邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

「結婚」・ドラマ

2009年11月30日 | ★TV番組
土曜の昼、急用があって銀座にすっ飛んで行き
和装小物の老舗「くのや」さんで買い物をしたところ
店員さんがレジ横に積まれた品物を指差しながら、
誇らしげな笑みを浮かべ
「先ほどまで石井ふく子さんが見えてましてね。」とのこと。
そして
「今日のテレビ朝日のドラマ「結婚」ぜひごらんになってください!」
とチラシをくれた。

うずたかく積まれた品々は
石井さんがスタッフに配るためのもののようで
めでたい熨斗が付いていた。

その数と大プロデューサーの気遣いに圧倒された!

慌しく用事をすませ家に戻り
夜の9時過ぎに
「ア そうだそうだ」とチャンネルを合わせたところ
行ったばかりの「くのや」さんの店内がバンバン登場していて
思わず見入る。

一人っ子同士の結婚で
バタバタする家族を面白可笑しくときにほろりと
させながら描く、脚本橋田寿賀子・プロデュース石井ふく子コンビによる
コテコテの橋田ワールド・寿賀子節のホームドラマであったが
キャストが豪華なのが目をひいた。

ひとり娘上戸彩の両親には渡哲也・高橋恵子、
 叔母として若尾文子!!
石原軍団・徳重聡 の両親に西郷輝彦・松坂慶子
という配役。

渡哲也が 「くのや」さん(名前は変えてあった)
のあるじ役ということで
お店では着物姿!

ドスが効いた声色、粋な着流し姿に
ひと昔前の日活時代がふと頭をよぎるも
今は
娘を愛する頑固親父としてほんわかオーラを出す姿に
時の流れを感じた。

長い台詞のバトルで頭がぐらぐらしつつ
若尾文子さんに
照準を合わせ、一点集中して見たが
その変わらぬ美しさにlまたまた圧倒された!

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こだわり人物伝「松本清張」 2

2009年11月19日 | ★TV番組
「怯える みうらじゅん」

みうらじゅんが
自他共に認めるという清張マニアで、
ほとんどの小説を読破していることを
私はち~~っとも知らなかった。

小説の舞台になっている場所も隈なく訪れているとか。
冒頭から
せきを切ったように清張文学を語る様子は
熱気を帯び
何かに獲りつかれている様で
とめどもなく言葉を重ねているにもかかわらず
結局何が言いたいのかよくわからなかった。

だがその表情の中には
「恐怖」の一文字が見て取れた。

繰り返していた「仏教的」の意味は
因果応報」ということらしい。

キイワードその1: 因果応報

人間、調子に乗った時が危ない
ということも学んだ。
みうらさんはよく
調子に乗った時に清張を読んで我がフリを直すそうだが
今までどんな悪いことをしてきたのだろうかと
あれこれ想像したくなるような
身につまされ方、怯え方だった!
そしてこの言葉を発した時
最も恐怖のボルテージが上がった(ような気がする)

キイワードその2:オネエチャン

清張とみうらじゅんってどうしても結びつかなかったけど
つまりそういうことだったのか!!

これを書いているうちに
もう第三回、
(歴史を清張文学から見直すみたいな内容)
が始まっていた!
見なくては。

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特集N響アワー 「大河の調べ とわに」

2009年11月17日 | ★TV番組
日曜の夜、教育テレビで
N饗による大河ドラマのテーマ曲
特集していた。

大河のテーマといえば
一度聴けば覚えてしまう
「赤穂浪士」の重々しいメロディが浮かぶ。

今回それが演奏されると聴いて、
これは見たい!と思ったワケ。

スクリーンに大きく長谷川一夫の顔が映し出され
あのテーマ曲が流れると
いきなりタイムスリップ!

めったに聴けない演奏に感激。やっぱり名曲だ~~~

作曲した芥川也寸志は映画音楽も沢山手がけたが
中でも野村芳太郎監督「八つ墓村」の美しい調べは
おどろおどろしい内容・画面と正反対が故に
すごい効果を呼び
頭の中が激しくかく乱されたので、忘れられない。

そういえば兄の比呂志も大河ドラマに出演。
「源義経」で
頼朝を演じ、強烈な印象を残しましたね。

ラインナップは

1「赤穂浪士」( 芥川也寸志 作曲 ) [昭和39年]
2 「元禄太平記」   ( 湯浅譲二 作曲 ) [昭和50年]
3. 「花神」   ( 林 光 作曲 ) [昭和52年]
4. 「翔ぶが如く」   ( 一柳慧 作曲 ) [平成 2年]
5. 「独眼竜政宗」   ( 池辺晋一郎 作曲 ) [昭和62年]
6. 「利家とまつ」   ( 渡辺俊幸 作曲 ) [平成14年]
7. 「篤姫」   ( 吉俣良 作曲 ) [平成20年]
8. 「天地人」   ( 大島ミチル 作曲 ) [平成21年]
指揮は秋山和慶

