誰が国家を殺すのか 日本人へ V 塩野七生(著)2022年11月発行
『文藝春秋』2017年〜2022年1月まで(途中、多少途切れる期間あり)の連載を
新書版にまとめたもの。
最近のイタリアを含むユーロ圏の政治経済に対しての嘆き、また遠くイタリアから
母国を愛する日本人として眺めた近年の日本人、日本政治のありようを案じ、憂い、
著者なりの意見が書かれています。
彼女の危惧や想い、政治家たち以外の日本人ならば、思うところは同じかなと。
個人的に西洋史が好きなので、著者の歴史本やエッセイは、30歳代〜50歳まで、
ほぼ全て購入し愛読していました。
著者の冷静で独自な歴史の捉え方、人物に対して分析と共に個人的な愛情が垣間見られ
たりするところが、いわゆる歴史書と言われる書物とは異なる魅力でもあり、
膨大な資料と格闘したり実地見聞の末の、切れ味鋭く小気味よい表現、ファンには
堪りません。
それが、『ローマ人の物語』全15巻完了したあたりから、ご無沙汰してしまい、
たまにこうしてエッセイ集を読むのが精一杯に。
まあ個人的にも色々ありましたからねえ。
『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』『ルネサンスの女たち』『海の都の物語』
など、ワクワクしながら読んでいた頃の気持ちになって、再度読み返し、古のイタリアの
魅力的な歴史的な人物を想像したり、イタリア各地を旅行する気分を味わえたらなあ・・・
これぞ老後の愉しみ!?
わがまま母