今回ご紹介するのは「美丘」(著:石田衣良)です。
-----内容-----
美丘、きみは流れ星のように自分を削り輝き続けた……
平凡な大学生活を送っていた太一の前に突然現れた問題児。
大学の準ミスとつきあっていた太一は、強烈な個性と奔放な行動力をもつ美丘に急速に魅かれていく。
だが障害を乗り越え結ばれたとき、太一は衝撃の事実を告げられる。
彼女は治療法も特効薬もない病に冒されていたのだ。
魂を燃やし尽くす気高い恋人たちを描いた涙のラブ・ストーリー。
-----感想-----
ちょっとこの作品は、あまり私には合いませんでした。
主人公「太一」が「美丘」に語りかける形の文体が、どうにも鼻に付く感じだったんですよね
石田衣良さんは同じような文体に「池袋ウエストゲートパーク」がありますが、そちらが自然な感じだったのに対し、こちらはちょっと無理していないか?と感じました。
例えば「美丘、君は…」のような感じで語りが始まるとき、何となく読んでいてげんなりとしてしまいました。
それくらい美丘のことが大好きだったというのを強調するためにそうしているのだと思いますが、ここまで思いつめた感じの文体にしなくても良いのではという気がしました。
きっとこの作品は、好き嫌いが分かれると思います。
話としては本当に魂を燃やし尽くすような涙のラブ・ストーリーなので、感動する人も多いはずです。
ではなぜ私がこの作品に感動できなかったのかを考えてみると、9月に見た「君が踊る、夏」という映画の影響が大きいような気がします。
この映画は単なるお涙頂戴の物語ではなく、死と隣り合わせでも生きる希望が爽やかに描かれていました。
対する「美丘」は生きたいというエネルギーは熱く描かれていましたが、後半は太一も美丘も泣いている場面が多く、文字通りお涙頂戴系でした。
この差が大きかったのだろうなと思います。
「君が踊る、夏」を観ていなかったら、素直に感動していたのかも知れません。
しかしあの映画を観た後だと、お涙頂戴系に対してマンネリのようなものを感じてしまいます。
「世界の中心で愛を叫ぶ」など、ここ数年そういったものがたくさんありましたしね。
もう少し時間をおいてまた読めば、違った感想を抱くかも知れません。
また、後半は泣いている場面がちょっと多すぎたかなとも思います。
太一と美丘だけでなく、その友達たちも泣いていたし、美丘の家族も泣いていたし。。。
美丘の病が発症してからの展開が早かったことも相まって、泣いているうちにクライマックスになってしまったような印象を持ちました。
闘病の期間の描写が少なかったのは、たぶん意図的にそうしているのだと思います。
この物語は太一と美丘が恋人になって短い時間を謳歌するまでがピークで、その後は内容の欄にあるように、「流れ星」のように過ぎ去っていくのを表現したのかなと思います。
私にしては珍しく批判の多いレビューになりましたが、作品自体がつまらなかったわけではないです。
文体は違和感があったものの、中盤から後半にかけては読み応えがありました。
こういう作品は読むタイミングによって抱く感想がだいぶ変わってくるので、涙のラブストーリーで感動したい心境のときにこそ、読むべきだなと思いました。
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-----内容-----
美丘、きみは流れ星のように自分を削り輝き続けた……
平凡な大学生活を送っていた太一の前に突然現れた問題児。
大学の準ミスとつきあっていた太一は、強烈な個性と奔放な行動力をもつ美丘に急速に魅かれていく。
だが障害を乗り越え結ばれたとき、太一は衝撃の事実を告げられる。
彼女は治療法も特効薬もない病に冒されていたのだ。
魂を燃やし尽くす気高い恋人たちを描いた涙のラブ・ストーリー。
-----感想-----
ちょっとこの作品は、あまり私には合いませんでした。
主人公「太一」が「美丘」に語りかける形の文体が、どうにも鼻に付く感じだったんですよね
石田衣良さんは同じような文体に「池袋ウエストゲートパーク」がありますが、そちらが自然な感じだったのに対し、こちらはちょっと無理していないか?と感じました。
例えば「美丘、君は…」のような感じで語りが始まるとき、何となく読んでいてげんなりとしてしまいました。
それくらい美丘のことが大好きだったというのを強調するためにそうしているのだと思いますが、ここまで思いつめた感じの文体にしなくても良いのではという気がしました。
きっとこの作品は、好き嫌いが分かれると思います。
話としては本当に魂を燃やし尽くすような涙のラブ・ストーリーなので、感動する人も多いはずです。
ではなぜ私がこの作品に感動できなかったのかを考えてみると、9月に見た「君が踊る、夏」という映画の影響が大きいような気がします。
この映画は単なるお涙頂戴の物語ではなく、死と隣り合わせでも生きる希望が爽やかに描かれていました。
対する「美丘」は生きたいというエネルギーは熱く描かれていましたが、後半は太一も美丘も泣いている場面が多く、文字通りお涙頂戴系でした。
この差が大きかったのだろうなと思います。
「君が踊る、夏」を観ていなかったら、素直に感動していたのかも知れません。
しかしあの映画を観た後だと、お涙頂戴系に対してマンネリのようなものを感じてしまいます。
「世界の中心で愛を叫ぶ」など、ここ数年そういったものがたくさんありましたしね。
もう少し時間をおいてまた読めば、違った感想を抱くかも知れません。
また、後半は泣いている場面がちょっと多すぎたかなとも思います。
太一と美丘だけでなく、その友達たちも泣いていたし、美丘の家族も泣いていたし。。。
美丘の病が発症してからの展開が早かったことも相まって、泣いているうちにクライマックスになってしまったような印象を持ちました。
闘病の期間の描写が少なかったのは、たぶん意図的にそうしているのだと思います。
この物語は太一と美丘が恋人になって短い時間を謳歌するまでがピークで、その後は内容の欄にあるように、「流れ星」のように過ぎ去っていくのを表現したのかなと思います。
私にしては珍しく批判の多いレビューになりましたが、作品自体がつまらなかったわけではないです。
文体は違和感があったものの、中盤から後半にかけては読み応えがありました。
こういう作品は読むタイミングによって抱く感想がだいぶ変わってくるので、涙のラブストーリーで感動したい心境のときにこそ、読むべきだなと思いました。
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そう言う読み方なので、どうしても、TVドラマと本との比較をしてしまいがちでした。私の場合は、ドラマの、はかなく美しく繊細なイメージが強くて、本ではちょっと違うなと若干違和感を感じました。
私は原作よりも、ドラマの方がよかったんですよね。
終わり方も、原作よりドラマの方がよかったです。
そうですね・・・、読むタイミングで、感じ方に違いはあるでしょうね。
私も原作とドラマを同時にしなかったら、もっと違った感想をもったかも・・・。
ドラマはちらっと見たくらいでしたが、そこで見た内容は、原作とは違っていたと思います。
やはりドラマ用にアレンジしているのでしょうね。
原作の終わり方は、この場面で終わるのか…という感じでした。
ドラマの最後がどんな感じだったのかがちょっと気になりました^^
ドラマも観ていなかったのですが、原作はちらっと気になっていましたが。。。
最後の方は泣いてばかり。。。というのが、、、うーん。。。
元気のある時になら、読めるかしら???
読み始めてから、作品の雰囲気に慣れるまでが大変でした^^;
最後のほうは泣いてばかりですが、後半はなかなか読み応えがありました。
時期をおいてもう一度読めば、違った感想を持つかなと思います