見ていないものもあるが
壮大な名曲ぞろいで
それぞれのドラマにぴったり添っている~~ような気がする
 
これらを聴きながら
またもやせっせと編み物にいそしんでいたので
大河ドラマの
脳内コラージュのような作品が出来そう。

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こだわり人物伝「松本清張」1

2009年11月07日 | ★TV番組
小説家の阿刀田高が清張文学を分析。
高峰三枝子主演の「点と線」の映像を
使っているのが嬉しかった。
有名な作品とはいえ、犯人ばらしたり
トリックばらしたりのネタバレ大会だった。

面白かった指摘:

●根っからの悪人じゃなくて
普通の人が止むに止まれず犯罪を犯すが
悪人になるからにはやはり異常な部分が
あって、そこを丹念に書いた
********

どこか「ずれ」みたいなものがある人間を
書ききる清張さんはすごいと思う・・・・・・・・・・・

●同じ舞台ということで
「天城超え」と川端康成の「伊豆の踊り子」を比べ
『伊豆・・』は将来を約束された学生が貧しい踊り子に恋をする、
社会的に上の立場の人間が踊り子を恋する話だった。
清張はそれを好まなかったのではないか。
 「天城・・」は社会的に同じような境遇の人間が触れ合う物語だったとして
清張はあくまでも普通の庶民の視点から小説を書いたと分析。
*****

確かに比べれてみれば
「伊豆の踊り子」は上から目線の恋愛だった。
がしかし天城・・を書いた時、
果たして清張さんの頭にあの話が頭をよぎったでしょうか?
上から目線の「伊豆・・」に対して
下から目線恋愛の代表作では鴎外の「雁」があったが、
今だと『伊豆の踊り子』も「雁」も格差だとか差別だとか言われるのだろうか??と妄想が広がっていった。
久々に田中裕子の艶姿。

庶民の視点というより、虐げられた弱者の視点と思う。

●清張は読者が読書から何を求めているかということを熟知していた
:仕事から帰り、二三時間本を読むにはとにかく筋が面白くなくてはいけない。
少年の頃から働きづめだった清張自身が身に沁みていたのでは?
*****

納得。気取った「文学」ではなく、
面白くなければ小説じゃない が清張小説だったのだ。

次回は みうらじゅん !?が清張を語る

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「事故」

2009年11月02日 | ●面白かったTVドラマ

録画したままHDDに眠っていた
松本清張ドラマ「事故」を、見る。

人妻山本陽子と、興信所の所長、田村高廣の泥沼愛欲サスペンス。

田村の部下で
興信所の女社員に扮した野際陽子がいいカンジ。
マネキン人形みたいに綺麗だが
その美貌を押し殺した役どころ。

化粧も服装も地味なのになぜか靴だけは派手で、
いつも真っ赤なパンプスを履いているのだ!
暗く妖しく光る女の情念を思わせますな~~
そして美しい山本陽子に嫉妬し反感を持ち
思い切った手段で二人の関係を暴きだす。

証拠を握られ追い詰められた二人は口封じのためについに邪魔者を
消そうとするが・・

安っぽいラブホテル、ダサかわいい喫茶店(”カフェ”ではない)等、
昭和の生活感ただようセットはなぜか見ていて落ち着く。

派手な演出も一切無いのに主人公たちに感情移入して
二人がピンチになる場面ではハラハラしてしまう。

「旦那さんがいるのに今電話なんかしちゃダメでしょう!ばれるわよ!」
「あのテープはきっと予備に二本あるのよ、気をつけなきゃ」
「佐野浅夫が感づいたわよ」
「あんたたち、こんな時にそんなところでそんなことしてる場合!?」
と、
熟練俳優田村・山本カップルの上手さに翻弄され、
ひきこまれてしまうのだった。

懐かしい渡辺文雄が出ているのも嬉しい。
山本陽子の嫌味な亭主役で、
どっしりと重たい文鎮のように二人の間に横たわり、ガンとも動かない・・・

1975年のテレビドラマ

蛇足:山本陽子って昔っから茶髪だったのが印象的~
ここでも
赤っぽい茶色の髪で和装、洋装、なんでも来いとばかりに
着替えまくっています。

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