なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

アレルギー性紫斑病、気胸で転院搬送

2016年06月22日 | Weblog

 昨日皮膚科の先生(大学病院からの非常勤医師)から連絡が来た。87歳男性が両側下肢の紫斑(主に下腿で大腿遠位にも若干ある)で受診して、アレルギー性紫斑病と診断された。発熱・腹痛・腎機能障害がないことから、今のところは経過観察とするが、ステロイドを使用することになると、治療中の糖尿病の問題があるので、どうなりますがということだった。

 ステロイドを投与するとインスリン注射が必要になるので、その時は内科入院で診ますと答えた。皮膚科が終わった後に内科外来にきてもらったが、ご本人は元気だった。両下肢に確かにpalpable purpuraがあった。皮膚科の外来予約日に合わせて内科外来の予約も入れて、いっしょに経過をみることにした。

 肺線維症(IPF)の77歳男性は、基幹病院呼吸器科から気胸の治療後に当院に転院していた。左気胸で胸腔ドレーンを挿入して治療していたが、なかなか改善しなかったらしい。紹介状に奇跡的に肺が広がってドレーンを抜去できたと記載されていた。ただ左胸腔内の空気が若干残っていて、その後に軽度だが右気胸も起こしていた。両側気胸でドレーンの適応なし(軽度だから?)ともあった。

 当院に転院して翌日に胸部X線・CTで確認すると、左気胸が再発していた。患者さんは特に症状を訴えず、1日経過をみて胸腔ドレーン挿入を検討しようと思ったが(弱気だった)、その夜に呼吸困難・冷汗が出現した。左胸の呼吸音が消失して、緊張性気胸として午前2時に胸腔ドレーンを挿入した。症状は軽快したが、翌日の胸部X線では、肺は半分しか広がらなかった。10cmの圧で吸引して十分に引いてはいたが、やはり広がらない。

 この方の肺は胸膜側全体にブラ(表現としてブラでいいのか?)がある。どこから漏れてもおかしくないし、一か所だけかどうかもわからない。今週になってさすがにこのままでは無理と判断した。呼吸器センター(呼吸器外科も充実)のある病院の先生が呼吸器外来の診察に来ていたので、相談した。病室に来てもらって、間違いなく充分に引けていることを確認してもらうと、転院でみてもらえることになった。とりあえずもう1本胸腔ドレーンを挿入するらしいが、それでダメならまた考えますということだった。呼吸器外科で胸腔鏡下に処置できるのだろうか。

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