域(4万Bq/㎡ 年間被曝量1ミリシーベルト)は、18才未満の者が立ち入ってはいけない地域なのです。こんな場所に子どもを含めて帰すなどということは、到底ありえない施策です。

(現在も進行している非人道的な犯罪行為)

表面汚染=60万Bq/㎡の基準は、年間被曝量に換算すると、概ね20㍉Sv/年となります。これは、放射線業務従事者という特殊な仕事をする人だけに許した基準です。それを一般の人、赤ん坊や子どもにも許すという政策なのです。
民主党政権時代に、「20㍉Sv/年までは我慢させる」という方針が打ち出された際、内閣府参与だった小佐古敏荘さんが、涙の辞任会見をしました。彼は私の論争相手で、あちこちで「被曝なんて怖くない」と言い歩いていた人です。
その小佐古さんが「自分の孫をそんな目にあわせるのは絶対いやです」と泣きながら訴えるくらいの被曝量なのです。放射能を取り扱う人間にとっても高い基準だし、子どもには決して許してはいけない基準です。そんなところに子どもたちを帰すなど、到底あり得ない政策です。
原発に反対する人たちの中にも、「美味しんぼ」での鼻血の記載を非難する人たちがいますが、些末なことに目を奪われず、現在進行している犯罪行為そのものに向き合ってほしい と願います。



『1平方メートル4万ベクレル(年間被曝量1ミリシーベルト)の一般市民の避難基準』

東電御用達の福島第一原発のルポルタージュ漫画『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』の覆面擬装作家『竜田一人』ですが、年間被曝量が20ミリシーベルトを超えたために『解雇された』と書いている。
レベル7の核事故後に被曝限度が突然以前の5倍の100ミリシーベルトに引き上げられたが、実際に作業員を雇用している東京電力の下請け企業としては、将来の訴訟リスクを恐れ、年間被曝量が20ミリシーベルトを超える以前に、自動的に解雇(雇い止め)しているのである。
被曝限度の関係で次々とベテラン作業員が離脱して極度の人手不足から仕方なく、今ではヤクザが拉致まがいで手口で大都市のホームレスをかき集めたり、大阪寝屋川市の中学生男女連続殺人犯のように長年服役していた刑務所から直接福島県の除染作業の現場に送り込まれている事実は、この『逝きし世の面影』しか書いていなかったが、最近では外国通信社が報じるようになった。
そもそも一般市民の被曝上限であるかのごとく政府やマスコミが騙していた『年間20ミリシーベルト』とは漫画『いちえふ』にはっきりと描かれているように、原発作業員の雇い止めの被曝限度ですよ。それを福島県では幼児や妊婦にまで適用する極悪非道。言語道断の犯罪行為である。
今までマスメディアが決して口にしなかった年間被曝量1ミリシーベルトの被曝上限の『放射線管理区域』を報じるうようになったが、原因は3・11フクシマから5年が経過して『時間切れ』、完全に限界に達しているのである。
不必要な一般人の出入りが禁止されている(小出裕章のような専門家でも飲食が禁止されている)『放射線管理区域』をマスコミもようやく報じるうようになった。
ところが今度は新しく、年間被曝量1ミリシーベルト以上である『放射線管理区域』の被曝基準を五倍増して、チェルノブイリの強制的な全住民の疎開基準である『5ミリシーベルトだ』と言い出した。この連中には最初から『真実を伝える』との真面目さが少しもない。石川五右衛門ではないが、この世で浜の真砂と悪事のネタが尽きることが決してないのである。

『ほぼ、お粗末な詐欺か子供だましの腹立たしい手品の類』

何も、小出裕章助教の言葉を借りなくとも『放射線管理区域』が4万Bq/㎡(年間被曝量1ミリシーベルト)である程度の話は、今では誰でも知っている常識だと思っていたが、なんと、ネット空間ではこの『逝きし世の面影』記事を除き、何故がすべてが消滅している。そもそもマスコミでは放射線管理区域の話はタブーだったので、(今回の毎日新聞記事を除いて)今まで誰も報じていない。
毎日新聞(広岩近広専門編集委員)や流行作家の高村薫らの『年間5ミリシーベルトを超える放射線管理区域』との不思議な妄想ですが、たぶん、少しでも『日本人がパニックを起こさない』様にと気を使っているのでしょうか。
玉石混交のはずが、すべてのネットの記述の被曝基準(放射線管理区域)の数値が『年間5ミリシーベルト』になっていたから驚いた。(グーグルが検索エンジンを操作したのだろうか)3歩あるけば過去を忘れる鳥頭。集団的アルツハイマーなど極度の痴呆状態である。
そもそも日本の法令では一般市民が『放射線管理区域』内に数時間だけ、短期間立ち入ることを想定していたが、フクシマ後の日本国のように5年間もそこに住み続けるなど『誰も考えていなかった』のである。
たとえばWikipediaの『放射線管理区域』を見ると、文部科学省の『放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律による管理区域』の設定基準では『外部放射線に係る線量については、実効線量が3月あたり1.3mSv』とあるので1年間(12カ月)では4倍の5ミリシーベルトを超えていると勘違いさせるという、なんとも馬鹿馬鹿しい子供だましなお粗末な仕組み(詐欺か手品)なのです。(危険なレントゲン室に3カ月も住み続ける一般市民は誰もいない。普通なら出来る限り早く短時間で退出する)

『五年が経過して、やっとフクシマがチェルノブイリ(年間被曝量5ミリシーベルト地域からの強制疎開)になる!?』

今までの放射線管理区域の基準だった年間被曝量を、今回日本のマ大手のスコミやネット検索上で、法令を完全無視して1ミリシーベルトから5ミリシーベルトに勝ってに5倍増した原因ですが、チェルノブイリの数十倍も多い小児甲状腺がんの爆発的な発症で、(今まで5年間も無視していたのに)日本もやっと20ミリシーベルトもの超高濃度汚染地域からの一般住人の脱出を進める事を政府が決断したと思われる。
政府やマスコミの、神をも恐れぬ5倍増(1ミリシーベルトから5ミリシーベルトにした年間被曝量)の放射線管理区域の基準変更の暴挙ですが、これは5年前の2011年3月11日の福島第一で、それまでの1ミリシーベルトから20倍増の20ミリシーベルトに引き上げられていた年間被曝限度を、チェルノブイリの強制疎開の5ミリシーベルトに引き下げるとの事前工作のプロパガンダ(情報操作による世論誘導)が始まったのである。(基本的に同じレベル7の核事故であるチェルノブイリと同じ経過を日本のフクシマが辿っている)


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