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【通貨金融「新興国型」の中国がいま買い増すべきは円資産】「一帯一路」で何もない?「西」に向かう中国⑩

2020-02-21 00:01:18 | アジア

前回からの続き)

 前述のように、中国の経済的根幹である通貨・金融システムは第1に米ドルそして2番目にユーロに依拠して成り立っていますが、その両通貨とも実質的に日本が支えているからいまの価値を保っていられる面があるわけで、その意味では、自覚しているかどうかはともかく中国は上記を日本に頼っている、といった見方もできると考えています。

 となると、このあたりを外国に依存せざるを得ない中国にとっては、ドルやユーロなどよりも、・・・建て資産(日本国債等)の保有額を増やすのが賢明、ということになってきます。その意味でアベノミクス、すなわち極端な円安のいまは、中国(などの諸外国)にとっては円資産を安く買うべき絶好の好機でしょう。

 実際、各国はこれらを着々と買い増しています。財務省の債務管理政策レポートによれば、海外勢の本邦債券(国債、地方債、社債等のすべての債券;カストディアン[金融機関]ベース)の所有合計額は、アベノミクス開始直前の2012年には96.9兆円だったのが、2018年には同175兆円と、6年間で8割も増えています(っても、この間の円安ドル高進行でドル換算額の増加率は約33%となる)。この間の日本の金利(名目)が世界トップレベルの低さで推移したにもかかわらず外国勢がこうして保有円資産を増やしたのは、単純にそれらが実質実効ベースで20%以上も割安で、海外の投資家にとっては、見た目の低利回りを差し引いてもその潜在的な実質利回り―――これらがもたらすドル等換算額の増分―――が元本に対して20%以上?もの高率が見込めるためでしょう。とても合理的な判断だと思います。

 ちなみに、上記175兆円のうち中国の保有額は14.3兆円で全体の4番目となっています(1位アメリカ、2位ルクセンブルグ、3位ベルギー)。これ中国の外準総額約3兆ドルに比較するとずいぶん少なく感じられますが、先述、そしてこちらの記事等に書いたような事態―――ドルそしてユーロが暴落する事態―――になった場合は、このドル・ユーロ換算の価値が逆に大きく膨らむことになります。1ドル100円が同50円になれば2倍に、同30円になれば3倍超になる、といった具合です。これによって中国人民銀行(中銀)資産勘定の急収縮の勢いは緩和され、人民元の価値は一定程度、下支えされるでしょう。それはこちらの記事等に書いた「」(ゴールド)が果たす役割と同じですが、いまの円資産はおそらく次の2点で金以上に中国にとって有用なはず。1つ目は、円が過度の安値に抑え込まれているために、上記場合でのドル等に対する上昇リバウンドの大きさが金をも上回る可能性があること、そしてもう1つは日本国債等の流動性が金よりもずっと高いこと、です。

 以上からすれば、「新興国型」(先進国の通貨・資産を自国通貨の裏付けにしているスタイル)の中国には、このタイミング(円安の現在)で日本国債等の円資産を買い増さない手はないように思えますね。本稿のタイトルで言えば「西」ではなく「東」(の日本の円建て資産のいっそうの確保)を目指したほうがよほど国家国民のためになる、といったようなことです。他方、これ日本にとっては(チャイナマネーを借金することの)キモチ悪さ?があるかもしれませんが、ぜんぜん大丈夫。だってチャイナマネーは「疑似ドル」すなわちドル(ユーロ)・・・に支えられているのであり、そのドル(ユーロ)は、わたしたちジャパンマネーが支えているのだから・・・

(続く)

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