読書日和

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「優駿」宮本輝 のご紹介

2007-03-10 15:49:12 | 小説
こんにちは。
本日2度目の投稿です。
今回ご紹介するのは、「優駿」(著:宮本輝)です。
この小説はオラシオンという一頭の競走馬を中心とした、競馬の世界を描いたものです。
オラシオンとは希望という意味です。
このオラシオンの誕生、デビュー、日本ダービー出走までの間にいくつもの人間ドラマがあります。
それは必ずしも現実離れしたものではない、実際に起こる可能性があるのではと思わせるものです。
中でも興味を持ったのは、騎手同士の人間ドラマです。
オラシオンがデビューし、活躍するにつれて、皐月賞や日本ダービーといったクラシック3冠への期待が高まります。
クラシック3冠とは「皐月賞」、「日本ダービー」、「菊花賞」という3つのG1レースのことを言います。
牝馬の場合は「桜花賞」、「オークス」、「秋華賞」の3つのG1レースのことです。
これらのレースは一生に一度しか出走するチャンスがありません。
3歳の若き馬たちが、一生に一度の晴れ舞台で栄光の座を争うのです。
オラシオンに乗っている騎手はまだ若く、それほど有名でもありません。
しかしオラシオンという馬と出会ったことによって、彼にはクラシックジョッキーになるチャンスが巡ってきました。
強い馬に乗ったほうが勝つ可能性が高いのは考えるまでもありません。
ディープインパクトの強さが圧倒的だったから、G1を7つも勝つことが出来たのだと思います。
いかに武豊が天才といえども、並みの馬でG1を7つも勝つのは無理でしょう。
これは余談になりましたが…。
話を戻すと、競馬の世界では馬の実力がかなりのウエイトを占めているということです。
騎手が天才でも、馬が弱かったらG1は勝てません。
そしてオラシオンはG1を勝つ実力を秘めた馬です。
このとき、別の騎手が、オラシオンを奪おうと考え始めるのです。
年齢もベテランと呼ばれる領域になり、クラシックジョッキーになるチャンスも残り少ない騎手が、強い馬を横取りしようとするのは現実世界でもあるのではと思います。
この小説では、今まで良くしてくれていた先輩騎手が、急に刺々しい態度になります。
オラシオンの正騎手の座を奪おうとするのです。
彼はまだ日本ダービーを勝ったことがなく、その栄光に心を奪われてしまったのだと思います。
若き騎手は、必死にこの先輩に対抗します。
そしてオラシオンと、皐月賞、日本ダービーを戦っていくのです。
小説のクライマックスは、日本ダービーです。
さまざまな人の思いを背負ったオラシオンが晴れ舞台で走る姿を、みなさんもぜひ読んでみてください。

※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (モルツー)
2007-05-01 22:56:06
TB、ありがとうございました!
って、かなり以前のことですが、なんと今日になって気付いたので(^^:)、早速こちらも拝見させていただきました。
『優駿』、イイですよね。
ラストのダービーのシーンは、しっかりと、疾走するオラシオンの姿が思い描けてしまいました。
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モルツーさんへ (読書日和)
2007-05-05 19:33:57
ラストのダービー、ドラマチックでしたよね
ゴール前でオラシオンがよれて、審議になって。
いろいろな人の思いを乗せて走るオラシオンに、なんとしても勝って欲しいなと思いました。
ダービー馬になれて本当に良かったと思います
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愛の単勝馬券 (めぐる)
2008-05-24 19:37:12
はまかぜさん、こんにちは!
図書館、素敵ですね(*^^*)
これからもどんどん本(レビュー)増やして下さい♪楽しみにしています。

さて「優駿」といえば、自分が単勝買うと来ないって言って、オラシオン以外の馬の単勝をぜーんぶ買ってたナイスな方に感激しました。
でも確か原作では黒い馬だったのに、映画では栗毛の馬になってたのが残念かな(^^;宮本輝作品は一時期はまって読んでいたのですが、だいぶ忘れているので、また機会があったら読み返してみたいと思います。他には「夢見通りの人々」「道頓堀川」が好きです(*^^*)良い作家さんですよね!
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めぐるさんへ (はまかぜ)
2008-05-26 15:56:02
図書館、これからもレビュー増やしていきますよ☆
去年の6月頃に図書館を作って、そのときはレビューは30記事くらいでした。
当面の目標は100記事です♪

単勝を全部買ってた人、私も印象に残っています。
最後の直線でのハラハラする展開も見ごたえがありました。
映画だとオラシオンは栗毛なのですね!
私は映画は見ていないのですが、優駿の人間ドラマや日本ダービーの様子を、実写版で見てみたい気もします。
宮本輝さんの作品は、ほかに「錦繍」を読んだことがあります。
小説全編を通して手紙のやりとりだけという、面白い構成になっていました。
いつかレビューを書きたいなと思っています。
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