(前回からの続き)
日本から、そして中国からも遠く離れた地で、アメリカの軍産複合体(および欧州や中国の軍事産業)が演出する「ウォーゲーム」に、自衛隊員を持ち駒に嬉々としてエントリーする―――これが集団的自衛権行使を容認する安全保障関連法の成立後に安倍政権や与党が思い描くシナリオなのだろうと想像しています。おカネ持ちの日本が加わればゲームはもっと派手になるわけですし・・・
で、ここでいちばんトクをするのはもちろん、ゲームの主催者たち。なぜなら、先述したように(日本やアメリカの「敵」役を含む)ゲーム参加者全員に自分たちの商品、つまり武器兵器の類を大量に売りさばいて儲けることができるから。そしてソンをするのは・・・そんなマネーゲームを正義のための戦いなどと信じ込まされ、何の恨みもない異国の人々を殺傷し、そのあげくに自らも傷つけられ殺される運命にある各国兵士と・・・自衛隊員・・・。
といったように、アメリカが関与する今世紀の戦争をある種のゲームと捉えるといろいろと見えてくるものがあると感じています。まあ第二次大戦を含む前世紀の戦争は・・・米国民の犠牲者の数も相当数に上ったのでゲームにたとえるのは難しいですが、上述の敵の変遷「大国」⇒「小国」⇒「集団」にともなってアメリカの武力行使がゲーム色の濃いものになっているということはいえるかと思います。
で、その象徴がいまや戦いの必須アイテムとなった(?)「ドローン」。戦場から何千キロも離れた快適なオフィスでジョイスティック(?)を操作しながら敵をやっつける・・・って、完全にTVゲームですね・・・。自ら「痛み」をともなわないヴァーチャルな感覚でリアルに街を破壊し、人間を抹殺する・・・。その人は(中古の米製武器を携えた?)危険なテロリストではなく、ただの羊飼いかもしれないのに・・・
とまあ、かように恐ろしく罪深いコトにわが日本国がいま、巻き込まれていこうとしている、と大いに心配しているわけです。ああ神さま、これでは多くの日本人が死後、青い目をした武器商人たちの霊がたむろする次元に堕ちてしまいますよ~と嘆いても仕方がないか・・・。閻魔大王の仕置きがコワイ小心者のわたしと違って、安倍政権・与党そしてその支持者の皆さんはそろって無神論者ですからね・・・(???)
それでも・・・わが国は大丈夫、戦争ゲームに参加させられることはない、と信じたい。というのは先述のように、すでにアメリカはリアルな戦争どころか、そんなヴァーチャルなウォーゲームへの参加代金すら事欠くようになってきたことのほか・・・とくに今世紀に入ってからのアメリカは、敵対する相手を打ち負かす戦略手段として軍事力ではなく金融力を行使するケースが多いからです。