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「花つみ日記」

2009年03月23日 | ★人生色々な映画
なんと可愛らしいタイトル!

大阪の女学校を舞台に
東京からの転校生・佐田みつる(清水美佐子)と
置屋の娘篠原栄子(高峰秀子)との友情、
憧れの先生(葦原邦子)との交流などを描いている。

先生役の葦原邦子は宝塚のトップスターで
あの中原淳一の奥様になった人。
原作は吉屋信子。
まさに「少女の友」の世界の映画版なのである!

当時15歳の高峰秀子が達者な演技で魅力全開!
セーラー服が、
そして銘仙の着物がよく似合う。




すんなり伸びた手足がまぶしい。
屈託の無い笑顔に可愛らしい仕草。
誰だって好きにならずにはいられない愛くるしさ。



婦人雑誌などの広告にモデルとして
よく登場していたのもこの頃だと思う。

制服姿の女学生が
唄いながら校庭を箒で掃く冒頭のシーンは
とても美しく、整然としておりまるでこの世の天国のようだ。

異性への恋が芽生える前、
子供と大人のちょうど中間に位置する
少女の時代にフォーカスが当てられている。
これより幼くてもダメで、
一年たつとまた全然違ってくるのだろうな。

この時期に良質のものを読んだり聴いたりしないと
悪い習慣がついて
親の言うことも聴かず、先生の教えにも従わず
皆に笑われ誰にも好かれない娘に育ってしまうのだろうな。
(「少女の友」創刊の辞より抜粋)

つまりとっても繊細で大事な時期なのである。本来は。

高峰秀子は明るく溌剌としていて
だれよりもお転婆さんに見えるのに、
病気のシーンになると、儚く美しくて、
今にもすぐ死にそうに見えてしまうのだ。
さすが天才子役。
この頃からもうすでに千両役者なのだ。

ほんの一瞬の少女の頃、
かけがえの無い瞬間を捉えた宝石のような作品。
やがて少女たちはそれぞれの路へと分れて行く。

大阪の風情のある街並みが見られるのも貴重だ。
空襲ですっかり面影は無くなってしまったらしい。

加藤治子がこの作品でデビューしたらしいけど
どれかわからなかった!もう一度見よう!

1939年

監督…石田民三
脚本…鈴木紀子
原作…吉屋信子『天国と舞妓』
撮影…山崎一雄
音楽…鈴木静一
美術…河東安英

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